8月にかけて暑さも一層厳しくなる時期。子供の夏休み期間中は、子供の熱中症にも注意が必要です。年齢別の熱中症の注意点や対策についてお伝えします。

8月にかけて子供の熱中症リスク高まる

子供たちは夏休みに入り、いよいよ夏本番となりました。晴れる日は強い日差しが照り付けて、最高気温が30度や35度を超える日も出てきます。この時期、一層注意が必要なのが熱中症です。自分のことはもちろんですが、お子さんがいらっしゃる方は、子供の熱中症にも気を付けなければいけません。

子供たちの夏休み期間中は、コロナの影響で活動の自粛や制限はあるものの、プールや公園、買い物など、外出する機会も多くなり、お出かけ先での熱中症や、中学生や高校生は、部活動中の熱中症も増えてきます。

お子さんの年齢別に注意点をまとめてみました。

お子さんの年代別の注意点①「乳幼児」

新生児や乳児・幼児期の子供をはじめとする思春期前のお子さんは、汗腺をはじめとした体温の調節能力がまだ十分に発達していません。そのため、熱中症のリスクが高くなります。お子さんは体調の変化をうまく言葉に出せないこともありますので、保護者がお子さんの様子をしっかり見てあげることが大切です。

晴れている日は、地面に近いほど気温が高くなりますので、背の低いお子さんやベビーカーに乗せた赤ちゃんは一層注意しなければいけません。

例えば、150センチの高さで測った気温が32度くらいの時、ベビーカーや幼児の身長の高さ(50センチくらい)では35度を超え、さらに地面に近いところでは36度以上にもなります。大人が暑いと感じているとき、背の低いお子さんやベビーカーに乗っている赤ちゃんはそれ以上に高温の所にいますので、十分に注意する必要があります。実際に測った気温だけでなく、予想気温は、大人の頭の高さ(1.5メートル)の値になります。天気予報で、翌日の予想最高気温を確認する場合、子供達の頭の高さでは、さらに暑い状況が予想されます。お出かけの際は、お子さんに帽子をかぶせると、熱中症対策だけでなく、日焼け予防にもなりますので、ぜひ心がけましょう。

また、車でお出かけの際は、コンビニに立ち寄った際など、たとえ短時間でも自動車の車内にお子さんを残したまま離れるのはたいへん危険です。エアコンをつけていても”ちょっとだけ”と、お子さんだけ車内に残すことは重大な事故につながるので、絶対やってはいけません。

お子さんの年代別の注意点②「小・中・高校生のお子さん」

外遊び中や、屋外の習い事、部活動での熱中症が多くなります。外遊びや部活動、屋外で運動をする場合は、日差しが強い正午から午後3時をなるべく避けるようにしましょう。

夏休みに入ると、保護者や学校の管理下にない所へ遊びに出たり、運動をしたりすることもあるかもしれません。お子さんが出かける際は、水筒や冷却グッズなど、忘れずに用意しておくようにしましょう。中学、高校生など部活動も大きめの水筒でたっぷりと麦茶や水、スポーツドリンクなど入れて持参させるようにしてください。

また、日ごろからお子さんに熱中症についての理解を深めておくことも大切です。なるべく炎天下を避けるようにあらかじめ伝えたり、児童館など室内で遊ぶ場合でも、お子さんたちは元気よく体を動かして汗をかきますので、必ず水筒を持参させるようにしましょう。

お子さんと一緒にできる熱中症対策

熱中症対策には水分補給や塩分補給が大切ですが、小さなお子さんは喉の渇きに気づくのが遅れますので、保護者からこまめに声掛けをして、喉が渇く前でも水分補給をさせましょう。汗をかいた時には適度な塩分の補給が効果的です。

汗をかくと塩分だけでなく、カリウムも排泄されてしまいます。子供のおやつには、スナック菓子などの代わりに、カリウムを多く含むバナナやスイカや、水分を多く含むきゅうり、トマトなどの夏野菜も、手軽な水分補給としておすすめです。きゅうりはスティック状にすると手軽に食べやすくなります。また、おやつの際の飲み物はジュースではなく、ミネラル豊富な麦茶や水を選ぶと良いでしょう。

夜間の熱中症対策

真夏は夜間も注意が必要です。特に翌朝の最低気温が25度以上を予想している時は、特に熱中症に気を付けなければいけません。エアコンを適度に使用するのがおすすめですが、効きすぎてしまうと体調を崩してしまい逆効果になることもあります。シーツやタオルケットなどの寝具を通気性が良く、触るとひんやりと感じられる冷感素材や、竹や井草など天然素材のものにするのも効果的です。また窓を少し開けて、扇風機をつけると、空気の流れが良くなります。さらに、氷枕で後頭部を冷やすのもおすすめです。また、枕元には水筒やボトルを置いて、いつでも水分補給ができるようにしておくといいですね。

毎朝、熱中症情報のチェックを習慣づけよう

毎朝、お子さんと一緒に、その日の天気とともに、気温や熱中症への危険度をチェックすることを習慣づけると良いでしょう。その一つの指標になるのが、「熱中症警戒アラート」です。これは、環境省と気象庁が共同で発表するもので、「暑さ指数(WBGT)」の値が「33」以上と予測された場合に、発表されます。「暑さ指数(WBGT)」とは、気温、湿度、輻射熱(ふくしゃねつ:地面や建物・体から出る熱のことで、温度が高い物からはたくさん出ます)を取り入れた暑さの厳しさを表す指標のことです。お住まいの地域や、出かけ先の地域に「熱中症警戒アラート」が発表されている場合は、不要不急の外出を避けるなど、普段以上に熱中症に警戒するようにしてください。

この「熱中症警戒アラート」は環境省や気象庁のホームページで確認ができます。また、tenki.jpの熱中症情報(WBGT近似値)も活用して、ぜひお子さんと一緒に熱中症対策をしっかりして、元気に夏を過ごしたいですね。

参考:環境省ホームページ、熱中症環境保健マニュアル2018