今年も広い範囲で梅雨明けを迎え、熱中症に対して、本格的に注意が必要な時期となりました。夏本番の暑さを乗り切るために、「熱中症警戒アラート」や「コロナ禍の熱中症対策」について、詳しく知っておきましょう。

「熱中症警戒アラート」って 何?

熱中症を予防するために発表される、熱中症警戒アラート。聞きなれない言葉だと思った方も、大勢いらっしゃるかもしれません。

それもそのはず、熱中症警戒アラートは、去年は、関東甲信地方だけを対象に試行されましたが、今年から、対象が全国に広がりました。そこで、熱中症警戒アラートについて、詳しく説明しましょう。

まず、熱中症警戒アラートは、熱中症を予防することを目的に、環境省と気象庁が共同で発表します。これを発表することによって、暑さへの「気づき」を呼びかけることが目的なのです。

熱中症警戒アラートは、前日の夕方、あるいは、当日の朝、発表されます。熱中症警戒アラートが発表されたら、早めに熱中症への備えを行っていただきたいものです。

「熱中症警戒アラート」発表基準は?

ただ、熱中症警戒アラートが発表されるのは、高い気温が予想される時だけではありません。

熱中症警戒アラートを発表する基準は、「暑さ指数(WBGT)」というものです。暑さ指数という、また聞きなれない言葉がでてきましたが、暑さ指数とは「気温」「湿度」「輻射熱(地面や建物・体から出る熱で、温度が高い物からはたくさん出ます)」を取り入れた、暑さの厳しさを表す指標のことです。

この暑さ指数が、全国を58に分けた府県予報区等のどこかの地点で、「33」以上と予想した場合、熱中症警戒アラートが発表されます。熱中症警戒アラートが発表された所では、日頃から実施している熱中症対策を、普段以上に徹底することを心掛けてください。

また、暑さ指数が「33」でなくても、「31以上」であれば、原則、運動は禁止のレベルです。「28~31」でも、すべての生活活動で、熱中症がおこる危険性がありますので、油断しないで、熱中症対策を行ってください。

「暑さ指数」どこでわかる?

熱中症警戒アラートの基準となる「暑さ指数(WBGT)」について、ご自分のお住まいの所では、どんな数字が予想されるのか、細かい数字を知っておくことは、とても重要です。

「暑さ指数(WBGT)」は、環境省の熱中症予防サイトでも確認できますが、もっと簡単に知る方法があります。それは、tenki.jpの熱中症情報(WBGT近似値)を見ることです。熱中症の危険度が高い方から、「危険」「厳重警戒」「警戒」「注意」「ほぼ安全」と5つのレベルに分かれています。

今日の熱中症情報について、地点をクリックしていくと、知りたい地点が、どのレベルなのか、簡単に知ることができます。また、10日間熱中症情報では、この先10日間、いつ熱中症対策が必要なのか、知ることもできます。ぜひ、お役立てください。

最新の「tenki.jp熱中症情報」を画像クリックでご覧いただけます
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コロナ禍でも マスク熱中症を防ごう

一方、去年に引き続き今年も、新型コロナウイルス感染を防ぎながら、熱中症対策も行うことが求められています。「マスク生活が続いていますが、マスクをしているときには、普段よりも意識してこまめに水分を補給しましょう。」

そこで、次の5つのポイントを、ぜひ心がけてください。

①屋外で、他の方と2メートル以上(十分な距離)離れている時は、マスクをはずして、休憩してください。なお、マスクを着用している時は、激しい運動は避けましょう。気温だけでなく、湿度も高いときは、特に注意が必要です。

②暑さをなるべく避けて、涼しい服装を心がけましょう。日傘や、つばの広い帽子を利用すると、暑さを防ぐだけでなく、ソーシャルディスタンスも確保できます。

③喉の渇きを感じる前に、こまめに水分を補給しましょう。汗を大量にかいた時は、水分だけでなく、適度に塩分も補給してください。

④エアコンを使う機会が増えますが、エアコンを使っていても、こまめな換気が必要です。窓やドアなど2か所を開けたり、換気扇や扇風機を併用するのも、おススメです。換気をした後は、エアコンの温度を、こまめに設定しなおしてください。

⑤日頃から暑さに備えた体力づくりをすると共に、万全な体調管理を心がけましょう。体調が悪いときは、無理をしないで、涼しい自宅で静養してください。

熱中症対策だけでなく、新型コロナウイルス感染拡大防止対策も続けながら、体調に気を付けて、2021年の夏を乗り切ってください。