長雨のシーズンに入りました。近年の大きな災害を調べると、その多くが6月下旬から7月にかけて発生しています。すぐ避難が必要な場合は何が必要?家でライフラインが止まってしまったら?防災用品を確認して、大雨の備えを見直しておきましょう。

7月に多い大規模災害

いよいよ長雨のシーズンの到来です。
これから7月にかけて長く停滞する梅雨前線の影響で、過去に例がないような大雨が降ったケースがいくつかあります。

2年前の2020年7月には、「令和2年7月豪雨」が発生しました。
梅雨前線が長く本州付近に停滞し、長野県や高知県で総雨量が2000ミリを超える所が出るなど、西日本から東日本の広い範囲で過去に例がない記録的豪雨となりました。
中でも九州では、7月4日から8日にかけて多数の線状降水帯が発生し、本県を流れる球磨川水系の13か所で決壊・氾濫するなど大規模な災害が発生しました。
大雨特別警報が7県に発表される事態となりました。(熊本県、鹿児島県、福岡県、佐賀県、長崎県、岐阜県、長野県)

4年前には「西日本豪雨」が発生しました。
2018年6月28日から7月4日にかけて北海道付近に停滞していた梅雨前線が、高気圧の後退とともに7月5日には西日本に南下して停滞し、そこに台風が北上したため、広範囲で連日大雨が続きました。
気象庁はこの災害を「平成30年7月豪雨」と命名しています。
この時は、大雨特別警報が1府10県に発表されました。(岐阜県、京都府、兵庫県、岡山県、鳥取県、広島県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県)
総降水量は四国で1800ミリ、東海で1200ミリを超える所があるなど、7月の月降水量平年値の2倍から4倍となる大雨となり、岡山県倉敷市真備町だけで51名も死者が出るなど甚大な災害となりました。

昨年2021年は東海や関東南部を中心に大雨が降り、静岡県熱海市で土石流が発生したのは記憶に新しいかもしれませんが、これは7月頭に発生しています。

梅雨入り後の早い段階から、いつ大雨がきてもおかしくありません。
災害が迫ってきた際には、行動が取りにくくなります。いざという時のために、日頃からの備えが必要です。

参考資料:災害をもたらした気象事例

災害時の備え ①家庭の備蓄品

災害時の備えとして、まずはハザードマップで自分の住む地域はどんな災害リスクがあるのか調べておくことが重要です。
土砂災害や浸水害のリスクの高い場所にお住まいの方は、避難場所や避難経路を確認しておきましょう。
災害のリスクが低い所に住んでいる方は、自宅にとどまることも避難方法の1つになります。大災害発生時は、電気やガス、水道などのライフラインは停止してしまいますので、どんな場合も防災用品は揃えておくことが必要です。

非常備蓄品は準備しておきましょう。
災害時、最低限「3日間」の備蓄をする必要があります。南海トラフ巨大地震及び首都直下地震では、さらに復旧までに時間がかかるとされていて少なくとも「1週間分」の準備が望ましいとされています。

非常食品としては、飲料水は(1人1日3リットル)、缶詰やレトルトのご飯、インスタント食品、梅干し、調味料、菓子類などがあると良さそうです。

燃料として、卓上コンロやガスボンベを備蓄しておきましょう。
水道が復旧しない期間、生活用水を確保するためには給水タンクが必要になります。

その他、毛布や寝袋、ドライシャンプー、ローソクなどの生活用品などがたくさんあると役立ちます。季節によっても変わりますので、季節が変わるごとに、見直しておくと良いでしょう。

災害時の備え ②非常持ち出し袋の確認

避難所へ向かう際に持っていく非常持ち出し袋を準備して、中身が十分であるか確認しましょう。

貴重品はもちろん、非常食品、医薬品、生活用品、感染症対策グッズ、充電器やラジオ、懐中電灯などが必要になります。

何を入れておくべきか、家族構成や地域特性などによって、必要なものが変わってきます。
非常持ち出し袋が1つのリュックにコンパクトにおさまったものも販売されています。

私の場合は、その中身を見直して、必要な眼鏡やコンタクトレンズ、感染症対策グッズなどを加えて備えています。自分には何が必要であるのかを考えて、備えておくと、いざという時に役立つ非常持ち出し袋がまとめられるはずです。

「災害時の時だけ使うもの」と限定せずに「普段から使い慣れておく」ようにしましょう。
非常用の食料品も、賞味期限が切れないように、時々普段の食事に取り入れ、食べたら買い足すという行為を繰り返して、常に新しい食品を準備しておくと常備できているかをその都度確認できます。
この非常食は結構美味しいんだ!こんなグッズ初めて使ったけどなかなか便利だな!などと発見があったり、意外と楽しむこともできます。
防災用品をしっかり整えて、準備万端で大雨の季節を迎えましょう。