忙しかったり、天候が悪かったりして、紅葉シーズンを逃してしまったという人もいるかもしれませんが、場所を選べば11月以降でも紅葉狩りを楽しめる山がいくつかあります。むしろ、このタイミングだからこそ見られる風景もあるので、まだ諦める必要はありません。

とはいえ、これから紅葉を求めて登山をするとなると、きちんと下調べをして計画を立てておく必要があります。そこで今回は、山選びで迷わないように、これから紅葉が見頃を迎える山をご紹介していきます。

11月に紅葉が見頃を迎える山を紹介します。
11月に紅葉が見頃を迎える山を紹介します。

東京の最高峰の百名山「雲取山」

雲取山は日本百名山のひとつで、標高が2,000mを超える東京都の最高峰でもあります。標高は高いものの紅葉のシーズンは遅く、10月下旬から11月中旬までが見頃なのでまだ間に合います。ただし、定番の雲取山-鴨沢往復コースは約19.7kmもあるので、やや難易度が高い山です。

できれば1泊2日のスケジュールで、ゆっくりと歩くのがおすすめです。体力に自信があるなら日帰りでもOKですが、秋は日が短いので、登山計画をきちんと立てて、予定よりも進みが遅いときは途中で引き返すなど安全を優先して登りましょう。

都道府県:埼玉県・東京都・山梨県
標高:2,017m
ルート長(往復):約19.7km(雲取山-鴨沢 往復コース)
紅葉の見頃:10月下旬~11月中旬
アクセス:JR青梅線奥多摩駅からバスで約34分「鴨沢」下車

1泊2日でゆっくりと紅葉を楽しもう
1泊2日でゆっくりと紅葉を楽しもう

世界遺産に認定されている山岳信仰の山「吉野山」

桜の名所として知られている吉野山ですが、紅葉も美しく、秋には多くの観光客で賑わいます。中千本までは混雑しますが、そこから先は比較的歩きやすいので、ゆっくりと紅葉狩りを楽しめます。おすすめは金峯神社までの往復コースですが、観光もしたいなら途中で折り返しもOK。

ただし吉野山を見渡せる花矢倉展望台からの景色は必見ですので、そこまではがんばって登りましょう。ちなみに奥千本までは路線バスもありますので、ロープウェイの吉野山駅から奥千本までバスに乗って、そこから紅葉の色の変化を楽しみながら歩いて降りてくることもできます。

都道府県:奈良県
標高:765m(金峯神社)
ルート長(往復):約12.6km(吉野駅-金峯神社 往復コース)
紅葉の見頃:10月下旬~11月中旬
アクセス:近鉄吉野駅

花矢倉展望台から見渡せる吉野山の紅葉がおすすめ
花矢倉展望台から見渡せる吉野山の紅葉がおすすめ

瀬戸内海に浮かぶ紅葉スポット「星ヶ城山(寒霞渓)」

星ヶ城山は小豆島にある標高816mの山で、秋になると全国から紅葉を求めて大勢の観光客が集まってきます。登山道が整備されており歩きやすいのと、いざというときにロープウェイを使ってエスケープできるので、登山初心者でも安心して登れます。

ロープウェイからの絶景も素晴らしいので、片道だけロープウェイを使うのもいいかもしれません。ただし、ミシュラン・グリーンガイド四国に紹介されたこともあり、ロープウェイはかなり混雑するので、ロープウェイを利用するなら平日がおすすめです。

都道府県:香川県
標高:816m
ルート長:約8.6km(三笠山-星ヶ城山 周回コース)
紅葉の見頃:11月上旬~11月下旬
アクセス:草壁港からバスで約15分「紅雲亭」下車

瀬戸内海と紅葉のコントラストが美しい
瀬戸内海と紅葉のコントラストが美しい

山伏が集った福岡の霊山「古処山」

古処山は福岡県朝倉市と嘉麻市の市境にまたがる標高859.5mの山で、山頂付近には特別天然記念物に指定されているツゲの原始林や美しい紅葉谷があります。また、かつては山伏が集った霊山であり、さらには秋月氏の古処山城があった山として知られています。

五合目登山口から山頂まで1.6kmしかありませんので、体力に余裕があるならその先の屏山まで登って折り返しましょう。距離は短いものの急勾配になっている場所もあり、登山道も迷いやすいので、複数人での登山がおすすめです。

都道府県:福岡県
標高:859.5m
ルート長(往復):約1.6km(五合目登山口-古処山 往復コース)
紅葉の見頃:11月中旬~11月下旬
アクセス:甘木鉄道甘木駅からバスで約20分「野鳥」下車、徒歩約17分で古処山登山口

紅葉谷やツゲの原始林は必見
紅葉谷やツゲの原始林は必見