冬は暑さによる熱中症のリスクが少ないため、マラソンに適している季節といわれています。ただ、服装の選び方を誤ると、体が冷えたり、走りのパフォーマンスが低下したりする原因になります。体の冷えがケガを招くこともありますので、冬にマラソンをするときは服装選びのポイントをしっかりチェックしておきましょう。

今回は冬のマラソンに適した服装の選び方や、マラソンにおすすめの時間帯、走るときの注意点について解説します。

冬のマラソンでの服装選びのポイント

冬にマラソンを行う際に押さえておきたい服装選びのポイントを4つご紹介します。

■1. インナーは吸湿速乾タイプを選ぶ

冬の屋外は気温が低くなりやすいですが、しばらく走っていると体が温まり、大量の汗が出てきます。汗をそのまま放っておくと、蒸発するときに体温が奪われて体が冷えてしまいますので、肌の上に直接着用するインナーは吸湿速乾タイプを選びましょう。

■2. アウターは耐風性の高いものを選ぶ

マラソン中は風を切って走りますので、立っているときや歩いているときよりも風を冷たく感じやすい傾向にあります。風が強い日はもちろん、そうでない日も、マラソンのときは風を通しにくいアウターを羽織るのがポイントです。ウインドブレーカーやマウンテンパーカーなら耐風性が高く、かつ軽量で動きやすいので、冬のマラソンにぴったりです。

■3. パンツやタイツはロング丈を選ぶ

マラソン中のボトムスは、ロング丈のランニングパンツか、あるいはショートパンツ+ロングタイツがおすすめの組み合わせです。マラソン用のタイツなら、足にぴったりフィットする上に伸縮性にも優れているので、寒さや動きにくさに悩まされずに済みます。ロングパンツを選ぶときは、なるべくスリムなシルエットで、足さばきの邪魔にならないものをチョイスしましょう。

■4. 帽子・ネックウォーマー・手袋で防寒する

走っている最中は肌が露出している部分ほど冷えるので、帽子やネックウォーマー、手袋でしっかり防寒することが大切です。冬の帽子といえばニット帽が定番ですが、マラソン中に汗をかくと蒸れたり、ちくちくしたりしやすいので、通気性の良いキャップの方がおすすめです。ネックウォーマーも汗冷えしないよう、吸湿速乾性の高い素材のものを選ぶとよいでしょう。

冬のマラソンのおすすめの時間帯

マラソンは時間帯を問わず、思い立ったときにいつでも行えるのが特徴です。ただ、冬の朝晩は特に気温が低下しやすく、その日の天気や路面の状況によっては、道路が凍結してしまう可能性があります。ツルツルと滑りやすい路面の上を走って通り抜けるのはとても危険ですので、朝晩よりは気温が上がりやすく、かつ視界も明るい昼間に走った方が安全でしょう。仕事などの都合でどうしても昼間に走れないという方は、なるべく走り慣れた場所や、路面が凍結しにくい場所を選ぶのがおすすめです。

また、冬は夏に比べて日が短いので、夕方に走り始めると、戻ってきたときには真っ暗だった…ということもあり得ます。特に道路沿いを走る方は、必要に応じてライトや反射テープなどを活用し、自転車や車に自分の居場所を報せる工夫を採り入れた方がよいでしょう。

冬のマラソンの注意点

冬にマラソンを行う際、特に注意したいポイントを3つご紹介します。

■1. 事前のウォーミングアップをしっかり行う

体が冷え切った状態で走ると、筋肉や関節に余計な負担がかかり、ケガや故障の原因となりかねません。特に冬場は冷えによって体がこわばりやすい時期ですので、走る前にはしっかりウォーミングアップを行い、体をある程度温めてから走り始めるようにしましょう。

■2. 汗をかいたらすぐに着替える

最初のうちは体が冷え切っていても、マラソンを終える頃には体が温まり、全身に汗をかきます。そのまま汗を放置していると、体温が奪われて風邪を引く原因になりますので、走り終えて帰宅したら、すぐに服を着替えましょう。その際、タオルなどで汗をきちんと拭いておくと、汗冷えの対策になります。

■3. 長時間走るときは水分補給を忘れずに

冬は夏場ほど汗をかかないというイメージがありますが、ランニングをしていると全身から汗が噴き出てくるため、長時間走り続けていると冬でも脱水症状に陥る危険性があります。もともと冬場は空気が乾燥しがちで、体の水分も減少しやすい季節ですので、走る前の水分補給はしっかり行いましょう。走る時間が長くなる場合は、ペットボトルを持ち歩き、途中でこまめに水分を摂ることが大切です。

冬マラソンを楽しむときは、服装選びを重視しよう

冬は熱中症のリスクこそ少ないものの、そのぶん外気温が低くなりやすいので、マラソンするときはしっかり防寒する必要があります。耐風性の高いアウターや、吸湿速乾タイプのインナー、保温性に優れたボトムスなどを取り入れ、体が冷えない工夫を採り入れましょう。当日の気温によっては、ネックウォーマーや手袋、帽子などの小物も身につけて、肌の露出をなるべく抑えることが大切です。

天気予報専門メディア「tenki.jp」では、その日の天気や予想気温に合わせて、朝・昼・夜の時間帯ごとに最適な服装を提案する「服装指数」を公開しています。冬のマラソンの服装選びに迷ったときは、ぜひチェックしてみてくだささい。