4月になると一気に春めいてきて、日によっては昼間に汗ばむような陽気になることもあります。ただ、4月は朝晩の寒暖差が大きく、うっかり薄着で出掛けたら夜は寒さが身に染みた…なんてこともあります。

そこで今回は、意外と難しい4月の服装選びで押さえておきたいポイントや、4月に持っておきたいファッションアイテムをまとめました。

服装選びの前に4月の気候の特徴を解説

4月の服装選びのポイントをご紹介する前に、4月の気候の特徴についてチェックしてみましょう。

■1. 朝晩の気温差が大きい

4月は、周期的に高気圧と低気圧が西から東へ通過する時期です。低気圧の東側は南から流れ込む暖かい空気の影響で気温が上昇しますが、低気圧の西側では北から冷たい空気が流れ込んでくるので、気温が下がる傾向にあります。そのため、天気が数日周期で変化しやすく、体温調節が難しい季節とされています。

また、一日の寒暖差も大きく、日中はぽかぽかとした陽気に包まれていても、日が落ちると気温がだんだんと下がり、夜には肌寒さを感じることも少なくありません。気象庁ホームページに掲載されている東京の平年値によると、4月の最高気温は19.0℃であるに対し、最低気温は9.4℃と、およそ10℃ほどの差があります。[注1]平均気温は13.9℃ですが、夜間や朝方は10℃を下回る日も多くなっています。

■2. 降雨量が増える

桜が咲く時期に降る雨を指して「花の雨」という言葉もあるように、4月は太平洋側を中心に冬場に比べて雨が降りやすい時期といわれています。冬の間は大陸から吹く北西の季節風により、日本海側では山に空気がぶつかって雲が発達しやすくなりますが、反対側の太平洋側では、山を超えて吹き下ろす空気が乾燥するため、他の時期よりも降水量が少なくなります。

ところが、次第に春になるにつれて大陸の高気圧は弱まり、低気圧と高気圧が交互に日本付近を通過するようになります。実際に、東京における4月の平年降水量をチェックすると、1~2月は50mm前後と少ないのに対し、3月になると降水量が倍以上に増え、4月の平年降水量は124.5mmに上っています。[注1]

また春先には、冬と春の空気の間で生まれた気温差で大気の状態が不安定となり、急な「春時雨」に見舞われることもあります。

[注1]気象庁:東京 平年値(年・月ごとの値)

4月の服装選びで押さえるべきポイント

4月の気候の特徴を踏まえ、服装選びで押さえておきたいポイントを3つご紹介します。

■1. 薄手のアウターを選ぶ

4月は昼と夜の寒暖差が大きいので、昼の暖かさを基準に服装を選ぶと、帰宅時に寒さで震えることになりかねません。日が落ちて気温が下がってきた時に備え、薄手のアウターを羽織っていくのがおすすめです。

厚手のアウターだと昼に汗ばんでしまいますが、マウンテンパーカーやトレンチコート、ライトブルゾンといった薄手のアウターなら、日中でも快適に過ごせます。春の雨が気になる場合は、速乾性に優れたナイロン素材のライトアウターを選ぶと降雨対策になるでしょう。

■2. 通気性の良いインナーを重ね着する

夜の防寒対策は徹底したいけれど、日中汗ばむのは避けたい…という場合は、通気性の良いインナーを重ね着しましょう。たとえばリネンシャツの上に薄手のニットを重ね着すれば、適度に保温しつつ、暑さや蒸れを防ぐことができます。予想以上に気温が上がったら、上だけ脱ぐなど体温調節もしやすいところが利点です。

■3. 春色を取り入れて季節感アップ

4月になったら、暖かな陽気や花の芽吹きなどに合わせて、ファッションにも明るい春色を取り入れてみましょう。柔らかい雰囲気のある春には、ビビットな原色よりも、ベビーピンクやクリームイエローなど、淡いパステルカラーを選ぶのがポイントです。男性の場合はややくすみがかった色を選ぶと、かわいらしい雰囲気を抑えながら、季節感を演出することができます。

4月の服装で持っておきたいアイテム

4月にぴったりの春コーデを考えるにあたり、ぜひ持っておきたいファッションアイテムを3つご紹介します。

■1. リネン素材のアイテム

通気性の良いリネン素材のアウターやインナーは、体温調節が難しい春に大活躍するアイテムです。リネンシャツやリネン素材のコートなら、気温が上がる昼間でもさらっと着こなせます。

■2. 動きのあるアイテム

春らしさを前面に出したい場合は、春風にそよぐような動きのあるアイテムをチョイスするのがおすすめです。たとえばサテンのプリーツスカートや、透き通るようなシアー素材のスカートなどを着用すると、いかにも春らしい軽やかな雰囲気を演出できます。男性なら薄手のシャツをさらっと羽織ると、涼しげで爽やかなイメージに仕上がります。

■3. キャップで日差し対策

4月になると気温の上昇と共に、日差しもだんだん強くなってきますので、キャップをかぶってUV対策をしましょう。カジュアルなキャップは男性・女性ともにコーディネートに取り入れやすいアイテムなので、春色と相性の良い白やネイビー、グレーのキャップをひとつ持っておくと着こなしに便利です。予想最高気温が高い日は、先取りで麦わら帽子をかぶるのもアリでしょう。

4月は春の気候に合った服装を選ぼう

4月は昼の気温がぐっと上がる一方で、朝晩はまだまだ肌寒さを感じる季節ですので、お出かけの時は体温調節しやすい服装を選ぶのがポイントです。基本は薄手のアウター×通気性の良いインナーの組み合わせがおすめですが、4月は数日単位で天気が変化しやすいので、お出かけ前にその日の天気をチェックしてからコーディネートを決めた方がよいでしょう。

天気予報専門メディア「tenki.jp」では、その日の天気や予想気温とともに、最適なコーディネートを提案する「服装指数」を公表しています。ぜひ4月の服装選びの参考にしてみてください。