軽量なのに暖かいダウンジャケットは、寒い冬場に重宝する定番アイテムのひとつ。秋頃になると店頭にもさまざまなダウンジャケットが並ぶようになりますが、選択肢が多いぶん、どれを選んでいいか悩んでしまう方も多いようです。

そこで今回は、冬に大活躍するダウンジャケットの特徴や素材の種類、選び方のポイント、着こなしのコツなどをまとめました。

ダウンジャケットの特徴や素材の種類

ダウンジャケットの「ダウン」とは、アヒルやガチョウといった水鳥の羽と羽とのあいだに生える丸い綿毛のことです。ふんわりとしたボリュームがありますが、綿毛なのでとても軽く、長時間着用していても体に負担がかからないところが特徴です。また、綿毛は大量の空気をためこむ性質があり、ジャケットの内部で空気の層を作り出すことができるため、外部からの冷たい空気をシャットアウトしつつ、体温を外に逃さない仕組みになっています。さらに、綿毛は吸湿・放湿性に優れていることから、汗をかいてもベタつかず、さらっとした着心地をキープできるのも人気の秘密です。

■ダウン・フェザー・中綿の違いと特徴

ダウンジャケットの「ダウン」は前述のとおり水鳥の綿毛のことを指しますが、実はダウン以外の素材を使ったダウンジャケットも存在します。そのうちのひとつがフェザーを使ったダウンジャケットです。フェザーとは水鳥の体を覆う羽軸のついた羽根のことで、通気性に長けているほか、湾曲した羽軸のおかげで優れた耐久性を兼ね備えているという特徴があります。1羽の水鳥から5~10gほどか採取できない貴重なダウンに比べると、安価な値段で購入できるところも魅力ですが、羽軸があるぶん触感はやや硬く、かつダウンに比べるとやや保温性は低下します。

一方、水鳥の綿毛や羽毛を使わず、ポリエステルなどの化学繊維で作った中綿を使用したダウンジャケットもあります。天然素材であるダウンやフェザーに比べるとリーズナブルで、しかも耐水性に長けていることから、自宅で洗濯しやすいという利点があります。ただ、ダウンやフェザーに比べると保温性は低く、重量もかさむところが難点です。

ダウンジャケットの選び方3つのポイント

数あるダウンジャケットの中から、自分にぴったりの製品を選ぶために押さえておきたいポイントを3つご紹介します。

■1. 用途やシーンに合わせて選ぶ

ダウンジャケットは使用している素材によって保温性・軽量性・耐久性などに違いがあるため、用途やシーンに合わせて選ぶのがポイントです。たとえば、通勤や街歩きがメインで、日中は暖かい屋内で過ごすことが多いという方は、ダウン100%のジャケットを着用すると汗ばんでしまいますので、フェザーや中綿との混合ジャケットがオススメです。

一方、屋外で過ごす時間が多い方や、アウトドアが趣味という方は、ダウン含有量の高いジャケットを選んだ方が暖かく過ごすことができます。ただ、アウトドアレジャーは雨や雪の影響を受けやすいので、ダウン100%のものよりも、耐水性の高い中綿との混合ジャケットを選ぶとよいでしょう。

■2. 体にぴったり合ったサイズを選ぶ

ダウンジャケットは、綿毛や羽毛が体温によって温められた空気を大量に含むことで暖かさをキープする仕組みになっています。そのため、オーバーサイズのダウンジャケットを着ると、体とジャケットの間に余計なすき間が空いてしまい、暖かい空気が逃げダウンジャケットの効果を損ねてしまいます。ジャケットと肌の密着性を高めるためにも、ダウンジャケットを購入するときは体にぴったり合ったものを選びましょう。

■3. フィルパワーの高さをチェックする

フィルパワーとは、ジャケットの中に詰められている羽毛の堆積を表す言葉で、タグなどには「FP」と表記されています。FPの値が高いほど、ジャケットの内部を占める羽毛の堆積が大きく、より多くの暖かい空気を取り込むことができます。一般的には、FPが600以上あれば冬でも暖かく過ごせるといわれていますので、ダウンジャケットを選ぶときはFPの値も忘れずにチェックしておきましょう。

ダウンジャケットの着こなし方3つのコツ

ダウンジャケットは実用性・機能性重視と思われがちですが、コーディネート次第ではスタイリッシュな雰囲気を演出できます。ここでは、ダウンジャケットをお洒落に着こなすコツを3つご紹介します。

■1. 細身のボトムスと合わせる

ダウンジャケットはシルエットがふんわりしているので、ボリュームのあるボトムスを合わせると、着ぶくれ感が出てしまいます。ダウンジャケットを羽織るときは、スキニーパンツやタイトスカートなど、細身のボトムスと合わせてメリハリのあるコーディネートを目指しましょう。

■2. ライトカラーや差し色を入れる

ダウンジャケットはカラーバリエーションも豊富ですが、冬の間は毎日着ることも多いせいか、どんな色とも合わせやすいブラックやネイビーなどのベーシックカラーが人気です。ただ、すべてダークトーンで統一すると地味な印象になってしまいますので、暗めのダウンジャケットを選んだ場合は、インナーに白やベージュ、アイボリーなどのライトカラーを合わせるのがおすすめです。トップスやボトムスをモノトーンで統一するときは、帽子や靴などの小物に明るめの差し色を採り入れると、アクセントのきいたスタイリッシュな仕上がりになります。

■3. Vネックでスッキリした印象に

ボリュームのあるダウンジャケットを首元までしっかり着込んでいると、やや野暮ったい印象を与えてしまいがちです。そんなときは、Vネックのニットやカットソーを使って、あえてデコルテを見せるファッションを意識しましょう。肌を見せることでスッキリとした印象になり、ボリュームのあるダウンジャケットを着ていてもスマートな着こなしになります。

冬はダウンジャケットをおしゃれに着こなして暖かく過ごそう

暖かい空気をたっぷり含むことができるダウンジャケットは、軽量なのに保温性が高く、寒い冬場に大活躍するアイテムです。ダウンジャケットと一言にいっても、使用する素材によって機能や特徴に違いが出ますので、用途やシーンなどに合わせて自分にぴったりのジャケットを見つけましょう。

ダウンジャケットを着ていこうかどうか迷ったときは、天気予報専門メディア「tenki.jp」の服装指数を参考にするのがおすすめです。その日の予想気温に合わせて、ぜひ最適なコーディネートを選んでください。