今年は5月の早い段階から雨が降りやすく、日本気象協会の「梅雨入り予想」では平年より早い梅雨入りが予想されています。大雨の備えとして、気象情報はこまめにご確認ください。どの段階で避難が必要か、防災情報の見方についてまとめました。

日本気象協会「梅雨入り予想」九州~東北の梅雨入り 平年より早まる

今年は5月の早い段階から前線が本州付近を通過しやすく、雨が降りやすくなっています。

日本気象協会は「2022年 梅雨入り予想」を発表しました。これによると、九州から東北にかけて、梅雨入りは平年よりも早い予想です。

九州南部は5月27日頃に予想され、6月が始まると、続々と梅雨入りの発表がありそうです。
九州北部は6月1日頃、四国は2日頃、中国地方や近畿、東海は3日頃、
関東甲信も4日頃には梅雨入りする予想です。

その後、北陸は6月8日頃、東北南部は9日頃、東北北部は9日頃に梅雨入りが予想されています。
各地でいつもの年よりも早く雨のシーズンを迎えるでしょう。

また、6月の降水量は、西日本を中心に平年並みか多い予想が出ていて、梅雨入り後は大雨になりやすく一層の注意が必要です。

危険度を色別に表示 防災情報の見方

梅雨前線が停滞しやすくなるこれからの時期は、大雨に注意が必要です。
災害から身を守るためには、自ら気象情報を収集することが大切です。

防災気象情報には色々な種類があります。
「氾濫警戒情報」「土砂災害警戒情報」‥‥聞きなれない情報が出ると、どう行動するべきか戸惑う方もいらっしゃると思います。大雨シーズンを前に、悪天時に限らず、日頃から気象情報に見慣れておくと良いでしょう。

気象情報が発表された際に、今どれぐらい危険なレベルにあたるのかを知っておくと、避難が必要かどうかを考えやすくなります。
視覚的に分かりやすいように、気象情報の表示は、警戒度によって色分けされています。
情報内容を色別に表示することで、ひと目見て、注意や警戒レベルを直感的に判別できるようにするためです。

◆警戒レベル2「黄」 避難方法を確認するべきレベル
災害が発生する恐れがある時に発表される「注意報」がこれにあたります。今後の雨の降り方などを注視する必要があります。

◆警戒レベル3「赤」 避難に時間がかかる方はこの段階で早めの避難をするべきレベル
重大な災害が発生する恐れがある時に発表される「警報」がこれにあたります。
また、自治体から「高齢者等避難」が発表されるレベルにあたり、ご家族に、高齢者や小さいお子さん、体が不自由な方やペットがいらっしゃる場合は、避難に時間を要するため、赤色の情報が出た際には、避難をする目安になります。我が家も小さい子供がいますが、小雨の日に移動するだけでも、いつも以上に時間がかかり、とても労力が要るのを実感しています。早い段階で安全な場所に身を確保することがとても大切です。

◆警戒レベル4「紫」 すべての人が避難完了するべきレベル
大雨が降り続くと、「土砂災害警戒情報」や「川の氾濫危険情報」などが発表されますが、このような状態の時は危険です。
避難指示が出ていないから大丈夫。とは考えずに、すべての人が安全な場所に避難をしておく必要があります。
川の近くや山の斜面など危険な場所には絶対に近づかないでください。避難場所までの移動が困難な場合は、近くの安全な場所や自宅の中で安全なところに避難するという方法がありますので、落ち着いて行動してください。

◆警戒レベル5「黒」 すでに災害が発生し、命に危険が迫るレベル
全ての気象情報の中で、これ以上にない危険な状態となります。
「特別警報」や「川の氾濫発生情報」が発令されたら、すぐ身近に危険が迫っています。ただちに、身を守る行動が必要です。大雨特別警報が発令されるのを待ってから避難するのは大変危険な行動です。その間に災害に巻き込まれる恐れがあります。自分でどう行動するべきか、避難場所や安全な避難ルートなどを安全なうちに確認しておきましょう。

ただ、この色分けによる危険度もあくまでも目安となります。今回はいつもと違うぞと察知したら、自分の判断で早めに避難しましょう。

ハザードマップで危険な場所を確認 ただしこれに頼らない行動を

これまで災害が発生したことはないから、うちは大丈夫。という概念を決して持たないでください。災害はいつどこで発生してもおかしくありません。自分が住んでいる市町村のハザードマップを確認しておきましょう。

自分の住む場所に、過去にどんな災害があり、どれぐらいの大雨が降ると危険なのか、把握しておくことが重要です。

ハザードマップはお住まいの市区町村で配布している他、インターネットやスマートフォンからでも確認することができます。避難場所や、土砂災害や浸水害などの水害が起こりやすい危険な箇所がまとめられていて、家からどの方角が危険か、どう逃げたら良いかなどを考え、知ることができます。国土交通省 ハザードマップポータルサイトはこちら

ただし、注意したいのがハザードマップの情報に頼りきらないことです。
各地域で作成しているハザードマップが、例えば自宅が浸水想定区域から外れていても、決して油断しないでください。時には想像以上の猛威を振るう自然が相手です。ハザードマップに示される通りの災害ばかりではないからです。自分の居る場所がハザードマップでは安全と判断される場所であっても油断しないでください。状況を把握し、危険を感じたら早めに行動することが大事です。

パソコンやインターネットで雨の情報が得られやすい環境を整えておくことは、防災に繋がります。tenki.jpからもぜひご確認ください。これから大雨シーズンに入りますが、大きな災害が出ないことを願って、事前にしっかりと対策を行いましょう。