梅雨時期は雨の影響で蒸し暑くなりやすいので、エアコンを活用しているご家庭も多いでしょう。ただ、エアコンを一日稼働していると電気代がかさみ、家計に負担をかけるおそれがあります。梅雨時期にエアコンを利用する際は、エアコンの機能を上手に活用し、光熱費の節約に努めましょう。
今回は、梅雨時期にエアコンの電気代を節約するコツや、冷房・除湿機能を効果的に使うポイント、エアコンと併用したいアイテムについて解説します。

梅雨時期にエアコンの電気代を節約するコツ

梅雨時期にエアコンを使う際、電気代をなるべく節約するためのコツを3つご紹介します。

■1. エアコンをつける前に換気する
エアコンの電気代は、設定温度・湿度と、実際の温度・湿度の差が大きいほどかさむ傾向にあります。まずは部屋の窓を開けて、室内にこもった熱や湿気をある程度逃してから、エアコンを稼働しましょう。

■2. 自動運転がおすすめ
エアコンには、自動で風量を調節してくれる「自動運転」のほか、任意で風量を調節できる「弱風モード」「微風モード」などがあります。
弱風・微風モードにすると節電になると思われがちですが、風量が少なすぎると、設定した温度・湿度に達するまでに時間がかかってしまい、かえって電気代がかさむ場合があります。運転効率をアップするのなら、最初は強風モードで一気に部屋の温度と湿度を下げ、その後に弱風または微風に切り替わる自動運転に設定するのがおすすめです。

■3. こまめにオンオフしない
エアコンの消費電力が最も高くなるのは、電源を入れて稼働させた時です。「ずっとエアコンをつけっぱなしにするともったいないから」といって、エアコンをこまめにオンオフしていると、かえって電気代がかさむ原因となります。長時間室内を離れる予定がないのなら、エアコンはそのまま稼働させておくのがおすすめです。

梅雨時期の「冷房」を効果的に使うポイント

梅雨時期にエアコンの「冷房」機能を効果的に使うコツを4つご紹介します。

■1. 風向きは上または水平に設定する
冷たい空気は部屋の下に向かう性質があるため、エアコンの風向きを「下」に設定していると、天井近くに熱が滞りやすくなります。エアコンの冷房機能を使うときは、上または水平に設定すると、部屋全体を効率よく冷やすことができます。

■2. 設定温度は28℃がおすすめ
室内環境を快適に保つためには、室温を25~28℃に設定するのが理想とされています。[注1]
実際の室温と設定温度の乖離が大きいほど、消費電力もかさみますので、エアコンの設定温度は28℃にしておくのがおすすめです。

[注1]東京都福祉保健局:健康・快適居住環境の指針― 健康を支える快適な住まいを目指して―[pdf]

■3. 吹き出し口の下に物を置かない
エアコンの吹き出し口の下に家具などを置くと、風が遮断されて冷房効率が悪くなります。エアコンの吹き出し口付近にはなるべく物を置かず、風の通り道を確保しておきましょう。

■4. 室外機は日陰に置く
エアコンの冷房機能は、室内の暖かい空気を取り込み、室外機の中で冷やしてから、冷えた空気を室内に戻す仕組みになっています。そのため、室外機を直射日光の当たる場所に設置していると、冷房効率が下がる原因となります。
室外機を設置するときは、なるべく直射日光の当たらない日陰を選ぶようにしましょう。すでに室外機を設置していて、動かすのは難しいという場合は、すだれや日よけを使って日光を遮断するのもひとつの方法です。

梅雨時期の「除湿」を効果的に使うポイント

気温がそれほど高くないときは、冷房機能ではなく、除湿機能を活用するのが基本です。エアコンの機種によっては、除湿モードが「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2つに分かれているものもあります。
弱冷房除湿は湿度を設定値まで下げることを目的としたモードで、微弱な冷房運転によって除湿を行います。
一方、再熱除湿は室外機の中で除湿した空気を再び暖め、室内に戻すモードです。再熱除湿の場合、室内の空気を冷やさずに除湿できるため、肌寒い日は再熱除湿が適しています。
ただ、空気を再び暖める分、弱冷房除湿よりも電気代がかさむ傾向にあるので、その日の気温に合わせて弱冷房除湿と再熱除湿を使い分けるのがポイントです。

梅雨時期にエアコンと併用したいアイテム

梅雨時期にエアコンと一緒に活用したいアイテムを3つご紹介します。

■1. 除湿機
エアコンの除湿機能とは別に、単体の除湿機を併用すると、除湿効率がよりアップします。
なお、除湿機には冷房機能がないので、単体で使用すると室内の温度が上がりやすくなります。そのため、除湿機とエアコンを併用する際は、エアコンは弱冷房機能で稼働させるのがポイントです。

■2. 速乾ハンガー
速乾ハンガーとは、エアコンに引っかけて使うことで、エアコンからの風を衣類に通しやすくするアイテムのことです。部屋干しすると、濡れた洗濯物の影響で室内の湿度が上がりやすくなりますが、速乾ハンガーを使えば短時間で効率よく乾かせるため、湿度の上昇を防ぐことができます。

■3. 除湿剤、新聞紙、炭など
湿気が特に多い日は、エアコンだけでなく、大気中の水分を吸い取るアイテムを併用すると、除湿効率がアップします。具体的には、空気がこもりやすい場所に除湿剤を置くなどです。除湿剤の代わりに、丸めた新聞紙や、多孔質で吸湿性の高い炭などを使用するのも効果的です。

梅雨時期は冷房と除湿を上手に使い分けるのがポイント

高温多湿になりやすい梅雨時期は、状況に応じてエアコンの冷房機能と除湿機能をうまく使い分けるのがポイントです。
冷房を使うときは、事前に換気をする、設定温度を28℃にするなどの工夫を採り入れれば、冷房効率や省エネ性をアップできます。一方、除湿機能を使うときは、その時の気温や湿度に合わせて、弱冷房除湿と再熱除湿を使い分けると、室内の快適性を保つことができます。
あわせて、除湿機や除湿剤、速乾ハンガーなどの便利アイテムを使用すれば、よりエアコンを効率的に使うことが可能です。

梅雨の情報を知りたいときは、天気予報専門メディア「tenki.jp」の「梅雨入り梅雨明け予想・状況 2022」をチェックしてみましょう。