シャツをおしゃれに着こなすテクニックのひとつに、袖まくりがあります。シャツの袖をまくると、ファッショナブルな見た目になる、体温調節しやすいといったメリットがありますが、まくり方を間違えるとカジュアルになりすぎたり、たくましい見た目になってしまったりします。シャツをもっとおしゃれに着こなすために、袖まくりの正しい方法とコツを覚えておきましょう。

今回は、シャツの正しい袖まくりの方法と、袖をまくるメリット・デメリットについて解説します。

シャツの正しい袖まくりの方法

シャツの袖まくりの方法には複数の種類があります。ここでは、シーンやファッションに合わせて使い分けられるよう、4種類の袖まくりの方法をご紹介します。

■1. ベーシックロール

最もスタンダードな袖まくりの方法です。シャツの袖のカフスボタンをはずし、カフスの部分のみを折り返します。1回目と同じくらいの幅を意識しながら、2回、3回と折り返していきます。袖まくりの回数は、ファッションスタイルや腕の太さによって異なりますが、ヒジが隠れる程度がおおよその基準となります。

■2. スリムロール

名前の通り、スリムな印象に仕上がるまくり方です。カフス部分まで折り返すのはベーシックロールと同じですが、2回目以降は1回目の半分の幅で折り返していきます。こちらもベーシックロール同様、ヒジが隠れる程度まで折り返していきますが、幅が狭いぶん折り返しの数は多くなります。適当に折り返していくと丸まってしまいがちなので、1回1回折り返すたびに形を整えていきましょう。

■3. マスターロール

別名「ミラノまくり」とも呼ばれる方法です。先に紹介した2つのまくり方とは異なり、1回目から袖口をヒジのあたりまでまくり上げます。2回目は、ヒジが隠れる程度まで、カフスを巻き込むように袖口を引き上げます。すべて巻き込むよりも、カフスの上部分を少し出しておくと、よりおしゃれな感じにまとまります。

■4. たくし上げ

カフスのボタンを留めたまま、袖をたくし上げる方法です。もたついた袖部分は、ふんわりと空気を含ませるようなイメージで形を整えると、二の腕部分にボリュームが出るぶん、露出した手首まわりがスッキリします。

シャツが袖まくりされるようになった背景

現代ではファッションの一部になりつつある袖まくりですが、もともとは、「袖を汚さない、傷付けない」という実用的な目的に由来しています。かつて、衣類はかなり高価なものだったため、農作業や炭鉱作業で袖が汚れたり、傷ついたりしないように袖まくりをしていたようです。現代でも汚れ防止のために袖まくりをするシーンは多いですが、当時はその意味合いがより強かったのだと考えられます。

シャツを袖まくりするメリット・デメリット

シャツを袖まくりすることにはいろいろなメリットがある反面、注意したいポイントもあります。袖まくりのメリットとデメリットをきちんと理解したうえで、上手にファッションに取り入れていきましょう。ここでは、シャツを袖まくりするメリットとデメリットをいくつかのポイントにわけて説明します。

■メリット1. 体温調節ができる

9月は夏の暑さが徐々に和らいでくる時期ですが、上旬はまだまだ残暑が厳しい日もあります。夕方や夜間の気温に合わせて長袖シャツを着ると、日中はやや汗ばむような暑さを感じますが、袖まくりをして腕を露出させれば、半袖に近いさわやかな着こなしになります。気温が下がってきたら、袖をおろすだけで冷え対策になるので、簡単に体温調節できるところが利点です。

■メリット2. 簡単にカジュアルスタイルを作れる

シャツは普通に着ると、きっちりorきれいめスタイルになりますが、袖をまくるとラフな印象を与えられるため、簡単にカジュアルスタイルを作れます。シーンやコーディネートに合わせて袖まくりすれば、1枚のシャツで着こなしの幅が広がります。

■メリット3. 着やせ効果を期待できる

シャツを袖まくりして手首を露出させると、袖を下ろした時よりもスッキリとした見た目になります。秋はロング丈のパンツやスカートを履く機会が増え、ボトムスにボリュームが出やすくなりますが、袖まくりをしてトップスをスッキリまとめれば、着やせ効果を期待できます。

■デメリット1. シャツにしわが寄る

シャツを長時間にわたって袖まくりしていると、折り返した部分にしわが寄ってしまいます。肌寒くなったときに袖をおろすと、くしゃくしゃのしわが目立ってややだらしない印象を与えてしまう可能性があります。袖まくり後のしわが気になるときは、ナイロンやポリエステルなどしわになりにくい素材のシャツを着用するか、携帯用のしわ伸ばしスプレーなどを使用するとよいでしょう。

■デメリット2. まくり方によっては野暮ったい印象になる

いくら暑いからといっても、袖をまくり過ぎていたり、折り返し幅が広すぎたりすると、野暮ったい印象になってしまいます。スマートな装いを目指すには、肘を出さないことと、折り返し幅は7cm以下にすることを意識するといいでしょう。

正しい袖まくりの方法をマスターして、シャツをおしゃれに着こなそう

シャツを袖まくりすると、簡単にカジュアルなスタイルを作れる、手軽に体温調節できる、着やせ効果を期待できるなど、さまざまなメリットがあります。シャツは袖まくりの仕方ひとつで見た目ががらりと変わりますので、正しい袖まくりの方法をマスターして、シャツをおしゃれに着こなしましょう。

シャツの着こなしに迷ったら、天気予報専門メディア「tenki.jp」の服装指数をチェックしてみましょう。朝・昼・夜の時間帯ごとに、その時の予想気温や天気に適したコーディネート例を紹介しています。