花粉が目に入ると、かゆみやゴロゴロ感といった目の不調を感じやすくなります。

特にコンタクトユーザーはストレスを感じやすい時期ですので、花粉シーズンに入ったら、適切な対策を行う必要があります。

今回は花粉症がコンタクトにもたらす影響や、コンタクトを使っている人の花粉症対策、花粉対策できるコンタクトの特徴について解説します。

花粉症がコンタクトにもたらす影響

コンタクトユーザーが花粉症になった場合に起こりうる主な影響を3つご紹介します。

■1.アレルギー性結膜炎の悪化

花粉などの異物が目や鼻から侵入すると、アレルギー性結膜炎を発症します。

目のかゆみや充血といった諸症状が発生しますが、そのまま普段通りにコンタクトを装着し続けると、無意識に目をこすってしまい、レンズとの摩擦によって角膜が傷つき、さらに症状が悪化する可能性があります。

ハードコンタクトの場合、痛みを感じるのでコンタクトを外さざるを得ませんが、ソフトコンタクトの場合痛みや違和感を感じにくいため、症状の悪化を見逃してしまう恐れがあります。

傷ついた角膜を放置すると、さらに重症化してしまう可能性があるため、

コンタクトを外した状態で痛みや違和感がある場合は、コンタクトの使用を中止し、眼科を受診した方がよいでしょう。

■2.コンタクトレンズがくもる・かすむ

花粉症を発症すると、目やにや涙が出やすくなり、レンズが汚れることがあります。

コンタクトレンズの汚れは専用の洗浄液を使えば落とすことが可能ですが、正しい方法でケアしないと汚れが残ってしまい、視界が悪くなる原因となります。

また、出先ではコンタクトレンズがくもったり、かすんだりしてもすぐにケアできないため、視界が悪い状態で過ごさなければならないこともあります。

■3.コンタクトレンズがずれやすくなる

花粉症によるアレルギー性結膜炎が起こっている状態で、長時間コンタクトを使用すると、レンズに付着した汚れなどが原因でまぶたの裏に炎症が起こることがあります。

炎症によってまぶたの裏側に小さなプツプツができると、まばたきするたびにレンズが引っ掛かり、コンタクトがずれやすくなります。

こうした症状を「巨大乳頭性結膜炎」といい、眼科での治療が必要となります。

コンタクト使用者の花粉症対策

コンタクトを使っている人が花粉シーズンに実践したい対策を3つご紹介します。

■1.メガネを併用する

花粉症によるアレルギー性結膜炎が起こっている間は、なるべく目に負担をかけないよう、メガネを併用するのがおすすめです。

メガネを装着すると、花粉の付着率がおよそ40%減少するという研究結果も報告されていますので、花粉の影響を軽減したいのならメガネを上手に活用してみましょう。[注1]

■2.ワンデータイプのコンタクトを使う

レンズに付着した花粉は、丁寧にケアすれば落とすことが可能ですが、微少な花粉をすべて取り除くのは困難です。

花粉が付着したままのコンタクトレンズを再度装着すると、アレルギー性結膜炎が悪化するおそれがあります。

普段は2ウィークタイプのレンズを使っているという方も、花粉シーズン中は毎日新しいレンズに取り換えるワンデータイプの使用を検討してみることをおすすめします。

■3.顔まわりに花粉を付着させない工夫を取り入れる

花粉は目の中に直接飛び込んでくるパターン以外にも、顔や髪、手などについた花粉が目に入り込むこともあります。

目への花粉付着率を低下させるためには、つばの広い帽子をかぶる、マスクをつける、素手で目や顔を触らないなど、日常生活で顔まわりに花粉を付着させない工夫を取り入れることが大切です。

また、室内では帽子やマスクを外して生活するので、屋内に花粉を持ち込まないよう、外出から帰ったら玄関前で服についた花粉を払うことを心がけましょう。

[注1]環境省:花粉症環境保健マニュアル2019 p24[pdf]

花粉シーズンはコンタクトの選び方や使い方を工夫しよう

花粉症の症状が出た状態でコンタクトを装着し続けると、目に負担がかかり、かゆみや充血が悪化してしまう可能性があります。

同時に、くもりやかすみ、コンタクトのずれといったトラブルも発生しやすくなりますので、メガネの併用やワンデータイプのコンタクトに交換するなどで、花粉対策を心がけることが大切です。

天気予報専門メディア「tenki.jp」では、エリアごとに花粉飛散量を表示する「花粉飛散情報」をWEB上で公開しています。

花粉飛散量が「やや多い」以上になると花粉症の症状が発生しやすくなりますので、コンタクトユーザーの方は本格的な花粉対策を始めることをおすすめします。

花粉飛散情報はシーズン中、毎日更新されますので、お出かけ前にはぜひチェックしてください。