総務省消防庁よると、令和3年1月から12月にかけての火災件数は、35,222件でした。月別では、12月から増え、2月が最も多くなりました。出火原因は「放火」が最も多く、次にたばこ、たき火などが挙げられます。出火原因に基いて、ご家庭の火災対策を見直してみましょう。

年間火災件数は1日あたり100件近く

消防庁よると、令和3年1月から12月にかけての火災件数は、35,222件でした。
これは、1日あたりおよそ98件もの火災が発生したことになります。
また、前年と比較すると、総出火件数、火災による死者数ともに増加という結果になりました。

火災種別でみると、建物火災が19,549件、林野火災が1,227件、車両火災が3,512件、船舶火災が63件、航空機火災が0件、その他火災が10,871 件でした。

月別にみると、12月から増えはじめ、2月が最も多くなりました。
総出火件数の 35,222 件を出火原因別にみると、「たばこ」が3,042件(8.6%)、「たき火」が2,764 件(7.8%)、「こんろ」が2,678 件(7.6%)でしたが、「放火」及び「放火の疑い」を合わせると 3,888 件(11.0%)で、最も多くなりました。

件数が多い主な都道府県は、東京都591件、埼玉県 329 件、神奈川県 318 件、愛知県270 件、大阪府262件の順となっており、大都市を抱える都府県で高い割合を示しています。

出展元 総務省消防庁 報道発表資料「令和3年における火災の状況」

出火原因「放火」

出火原因に基いて、自分の家の火災対策ができているかどうかを見直してみましょう。

昨年、令和3年に発生した火災35,222件の中で、最も多い出火原因は「放火(疑いを含む)」が、3,888 件(11.0%)でした。全火災の死者数1,417人の内、261人が放火によって亡くなっており、全体の18.4%にあたります。まずは、放火されやすい環境を作らないようにすることが大切です。

「家の周りを整理整頓」しておくことです。
ダンボールなどの燃えやすいものは、周辺に置かないようにし、共同住宅の廊下や階段などの共用部分にはなるべく物を置かないようにしましょう。燃えやすい上、周囲の方の迷惑にもなります。
燃えるごみは、必ず指定の燃えるごみの日の朝に出すように心がけましょう。

次に家の周りは「明るく、必ず施錠を」です。
放火魔は、留守のときや、暗闇で見つかりにくい場所を狙うそうです。家のまわりは、外灯などをつけて、明るくするなど防犯対策をしておきましょう。
また、物置や車庫には鍵を必ずかけるようにしてください。外部から簡単に進入できる環境は狙われやすくなります。

「消火器・火災警報器」などを備えて、とっさの火災に対応できるようにしましょう。
また、外出する時、「隣近所の方に一声かける」など、普段からコミュニケーションを図っていると、不審者等から家を守ることにつながります。

出火原因「たばこ」

昨年、令和3年に発生した火災35,222件のうち、出火原因が「たばこ」となったものが3,042 件(8.6%)ありました。

「寝たばこやくわえタバコ」は大変危険ですので、絶対にやめましょう。

「吸いがらは完全消火」することです。吸いがらに水をかけるなどして、完全に消えたことを確認してから捨てる、灰皿には吸い殻をためこまず、こまめに捨てるようにしましょう。

「ライターやマッチは手の届かない場所に保管」しましょう。子供がライターなどで火遊びをしている最中に火事にいたるケースもあります。子供は大人の行動をよく見ています。同居家族で喫煙者がいる場合には、ライターやマッチは必ず手の届かない場所に保管するようにしてください。小さい頃から「火の怖さと大切さを学ばせる」というのも対策の1つです。

コロナ禍でマスク生活が欠かせないため、外でたばこを吸う方はかなり減っているものと考えられますが、人がいない場所であったとしても、たばこのポイ捨ては、火災の原因になり、街の美観を損なうことになりますので、絶対にやめましょう。

出火原因「電化製品」

昨年、令和3年に発生した火災35,222件のうち、出火原因が「電化製品」となったものが1,816件(5.2%)ありました。

1つのテーブルタップやコンセントで使用できる電気量は決められています。
電気機器の電流値は「1500ワットまで」などと、裏面等に記載されていますので、ご家庭で使用している電気機器の電流値は「容量を超えない」ようにし、タコ足配線になっていないかチェックしましょう。

また、芯線(コードなどの中心部にある銅線)が切れると、出火の原因になります。
「コードをいためない」ようにしましょう。コンセントまわりは定期的に掃除をして、コンセントを抜く時は、コードを直接引っ張るのではなく、プラグの本体部分を持つようにしましょう。

また、コードの上に物を置かないこと、コードを束ねたり、ねじれたまま置いておくのも避けてください。放熱がうまくいかず、コードに熱を持ち、出火の原因になります。

他にも、風が強い日には焚火をしないこと、コンロで火を使用している際にはその場から離れないこと、コンロ周りやストーブ周りなどに燃えやすいものを置かないことなどが、火災を防ぐためのポイントとなります。
ご家庭で見直して、できていない部分があったら、自分のため、家族のために、できる限り早めに対策を行って下さい。

出典 東京消防庁ホームページ