冬の空といえば、どんな空を思い浮かべますか?
各地域で違う「冬の認識」について、全国の皆さんへのアンケート結果をもとに徹底解説します。

あなたの思う「冬の空」とは? 地域によって違いが明らかに

いよいよ年末も近づいてきて、本格的な冬がやってきました。
tenki.jpでは、昨年、Yahoo!さんとの共同企画で、冬について全国のユーザーの皆さんにアンケートをとりました。

皆さんは「冬の空」というと、どのような空を思い浮かべるでしょうか。
「あなたのお住まいの地域で、冬の空といえばどんなイメージですか?(単一回答)」と聞いたところ、大きく分けて3つの空イメージに分かれることが分かりました。
お住まいの地域と、皆さん思う「冬の空」のイメージと一致しましたでしょうか。

冬の空の違い 「冬型の気圧配置」と「脊梁山脈」が影響

冬になると、大陸からの冷たい空気が高気圧として日本列島へ張り出し、日本列島の上空では西側に高気圧、東側に低気圧が天気図上で確認できるようになります。これがいわゆる「冬型の気圧配置」または「西高東低の気圧配置」です。この気圧配置になると、日本海には筋状の雲が現れ、日本海側の地域に雪を降らせます。

また、日本列島には「脊梁(せきりょう)山脈」と言われる列島の中心を縦断する山々が多数伸びています。日本海で発生した雪雲は、これらの山にぶつかって越えられないため、太平洋側の地域では晴れる傾向になります。
これが、太平洋側と日本海側で冬の空のイメージが明瞭分かれた原因となります。

冬の間に気を使うことは?

皆さんは冬の間に何を気にして過ごすでしょうか。

「あなたが冬の間に気を使うこと何ですか。(複数回答)」と聞いたところ、地域によって気を使うことが大きく違うことが分かりました。
代表地点として、北海道(道央)、新潟、東京、大阪、福岡、沖縄の回答をそれぞれ見ていきます。

北海道や新潟のような、気温が低く雪が多く降る地域では、東京、大阪、福岡、沖縄に比べて「路面凍結」「雪かき」「落雪」「水道管凍結」に気を使うことが多いようです。
新潟や北海道のような雪国では、冬の期間中は、毎日のように雪かきをしたり、落雪に注意したりして生活をする必要があります。さらに、ほぼ毎日氷点下になりますので、路面凍結や水道管凍結が起こりやすくなります。

一方、東京、大阪、福岡、沖縄では「乾燥」「静電気」「火災」「インフルエンザ」に主に気を使って冬を過ごしている方が多いことが分かりました。
これらの地域の冬の降水量は、1年の中で最も少なく、一年で一番乾燥する時期です。人口の多い都市部も含まれますので、感染症にも、より一層注意をして生活している方が多いようです。

このように、冬の天候の違いによって普段の生活で気を使うことにも影響があることがわかりました。

「冬支度」は何をしますか? 雪国ならではの工夫も

秋から冬にかけての冬支度にも地域差はあるのでしょうか。

「あなたが今お住まいの地域で行う、あなたの「冬支度」を教えてください。(複数回答)」と聞いたところ、各地域で冬支度の内容に違いがあることが分かりました。

北海道や新潟に在住の方は、東京、大阪、福岡、沖縄に在住の方に比べて、全体的に複数回答における選択数が多かったことが特徴的でした。雪が多く寒さが厳しい地域であるがゆえに、よりたくさんの冬支度をしなければならないことが伺えます。

全ての地域の方に回答数が多かったのは「衣類・靴の防寒(衣替え)」だったのですが、北海道や新潟に在住の方は「衣類・靴の防寒(衣替え)」と同じくらい「冬用タイヤに履き替える」と回答している方が多くいました。さらに、「庭木の雪囲いをする」「除雪道具・機器のメンテナンス」「衣類・靴の防水・撥水」などの大雪への対策についても、北海道や新潟では東京、大阪、福岡、沖縄に比べて対策されている方が多いことが分かりました。

あなたは冬が好きですか? 嫌いな人が多い結果に

ここまで、各地域の冬の期間中の対策を見てきましたが、皆さん冬は好きなのでしょうか。

「あなたは冬が好きですか」と質問をしたところ、全国的に「嫌い」と回答した方が多い結果となってしまいました。中でも、寒さの厳しい北日本や雪が多い日本海側の地域を中心に「嫌い」と回答した方が多い傾向にありました。一方で、「好き」と回答した方が多い地域もあり、沖縄や鹿児島、静岡など比較的冬でも暖かい地域が目立ちました。

この動画・記事は、2021年12月に公開された、日本気象協会とYahoo!ニュースによる共同企画記事をもとに作成しています。
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■冬に雪が多く降る理由は? 冬型の気圧配置って何? 気象予報士が徹底解説

【動画出演】
安齊理沙 気象予報士