年度末、そして新年度へと暦が変わるこの時期。様々な新しいことを生活に取り入れながら暮らしてきた、この1年間。みなさんにとって、これからやってくる新年度はどのようなものでしょう?大きく生活が変わる人もいるでしょうし、あまり変化がない方ももちろんいるでしょう。今回から数回に分けて、「お弁当」のある生活について考えてみたいと思います。レシピはもちろん、簡単で、楽しく食べられるものを中心にご紹介したいと思います。

お弁当の歴史

「お弁当」という言葉が登場するのは、歴史に名高い戦国武将、織田信長が始まりとも言われています。信長の城で、多くの人に食事を与えた際に、各々に配る簡単な食事として名付けられたのだそうです。外出した際の食事という意味での「お弁当」は、おおよそ5世紀頃から、猟や戦、農作業の合間に食事を取れるようにと、『干飯(ほしいい)』という、米を蒸して乾燥させた保存食を食べていたという記録があります。『握り飯』というのも、この頃からのようです。『干飯』は湯や水に浸してから食べたり、そのまま食べたりしていたようです。

時代は下って、江戸時代になると、町人文化が花開き、物見遊山を楽しんだり、お芝居などを観劇することが流行りました。それに伴って生まれたのが『幕の内弁当』です。お芝居などの幕間にいただくことから、幕の内弁当と呼ばれたとされています。

お弁当で取り入れたいこと

お弁当は、出来立てを食べるのではなく、「時間が経ってから」、「持ち運んで」食べることができるのが魅力ですよね。近年では、様々なお弁当用の食材や冷凍食品が販売されていて、全く調理を要しないおかずもたくさんあります。では、自分で調理する際には、どんなことを気をつけたり、取り入れるのが良いのか、ポイントをいくつか挙げてみました。ぜひメニューの参考にしてみてくださいね。

☆バランスを考えよう

メニューを決めるときに気になるのは、「何」を、「どのくらい」入れるかということですよね。健康にも気をつけたいというのは、ちょっと欲張りでしょうか?実は、ちょっとした目安を覚えるだけで、栄養も、量も、バランスよく作ることができます。それは『主食:主菜:副菜=3:2:1』を心掛けることです。主食はご飯やパン、麺類などの炭水化物が主なもので、エネルギー源になります。主菜はメインのおかず、肉や魚、卵などのタンパク質が多く含まれるものです。血液や筋肉などの体を作る働きがあります。副菜は、野菜やきのこ類、海藻などのミネラル分を含むおかずです。体のバランスを整える働きがあるものが多くあります。

☆保存の工夫を

お弁当は時間が経過してから食する場合がほとんどですよね。その際に気をつけなければならないのが、保管場所の環境やお弁当の中身です。また、持ち歩く場合もあるので、汁気の少ないものや、汁気を切ってから詰めることも大切なことです。ドレッシングやタレなどをかけてしまうと、時間の経過とともに水分が出てしまったりするので、先に味付けをしておいて汁気を切ってから詰めるか、別添えにするようにしましょう。また、一般的には、菌にとって栄養があり、水分も多く、適温であると繁殖しやすくなります。甘い、しょっぱいなど、少し濃いめに味付けをしておくと、浸透圧の関係で、繁殖を防ぎやすくなります。最近では、冷凍のまま詰めて、自然解凍で食べることができる方法がたくさんあります。そういったお惣菜もたくさん売られています。また、保冷剤なども気軽に購入することができますので、お弁当を保管する時の温度を上げないように工夫しましょう。

☆詰め方

お弁当の仕上がりを左右して、意外にも、最後の段階で頭を悩ませるのが詰め方ではないでしょうか。お弁当箱の形にもよりますが、基本的には、大きなものから小さなものへと、順に詰めていくようにしましょう。また、バランやおかずカップなども低価格で、デザインも様々に売られています。積極的に利用してみるのもおすすめです。見た目も華やかに楽しいお弁当になりますし、詰めやすいだけでなく、おかずの味が混ざってしまうことも防ぐことができます。

ストックできるおかずを作ってみよう<1>

今回は、「チキンナゲット」のレシピをご紹介します。タネだけ作ったら、冷凍庫でおよそ2週間程度の日持ちがします。使う当日も解凍せずに調理ができます。ぜひ、時間がある時に作り置きをしてみてくださいね。朝の時間がグッと短縮できますよ。

<材料>

鶏胸ひき肉 300g

たまご 1/2個

片栗粉 大さじ1

マヨネーズ 大さじ1

塩・こしょう 少々

にんじん 1/2本

<作り方>

1. たまごは溶きほぐしておきます。

2. にんじんは、すりおろして、しっかり水気を絞っておきます。

3. すべての材料をボウルに入れて、よく練り混ぜます。

4. バットにラップなどを敷いて、3.のタネをスプーンですくって落としていきます。(今回の分量だと、およそ12〜15個程度が作れます。)

5. 水で濡らしたスプーンの背で、タネがおよそ1cm程度の厚みになるように表面を押しならします。

6. 上からラップをかけて冷凍庫で凍らせます。

*2時間以上経って、タネが完全に凍ったら、フリーザーバッグなどに移しても大丈夫です。

<使うとき>

凍ったままのタネに、分量外の小麦粉を全体に軽くまぶしつけます。フライパンに少し多めの油をひいて、弱火にかけます。片面3分くらいずつ揚げ焼きにして、こんがりと焼き色が付いたら、できあがりです♪

心も体も生活も整う、お弁当ライフ。心機一転、チャレンジしてみてはいかがでしょう。

参考

Kids Web Japan;バーチャルカルチャー