新米が美味しい季節がやってきました。この先は気温の変化が激しく、今週末から全国的に朝晩は寒いくらいになりそうです。涼しくなるとふと食欲がわく…と感じる方も多いのではないでしょうか。実は食欲の秋というのには幾つかの理由があるようです。新米を一段と美味しく食べる方法や食べ方についてご紹介します。

なぜ食欲の秋?

秋になると何かにつけて言われる「食欲の秋」。このように言われるのには諸説ありますが、幾つか理由がありました。まず1つ目に「収穫の秋」ともいわれるように、日本人の主食である美味しいお米が穫れる時期です。その他にも、秋刀魚や栗、かぼちゃ等々美味しい食べ物がたくさん出回るため、自然のなりゆきで食欲が増してしまう…というわけです。

また、秋になって気温が下がってくると、体内の温度が下がります。このことから私たちの体は体温を上げようと基礎代謝量が上がり、その分お腹が減りやすくなるため「食欲の秋」と言われる説もあるようです。

さらに、秋になると日照時間が減少して明るさが低下します。精神の安定につながる脳内の「セロトニン」というホルモンは、日照時間が短くなると少なくなり、日光に当たった時間によって分泌量が調整されます。日光に当たる以外にセロトニン分泌量を増やす方法は、糖質や乳製品、肉類などのたんぱく質を摂取すること。このため食べることでセロトニンを増やし、精神を安定させる…という流れから秋に食欲が増すのではないかと言われているようです。

新米とは?古米、古古米、古古古米?

新米とは秋に収穫され、収穫した年内に精米・包装された米のことを指します。収穫から時間が経っていないことから、水分量が多くやわらかくて粘りがあり、香りも良いという特徴があります。やはりこの時期ならではの新米をたくさんいただきたいですね。

一方、新米に対して、古米は前年に収穫・包装された米のことを言い、硬めで水分量や粘りは少なく、古米特有の香りがあります。現在は、湿度や温度調整、保存法などが確立されてきたため、古米でも十分美味しく食べることができます。ちなみに古米だけではなく、古古米、古古々米‥‥とあるそうで、古古米は2年前、古古々米は3年前…などと収穫からの年数で「古」が増えていくそうです。古米も熟成された美味しさがあったり、パラパラとした仕上がりで炊き込みごはんやチャーハンなどに使いやすいという利点があります。

美味しいお米の炊き方は?

新米シーズンに、より美味しくいただくための保存法や炊き方をまとめました。

【冷蔵庫で保存!】

基本的には、お米は密閉容器に入れて、湿度が低く、比較的涼しい場所、直射日光が当たらない場所に保存しましょう。貯蔵する温度を10度以下にすると、米の酸化速度を遅らせることができるので冷蔵庫での保存がおすすめです。シンク下などは特に不適切な場所になるので避けましょう。

【とがずにサッと洗うだけ!】

お米を「とぐ」というのは、お米どうしをこすり合わせてヌカを取り除くこと、「洗う」とはお米の表面に着いた汚れなどを洗い流すことを言います。昔は精米機の性能が悪く、お米の表面に多くのヌカが残り、味が落ちたり日持ちが悪くなるために、できるだけヌカを取り除く必要がありました。ヌカは油分を含んでいるために、ゴシゴシとこすり合わせて「とぐ」ことが必要だったのです。しかし今は精米技術が向上し、ほとんどヌカはついていない状態になっているといいます。

今の時代は「とぐ」必要はなく、「洗う」だけで十分なのです。

【硬水より軟水 冷たい方がマル!】

お米を洗う際の最初のお水が肝心です。軟水のミネラルウォーターか浄水器の水を使いましょう。水の硬度が高いと硬いご飯になり、欧州の水は硬度が高いのでご飯を炊く水には適していないようです。硬水よりも軟水の方が味が良くなると評価されています。洗米の途中は水道水でかまいません。炊飯の際は、やはり、軟水のミネラルウォーターか浄水器の水がベストです。水の温度はなるべく冷たいお水で浸水すると、米にゆっくり給水されるので甘みが増すとも言われています。こだわりの強い方は氷を入れる方もいるそうですが、氷を入れると水加減が変わりますのでご注意ください。また、水の量は少しの違いで味が変わります。計量カップで米も水も平らなテーブルで正確に計るようにしましょう。

【浸漬で一段と美味しく】

浸漬とは、米粒の中心部まで十分に吸水させることをいいます。十分に吸水させることで、美味しいごはんが炊きあがります。精米は最初の30分間で急速に吸水が行われ、飽和状態に達するには、水温20℃以上で約1時間、10℃以下で約2時間を要します。時間がない場合は、30分程度の浸漬時間でも十分美味しくいただけますし、この季節に収穫される鮮度の良い新米は、水分量が多いので浸漬時間なしでもやや固めで美味しくいただけます。あまり長時間浸漬するとご飯に臭いがでることがあるため、長くても5時間以内がおすすめです。

【炊けたらすぐほぐす!】

炊きあがったら、すぐにほぐすというのがポイントです。忙しく食事の用意をしていると、炊き上がりを知らせる音が鳴ったのを確認しても、ほぐすのは食べる直前になってしまうことも多くあります。せっかくふっくらと炊きあがったごはんが含まれる水分の重さで粒が押しつぶされてしまい、食感が落ちてしまいます。空気を入れるように、ふんわりとお窯の底から返して、ほぐしましょう。

現在の多くの炊飯器は蒸らし時間を含む設定で炊き上がりを知らせてくれているはずなので、炊けた音と同時にほぐし、すぐに食べて大丈夫なはずです。ご自身の炊飯器を確認してみて下さい。

《参考資料》全国米穀販売事業共済協同組合 お米の雑学

ホクホクが堪らない 簡単サツマイモ御飯

《材料》

米 2合

もち米 1合

サツマイモ 中1本

塩 ひとつまみ

<調味料>

酒 大さじ1

みりん 大さじ1

しょうゆ 大さじ1

ゴマ塩 適量

《作り方》

お米ともち米は炊く30分以上前に洗い、ザルに上げておきます。

サツマイモは皮ごときれいに水洗いし、1.5cm角に切って塩水につけておきます。

炊飯器にお米ともち米、調味料を入れた後に

水を3合のメモリに合わせて入れ、軽く混ぜます。

水を切ったサツマイモを上にのせて、普通に炊きます。

炊き上がったらほぐして、器に盛ってゴマ塩を振り完成です。

簡単で食卓が一気に秋らしくなる美味しいさつまいもご飯、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。食べすぎに気を付けながら「食欲の秋」を楽しみたいですね。