スニーカーはデザインやカラーが豊富であること、履き心地が良いことなどから、季節を問わず活躍する便利なアイテムです。
ただ、スニーカーは意外と蒸れやすく、不快感やニオイに悩まされている方は少なくありません。

スニーカーの蒸れはさまざまなトラブルの原因にもなりますので、適切な対策を講じておくことをおすすめします。

今回は、スニーカーが蒸れる原因と、スニーカーの蒸れを放置するリスク、適切な対策法をご紹介します。

スニーカーが蒸れるのはなぜ?

スニーカーの内部が蒸れる原因は複数あります。
スニーカーの蒸れに悩んでいる方は、知らないうちに蒸れの原因を作っていないかどうか確認してみましょう。

■長時間履き続けている
スニーカーを長時間履き続けると、内部にこもった熱や湿気が放出されず、蒸れやすくなります。
外回り営業など、屋外にいる時間が長い人は要注意です。

■靴が自分の足のサイズに合っていない
自分の足のサイズに合わない靴を履いていると、歩き方が不自然になり、足に余計な力が入ってしまいます。
すると、普段よりも足裏に汗をかきやすくなり、蒸れの原因となることがあります。

■蒸れやすい素材の靴を履いている
スニーカーの素材は多岐にわたりますが、中には蒸れに弱い素材が使われているものもあります。
たとえば、きれいめコーデの定番であるレザースニーカーは、他の素材の靴よりも通気性が悪く、短時間でも足が蒸れてしまう可能性があります。

■足に負担がかかりやすい靴を履いている
クッション性の低い靴を履いていると、足の筋肉に余計な負担がかかり、汗をかきやすくなります。
スニーカーは一般的に他の靴よりも履き心地が良く、歩行中の負担がかかりにくい仕様になっていますが、インソールが薄いものや、ソールが硬い・重いスニーカーは足に負担がかかりやすいので注意が必要です。

スニーカーが蒸れるとどうなる?

スニーカーを蒸れた状態で放置すると、以下のようなリスクがあります。

■足が臭くなる
足の臭いの主な原因は、イソ吉草酸と呼ばれる天然の脂肪酸です。
足臭のほか、汗臭や加齢による口臭、チーズ臭など、不快感をともなう刺激臭の原因となる物質で、イソ吉草酸が増加するほど悪臭が強くなります。

イソ吉草酸は、細菌によって汗や皮脂、垢などが分解される際に発生するため、細菌や雑菌の多い環境下ほど悪臭が発生しやすくなります。
細菌や雑菌は高温多湿の環境を好む傾向にあるため、蒸れたスニーカーを履いていると足の臭いに悩まされやすくなります。

■雑菌が繁殖して不衛生になる
高温多湿の環境下で増殖するのはイソ吉草酸だけでなく、その他の雑菌も繁殖しやすくなります。
雑菌が増えると不衛生になり、足の皮膚に赤みやかゆみ、炎症などのトラブルが起こる原因となります。

特に気をつけたいのが、白癬菌と呼ばれるカビ菌によって生じる水虫です。
白癬菌も他の細菌や雑菌同様、高温多湿の環境を好む性質があり、角質をエサに増殖して水虫の症状を引き起こします。

水虫になると、皮がむけてじゅくじゅくしたり、強いかゆみを伴ったり、角質がひび割れたりと、さまざまな症状が現れます。
水虫は自然治癒させるのが難しい疾患なので、スニーカー内部は常に清潔に保ち、雑菌の繁殖を防ぐことが大切です。

■スニーカーが傷みやすくなる
湿気がこもった状態でスニーカーを放置すると、靴内部を中心にカビが生えてしまうことがあります。
白カビなら簡単なお手入れで落とせますが、黒カビは素材の奥底まで根を張るため、洗ってもシミが残ってしまうも。

特に白や淡い色のスニーカーは黒カビによるシミが目立ちやすいため、靴表面にカビが生えてしまった場合、廃棄せざるを得なくなる場合もあります。

スニーカーの蒸れを防ぐ3つの対策法!

スニーカーの蒸れを防ぐために、日頃から実践したい対策法を3つご紹介します。

■1. 汗対策を行う
足には多数の汗腺が存在するため、何も対策をしない状態だと大量の汗をかいてしまいます。
汗は勝手に出てくるものなのでコントロールするのは難しいですが、事前に足用のデオドラント剤を使用したり、吸湿速乾素材の靴下を履いたりすれば、汗の影響を最小限に抑えられます。

デオドラント剤を使うときは、足裏だけでなく、足の指の間まで念入りにケアするのがポイントです。
デオドラント剤にはいろいろなタイプがありますが、出先で足のケアを行うのは難しいので、持続性の高いロールオンタイプやクリームタイプを使用するのがおすすめです。

■2. 毎日同じスニーカーを履かない
一日履き続けたスニーカーは湿気をたっぷり吸っており、数時間放置しただけでは完全に乾きません。
湿気を含んだ状態のスニーカーを再び履くと、蒸れがひどくなって悪循環に陥りやすくなるので、最低でも1日、気温や湿度が高い日は2~3日は休ませたいところです。

お気に入りのスニーカーであっても連日履き続けるのは避け、複数の靴をローテーションさせるようにしましょう。

■3. 蒸れにくい素材やインソールを選ぶ
スニーカーの蒸れやすさは素材によって左右されるので、なるべく通気性の良い素材を選ぶのがポイントです。
たとえば、生地の表面にたくさんの孔が開いたメッシュ素材や、生地を編み上げるニット素材などは、通常の生地よりも通気性が高く、蒸れの予防に役立ちます。

あわせて、靴底に敷くインソールも通気性の良いものを選べば、スニーカー内部に湿気がこもりにくくなります。

スニーカーが蒸れてしまったときの対処法

スニーカーの蒸れを完全に防ぐのは難しいので、蒸れてしまった場合の対処法も覚えておくと便利です。
ここではスニーカーが蒸れてしまった時の対処法を3つご紹介します。

■1. 靴に新聞紙を敷き詰める
脱いだスニーカーに新聞紙を敷き詰めておくと、紙が靴の湿気を吸収してくれます。
何もせずに放置した場合よりも効率よく湿気を取り除けるので、特に気温や湿度の高い日は積極的に実践しましょう。

■2. 靴に乾燥剤を入れる
お菓子や乾物などに入っている乾燥剤を取っておき、脱いだ靴に入れておくと、スニーカー内部の除湿に役立ちます。
乾燥剤には複数の種類がありますが、スニーカー内部の除湿に適しているのはシリカゲルと呼ばれる乾燥剤です。

シリカゲルは基本的に無色透明の乾燥剤ですが、一部青い粒が入っています。
これがピンク色に変化すると吸湿効果が低下したサインですので、新しい吸湿剤に交換しましょう。

■3. シューズ乾燥機を使う
より効率的にスニーカーを乾燥させたい場合は、シューズ乾燥機を使うのがおすすめです。
スイッチを入れるだけで、ノズルから吹き出した温風がスニーカー内部を乾かしてくれるので、短時間で蒸れを解消できます。

スニーカーの蒸れは放置NG!予防と対策をしっかり行おう

足は汗腺が多く、体のパーツの中でも特に汗をかきやすい部位と言われています。
長時間スニーカーを履き続けたり、足に合わない靴を履いていたりすると、スニーカー内部が蒸れる原因となります。

蒸れたスニーカーを放置していると、足臭や皮膚疾患、カビの発生などさまざまなトラブルが発生しやすくなるので、スニーカーの素材や靴の履き方を見直すなどして、きちんと予防・対策を行いましょう。
特に気温・湿度の高い日はスニーカーの内部が蒸れやすいので、いつもより念入りなケアを心がけることが大切です。

天気予報専門メディア「tenki.jp」では、その日の予想気温などに合わせて、過ごしやすい服装を提案する「服装指数」を公開しています。
コーディネート例を参考に、スニーカーが蒸れそうだなと判断したら、通気性の良い靴を選んだり、デオドラント剤を使ったりして蒸れ対策を行いましょう。