春から秋にかけて登山を楽しんでいるという人も、冬は気温が低くて寒いこともあり登山をお休みしている人もいるかと思います。でも、冬の澄み切った空気の中を歩くのは気持ちがよく、寒いからこそ、思いっきり体を動かせるといったメリットもあります。

とはいえ、冬の登山は求められるスキルもやや高め。そこでここでは、初心者でも楽しめて、上級者でも満足できる低山を4つご紹介します。いずれも景色が素敵な山ばかりですので、冬だからこその風景や空気感を楽しみたい人におすすめです。

しっかり歩けて冬だからこその景色が楽しめる低山をご紹介します
しっかり歩けて冬だからこその景色が楽しめる低山をご紹介します

低山とは思えない登山の魅力が詰まった「播磨アルプス」

兵庫県にある播磨アルプスは、高御位山とその周辺の山で構成された山系です。標高200〜300mの低山でありながら、稜線を歩く登山道は2,000m級の山を歩いているかのような錯覚に陥るほど歩きごたえがあり、初心者から上級者まで多くの登山者で賑わいます。

急な岩場もあるため軽装での登山はNG。本格的な登山用具を揃えて登りましょう。視界を遮るものがほとんどなく、山頂や登山道からは瀬戸内海を一望できます。さらには初日の出スポット・絶景の夕日スポットとしても知られています。

都道府県:兵庫県
標高:304m(高御位山)
ルート長(往復):約5.8km(鹿島神社からの周回コース)
アクセス:JR山陽本線曽根駅からバスで10分「鹿島神社」下車

瀬戸内海を眺めながら本格登山を楽しめます
瀬戸内海を眺めながら本格登山を楽しめます

季節を感じながら京都の町並みを一望できる「大文字山」

五山の送り火が行われることでも知られている大文字山ですが、実は京都の町並みを一望できる登山コースとしても人気があります。銀閣寺から往復するコースだけでなく、いくつものルートが張り巡らされており、何度でも楽しむことができます。

さらに季節の変化を感じられる山で、おすすめは雪が降った直後。山頂からは真っ白に染まった京都の町を楽しめるということで、あえて雪の日を狙って登る人もいます。通常はアイゼンなしでも登山可能ですが、念のため簡易アイゼンを用意しておきましょう。

都道府県:京都府
標高:465m
ルート長(往復):約4.0km(銀閣寺〜大文字山往復コース)
アクセス:JR京都駅からバスで40分「銀閣寺道」下車

ルートが多く季節ごとの風景を楽しめます
ルートが多く季節ごとの風景を楽しめます

瀬戸内海の絶景が目の前に広がる信仰の山「弥山」

広島県の宮島といえば、世界文化遺産にも登録された厳島神社を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、その厳島神社の後ろにあるのが標高535mの「弥山」です。古くから信仰の山として知られており、山頂には弘法大師も修行したといわれる本堂があります。

自然がそのまま残されているので原生林も多く、登山道では季節ごとに様々な表情を見ることができます。そして、見逃してはいけないのが獅子岩展望台からの絶景。海抜0mから登った先に広がる瀬戸内海の大パノラマは、忘れられない景色として記憶に残るはず。

都道府県:広島県
標高:535m
ルート長:約7.3km(縦走コース)
アクセス:宮島フェリーターミナルで下船してすぐ

獅子岩展望台から見る瀬戸内海の絶景は必見
獅子岩展望台から見る瀬戸内海の絶景は必見

360°の大パノラマが広がる924mの日本百名山「開聞岳」

富士山を彷彿させる美しい円錐形の姿から、「薩摩富士」としても親しまれているのが、924mの日本百名山「開聞岳」です。百名山としては筑波山の次に低く、しかも九州の南側にある山ということもあり、冬でも雪を気にすることなく登れます。

山頂は遮るものが何もなく360°の大パノラマが広がり、天気が良ければ霧島連山まで望むことができます。圧巻の絶景を楽しめる開聞岳ですが、標高差が大きいため、ある程度の体力は求められます。事前のトレーニングも含め、しっかりと準備をした上で登りましょう。

都道府県:鹿児島県
標高:924m
ルート長(往復):約7.6km(二合目登山口往復コース)
アクセス:JR指宿枕崎線開聞駅から徒歩約20分

冬でも登れる924mの日本百名山
冬でも登れる924mの日本百名山