マンションで洗濯物を干す場合、戸建てに比べていくつか注意しなければならないポイントがあります。正しい干し方を知らずにいると、オーナーや管理組合から注意を受けたり、近隣住民に迷惑をかけたりする原因になりますので気をつけましょう。

今回は、マンションで洗濯物を干す際の注意点や、効率的に洗濯物を乾かす干し方、長い丈の洗濯物を乾かすときのポイントを解説します。

マンションで洗濯物を干す際の注意点

マンションで洗濯物を干す際、注意したいポイントを3つご紹介します。

■1.物件によってはベランダで洗濯物を干せない場合もある

観光地にある物件や、デザイナーズマンションのように見た目を重視する物件では、景観を損ねるという理由により、マンション規約でベランダへの洗濯物干しを禁止しているところがあります。規約を知らずにベランダに洗濯物を干すと、オーナーや管理組合から注意を受ける可能性があります。あらかじめマンション管理規約の内容をチェックし、洗濯物干しが禁じられていないかどうか確認しておきましょう。

■2.洗濯物が飛ばされる可能性がある

高層階のマンションは周囲に風を遮るものが少ないため、ちょっと風が吹いただけでも洗濯物があおられ、外に飛んでいく可能性があります。隣家や階下のベランダなどに飛び込んでしまうと、他の住民の方に迷惑をかけてしまいますので、洗濯物はしっかり固定して干す必要があります。

■3.避難経路をふさぐのはNG

マンションのベランダは各戸についているので、居住者の専有部分と思われがちですが、実は災害があった場合などの緊急時避難経路になる場所ですので、マンションの共用部分とみなされます。そのため、居住者が勝手にベランダに手を加えることは許可されておらず、物件によってはベランダに物を置くことを禁じているところもあります。物干し場が足りないからといって、ベランダに新たな物干し竿を設置すると、管理組合から注意を受ける原因になるほか、いざという時にスムーズに避難できなくなるおそれもありますので注意が必要です。

マンションで洗濯物を効率的に乾かす干し方

マンションで洗濯物を効率的に乾かすための干し方のコツを4つご紹介します。

■1.洗濯物同士の空間を十分にあける

マンションのベランダはスペースが限られているので、つい洗濯物を密集させてしまいがちです。しかし、洗濯物の間隔が狭いと風が通りにくくなり、生乾きの原因になることもあります。マンションのベランダに洗濯物を干す際は、少しでも風が通りやすくなるよう、洗濯物と洗濯物の間隔をこぶし一つ分くらいはあけるようにしましょう。

■2.生地をなるべく重ねない

生地が重なっている部分は風が通りにくく、乾くまでに時間がかかってしまいますので、生地をなるべく重ねないように干す工夫を採り入れましょう。たとえば、ワイシャツやポロシャツの襟は立て、前ボタンはなるべく開けておく、パンツやスカートなどのボトムスは洗濯ピンチを使って筒干しにする、フード付きパーカーや厚手のスウェットなどは逆さに吊してバンザイ干しにするなどです。なお、前身ごろにボタンやジッパーがある服は、すべて開くと風で飛んでしまう可能性があるので、ボタンなら1つか2つ、ジッパーなら途中あたりまで閉じて飛散対策をしておきましょう。

■3.タオル類は干す前に数回振る

タオルを干すときは、あらかじめ上下に数回大きく振り、倒れている繊維を立ち上がらせると乾きが早くなります。繊維が立ち上がるとふんわりとした肌触りも復活するので一石二鳥です。

■4.部屋干しと併用する

マンションのベランダにたくさんの洗濯物を密集させると乾燥効率が低下してしまいますので、洗濯物同士の間隔を十分にあけられない場合は、部屋干しと併用するのがおすすめです。天気がいい日や気温が高い日は、厚手のものを外干しし、薄手のものは部屋干しすると、乾燥効率がアップします。ただ、天気があまり良くない日や、気温が低い日は、はじめからすべての洗濯物を部屋干しした方が効率的です。その場合は、エアコンや扇風機、サーキュレーターなどを上手に活用し、風通りをよくしましょう。

マンションで長い丈の洗濯物を乾かすときの干し方

マンションのベランダに備え付けられている物干し竿の多くは、安全面やプライバシー、景観などの観点から、手すりと同じくらいの高さに設置されています。そのため、長い丈の洗濯物をそのまま干すと、地面についてまた汚れてしまうことがあります。そんなときは、以下の干し方を実践してみましょう。

■1.複数のハンガーを使って干す

物干し竿に複数本のハンガーを等間隔に掛け、その間を通すように洗濯物を干すと、洗濯物を地面につけずに済みます。風であおられてハンガーの位置がずれると、洗濯物が落ちてしまう可能性がありますので、ハンガーストッパーなどを使ってしっかり固定しておきましょう。

■2.角ハンガーを使って干す

長方形の天板に複数の洗濯ピンチがついた角ハンガーを使用し、洗濯物をジグザグの蛇腹干しにすると、大判のバスタオルやシーツもベランダに干すことができます。アーム部分がくるくると渦巻き状になったハンガーを使用すると、二つ折りにしたタオルやシーツを円形に干せるので、スペースの節約になります。

マンションで洗濯物を干すときは、ルールや干し方に注意しよう

マンションは、物件によって洗濯物を干すときやベランダの使い方にルールが設けられていますので、あらかじめマンション規約をよく確認しておくことが大切です。また、マンションの物干しは低い位置に設置されていることも多いので、丈の長いものを干すときは、ハンガーをうまく活用して効率よく乾かす工夫を取り入れましょう。

ベランダでの洗濯物干しを禁じられている場合や、天気があまり良くない日は、エアコンやサーキュレーターを使用しながら洗濯物を部屋干しするのがおすすめです。

天気予報専門メディア「tenki.jp」では、その日の洗濯物の乾きやすさをわかりやすく表示した「洗濯指数」を毎日公開しています。洗濯物をベランダに干すか、部屋干しするかで悩んだら、tenki.jpの洗濯指数をぜひ参考にしてください。