お祭りの屋台や高速道路のパーキングエリア、コンビニなどでおなじみのアメリカンドッグ。見かけると、つい食べたくなってしまいますね。味つけはケチャップとマスタードが定番ですが、北海道の東部ではなんと、アメリカンドッグに砂糖をかけて食べるそうです。

アメリカンドッグは日本生まれ。中の魚肉ソーセージも日本生まれ

10月9日はアメリカンドッグの日です。アメリカンドッグは豚肉などのソーセージ、または魚肉ソーセージを串に刺し、衣をつけて揚げた食べもので、お祭りの屋台などでよく見かけます。ケチャップとマスタードをかけてアメリカっぽい味つけで食べますが、実は日本生まれの食べ物で、昭和40年代に創業した富山県の企業が広く日本に定着させました。

串に刺さっているソーセージは、豚肉のソーセージの場合と、これまた日本独自の魚肉ソーセージの場合があります。つまり、魚肉ソーセージの場合、アメリカンドッグというアメリカっぽい名前の食べ物は、衣も中身も日本オリジナルということになります。

アメリカンドッグは日本オリジナル。
アメリカンドッグは日本オリジナル。

本場アメリカでは「コーンドッグ」という。とうもろこしの粉を使う

アメリカンドッグは名称に“アメリカン”とつきますが、これは和製英語で、本場のアメリカでは「コーンドッグ」とよばれています。コーンドッグは、見かけはアメリカンドッグとほぼ同じですが、ソーセージを包んでいる生地の材料が違います。

日本のアメリカンドッグの生地は、主な材料は小麦粉ですが、コーンドッグは名称に“コーン”がつくことからもわかるように、コーンミールを使います。コーンミールは乾燥させたとうもろこしを挽いて粉状にしたもので、小麦粉と混ぜてパンにしたり、タコス、スープなどにして使います。小麦粉だけのアメリカンドッグと違ってコーンミールでは、コーンのツブツブのプチプチとした食感を楽しむことができます。日本で生まれたアメリカンドッグのもととなったコーンドッグ。一度食べてみたいですね。

(写真はイメージ)
(写真はイメージ)

道東では砂糖をまぶして食べる。これを「フレンチドッグ」とよぶ

アメリカンドッグには普通、ケチャップとマスタードをかけて食べますが、北海道の釧路を中心とする道東地域ではなんと、砂糖、特にグラニュー糖をまぶして食べます。

道東で、イベントの屋台などでアメリカンドッグを注文すると、ケチャップか砂糖かを選ぶことができたり、もうすでに砂糖がまぶしてあるものが並んでいたりします。砂糖をまぶしたアメリカンドッグの見かけはまるで揚げパンかドーナツ。でも、その中には魚肉ソーセージが入っています。

しかも、この砂糖をまぶしたアメリカンドッグを、道東ではなぜか「フレンチドッグ」とよびます。アメリカンドッグという名称も和製英語なのに、それに砂糖がかかるとフレンチドッグに進化します。でも、なぜそれがフレンチとよばれるようになったのかは、定かではないようです。

揚げパンではありません。ドーナツでもありません。
揚げパンではありません。ドーナツでもありません。

参考

日本食糧新聞:業務用加工食品ヒット賞 地域特別貢献賞:昔亭/フルタフーズ(富山市)「アメリカンドッグ」

マルハ ニチロ:日本オリジナルの超ロングセラー!! 独自の歴史を刻む魚肉ソーセージ

北海道ファンマガジン:フレンチドッグには砂糖を! 道東ではアメリカンドッグに砂糖をつける!?

アメリカのコーンドッグが、日本でアメリカンドッグとなり、さらに道東ではフレンチドッグへと進化しています。もしかしたら日本の他の地域では、スパニッシュドッグやイングリッシュドッグなど、ケチャップ以外のものをかけるオリジナルドッグがあるかもしれませんね。

道東のお祭りにはフレンチドッグが定番
道東のお祭りにはフレンチドッグが定番