日本では、早い地域では11月頃から平地に雪が降り始めるところが出てきます。雪が降り積もった道は滑りやすく、かつわだちなどで凹凸ができるため、いつもの靴で出歩くと転倒の危険性があります。冬の雪道でも安全に出勤やお出かけができるよう、雪の日でも歩きやすい靴を準備しておきましょう。

今回は、雪の日に備えておくべき靴の種類や選び方のポイントを解説します。

雪の日には長靴(スノーブーツ)がおすすめ

雪の日に履いていく靴で押さえておくべきポイントは2つあります。まず1つ目は、足元が滑りにくいことです。降り積もったばかりの新雪ならさほど滑らないのですが、多くの人に踏み固められると、だんだん表面がツルツルと滑りやすくなっていきます。雪かきしてある道でも、両側に寄せられた雪の塊からしみ出た雪解け水が歩行路に流れ出て凍るとアイスバーンになり、雪そのものよりも滑りやすくなるので、より注意が必要です。

単純につまずいた時は両足で踏ん張ることも可能ですが、道そのものが凍っていると踏み止まることができず、滑ったとたんに転倒してしまうおそれがありますので、滑り止めがついた靴を選ぶことが大切です。

2つ目は、雪道を歩いても濡れにくいことです。特に雪が降り積もったばかりの道を歩くときは、靴底だけといわず、靴の甲から側面まで雪が付着するので、水に弱い素材の靴を履いているとあっと言う間に靴の中がびしょびしょになってしまいます。さらに、雪が日中の日差しで溶けてシャーベット状になると、より足元が悪くなりますので、「雨の日じゃないから」と油断せずに、撥水・防水加工が施された靴を選びましょう。

以上2つの条件を満たす、雪の日にぴったりの靴といえば、やはり長靴(スノーブーツ)がおすすめです。足元が悪い場所で履くことを想定して作られているため、靴底には滑り止めの加工が施されているほか、撥水性・防水性にも長けています。

長靴というと、子どもが履いているレインブーツや、農作業で使うゴム靴などをイメージしがちですが、最近は出勤やお出かけに履いても違和感のないデザインの長靴が多数販売されていますので、雪の日に備えて購入を検討してみることをおすすめします。

雪の日に適した長靴(スノーブーツ)の種類

長靴(スノーブーツ)と一言にいっても、その種類は複数あり、好みや用途に合わせて選ぶことができます。

ここでは、雪の日に適した長靴の主な種類をまとめました。

■パンプスタイプ

その名の通り、見た目がパンプスのようなデザインをした長靴です。一見すると長靴に見えませんが、撥水・防水性はしっかり備わっていますし、靴底の溝も深くて滑りにくい仕様になっています。「雪道を安全に歩きたいけれど、ごつい長靴はちょっと…」という方は、パンプスタイプの長靴を選ぶとよいでしょう。ただ、パンプスタイプは他の種類に比べて筒丈(ヒールを除いた長さ)が短いので、雪がかなり積もっているときや、雪をはねたときは靴の中に雪が入り込みやすいので注意が必要です。

■ショートタイプ

筒丈が足首よりやや上にくるタイプの長靴です。見た目はショートブーツに似ているため、パンプスタイプ同様、ファッションに採り入れても違和感のないデザインをしているところが特徴です。筒丈はパンプスタイプよりやや長いものの、やはり雪が入り込みやすいので、雪がかなり積もったときには不向きです。

■ミドルタイプ

筒丈がふくらはぎの中間あたりまで来るタイプの長靴です。積雪の深さが足首あたりまでなら、雪をはねたときでも靴の中に入りにくいので、雪の少ない地域ならミドルタイプで十分でしょう。ただ、デザインによっては長靴っぽさが出てしまうので、出勤やお出かけ用の靴を購入する場合はミドルブーツに近いデザインのものを選ぶのがおすすめです。

■ロングタイプ

筒丈が膝下まである長靴です。積雪の深さがふくらはぎ以上になる地域では、ロングタイプの長靴を履くのが基本です。履き口に巾着ひもがついているタイプの長靴なら、履き口を絞ることで雪の侵入を防ぐことができます。豪雪地帯にも対応できるロングブーツは機能性重視なので、どうしても見た目は長靴っぽくなってしまいますが、最近はスタイリッシュなロングブーツに似たデザインを採り入れた長靴も増えてきています。

雪の日に履く長靴の選び方

雪の日に履く長靴を選ぶときのポイントを3つご紹介します。

■1.少し大きめのサイズを選ぶ

長靴は撥水性・防水性のためにゴムや塩化ビニルといった素材を使用しているぶん、やや足にまとわりつくような履き心地になります。自分の足のサイズにぴったりのものを購入すると、スムーズに着脱しにくくなる可能性がありますので、ジャストサイズよりほんの少しだけ大きめのサイズを選びましょう。

■2.靴底が柔らかいものを選ぶ

靴底が硬い長靴はツルツルした路面で滑りやすく、転倒のリスクが高くなります。雪道用の長靴を新調するのなら、雪面や路面にフィットしやすい靴底の柔らかい長靴を選ぶのがポイントです。

■3.冷えが気になる場合は内側がボア加工のものを選ぶ

雪が降る日は、気温もかなり下がる傾向にあり、足元の冷えが気になる方も多いでしょう。そんなときは、内側がボア加工になった長靴を選ぶのがおすすめです。外側はゴムや塩化ビニルで水を通さないので、ボアが濡れる心配もなく、足元の暖かさをキープできます。

自分に合った長靴を用意して雪の日に備えよう

雪が降り積もった道はツルツルと滑りやすく、かつ凹凸もあるので、いつもの靴で歩くとつまずいたり、転倒したりする危険があります。安全・安心に外出できるよう、雪の日は滑り止めや防水加工が施された長靴(スノーブーツ)を履いてお出かけするのがベストです。最近は一見すると長靴に見えないおしゃれな商品もたくさんラインアップされていますので、自分の好みや、お住まいのエリアの降雪量に合わせてぴったりの長靴を選びましょう。

どの長靴を履いていけばいいか判断できないときは、天気予報専門メディア「tenki.jp」の服装指数をチェックするのがおすすめです。その日の予想気温に合った最適なコーディネート例を提案しているので、履いていく長靴選びの参考にもなります。服装指数は毎日、10日先まで公開されていますので、雪の日のお出かけに備えたいときはぜひご活用ください。