7月12日(火)、埼玉県鳩山町で4時間に降った降水量が300ミリを超えるなど埼玉県を中心に記録的な大雨となり、浸水害や土砂災害が相次ぎました。猛烈な暑さの中、大雨に見舞われ避難が必要になる場合があります。親子で過ごす時間が増える夏休みのうちに一度ゆっくり「防災」について考えてみましょう。

夏休みに親子で防災!「ハザードマップ」を見てみよう

近年の災害を振り返ると、昨年は7月初めに静岡県熱海市で土石流が発生し、8月のお盆の頃には、西日本から東日本の広範囲が大雨に見舞われました。この時は、佐賀県、長崎県、福岡県、広島県を対象とした大雨特別警報が発表され、土砂災害や河川の増水などの被害が相次ぎました。
毎年のように発生している水害。この夏もどこでどんな気象災害が起こるか分かりません。
いざという時に慌てないために、日頃からしっかり備えをしておくことが必要です。

親子で一緒に過ごす時間が増える夏休みのうちに、「防災」について家族で実際に避難場所までのルートを歩いてみるのも良いでしょう。
大雨によって歩道が真っ黒の濁流であふれたら、側溝がどこにあるのかなど把握ができなくなります。また、夜の暗い時間帯の避難は大変危険です。安定した天気の明るい時間帯に、大雨の日を想定して散歩しながら危険がないか確認しておきましょう。これなら小さいお子さんと一緒でもできそうですし、防災について考えるきっかけになりそうですね。

「ハザードマップ」は、災害が発生した場合に、土砂災害や浸水害など影響が及ぶと想定された区域や避難に関する情報を地図にまとめたものです。日ごろから住民が防災意識を持ち、いざ災害が発生した時に、円滑な避難行動をとることで、被害の軽減を図ることが目的とされています。
自治体から配布されたものがない場合は、自治体のホームページからダウンロードすることができます。また、市役所や町役場をはじめ、図書館などにも置いている場合があります。
手元にあるとみんなで地図を見ながら確認がしやすいのでオススメです。

令和3年9月発行 世田谷区土砂災害ハザードマップより一部抜粋
令和3年9月発行 世田谷区土砂災害ハザードマップより一部抜粋

避難ルートを歩く 地名や地形から危険を知る

災害時の心得として大事なのは、「自分の身は自分で守る」ことです。
危険な場所を把握しておき、少しでも危険が迫るような場合には、近づかないことが大切です。

家族で実際に避難場所までのルートを歩いてみるのも良いでしょう。
大雨によって歩道が真っ黒の濁流であふれたら、側溝がどこにあるのかなど把握ができなくなります。安定した天気の日に、大雨の日を想定して散歩しながら危険がないか確認しておきましょう。これなら小さいお子さんと一緒でもできそうですし、防災について考えるきっかけになりそうですね。

また、古い地名や昔の地図から水害の危険性を読み取る手掛かりがつかめることもあります。
「沢」「深」「田」「灘」など水に関連した文字が地名に入っている場合、昔は川が流れていた場所や湿地であるなど、その土地が水害を経験している可能性があります。
「蛇」「竜」「龍」が使われている地名には、増水時の川の流れを蛇や竜に見立てて名付けられていることがあり、過去に大規模な土砂災害が発生しているケースがあるとも言われているようです。

家の近くは昔はどんな地名だったのか図書館や歴史博物館などで確認して、どんな災害があったのかまで調べてみると、水害対策には何が必要かを考えるきっかけになります。防災をテーマにした夏休みの自由研究にもなりそうですね。

参考資料:国土交通省 国土地理院 地名と水害

夏の防災グッズは何が必要?

夏に災害が起きて停電が発生したら、この猛暑の中で、エアコンなどの冷房器具なしで過ごさなければならない過酷な状況になってきます。

普段から避難用の防災グッズを揃えている方も、夏向けに見直しておく必要があるでしょう。
暑い中、汗もかきやすい季節と考えると、いつもの防災グッズに何が必要か加えるものを考えてセットしておくと良さそうです。

〇夏の避難グッズに追加しておきたいもの
・着替え(肌着やTシャツを多め)
・水分
・塩飴
・ウェットシート(汗を拭きとれるもの)
・タオルやハンカチ
・帽子
・扇子

着替えは肌着を中心に、汗を拭きとれるものや、飲み物など多めに揃えておきたいですね。
なるべくコンパクトにおさまる扇子などの暑さ対策グッズがあると便利です。塩分補給に塩飴などを入れておくと良いでしょう。

家庭によって、避難の際に必要なものは変わってきますので、ぜひ季節毎に見直しをしてみてください。
家族で防災意識を高め、いざという時に迅速に助け合い、命を守る行動をとれるように備えておきましょう。