冬の大三角形の見つけかたは?全天一明るい星「シリウス」は2つある!? 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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冬の大三角形の見つけかたは?全天一明るい星「シリウス」は2つある!?

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冬は星空観察デビューに最適の季節です。大気が澄んでいるうえ、明るい星が多いので、都会にいても肉眼で星座が楽しめちゃうのですね! そんな夜空でひときわ目立っている、ギラギラと瞬く青白い星が…。それはたぶん、シリウス。全天第一の輝きをもつ恒星で、「冬の大三角形」の1点にもなっています。ところで、冬の大三角形のカンタンな見つけかたは? 空には2つのシリウスがあるって、本当!?


暗くなったら南東の夜空に注目してみよう!三角形の見つけかたは?

「冬の大三角形」とは、 冬に見頃を迎える3つの明るい星を線で結んでつくる、空の三角形のこと。結ぶのは、オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンです。3つとも一等星なので、都会でも肉眼ですぐに見つけることができますよ。

なかでも全天一明るく輝くシリウスは、夜空での目立ちやすさもピカイチ! この季節は、晴れた日には宵の口から南東の空(スマホのコンパスアプリが便利です)にギラギラ見え始め、青白く瞬きながらだんだん高くのぼっていきます。

シリウスが見つかったら、そのまま視線を上へ…すると、服のボタンみたいに等間隔に3つ並んだ星が見えませんか? これがオリオン座の「オリオンの胴体」とされている部分。シリウスに頼らなくても見つかるくらい、印象的な星ですね。そのそばにある赤っぽく輝く星が、ベテルギウスです。

そしてシリウスから見て左上、ベテルギウスと正三角形をつくれる位置にあるのが、こいぬ座のプロキオンです。他のふたつと比べてやや控えめな光が、いかにも仔犬っぽい可憐さを感じさせます。同じ一等星でも、さまざまな個性があるのですね。

不思議なことに、いちど知った星は次の日からはほぼ必ず見つけられるようになります。夜になると空にかわいいお友達が待っていて、一生楽しめる感覚です。じつは市街地では明るい星しか見えないぶん、かえって目立つ星を把握しやすいという利点も。明るい星が多い冬は、星空観察デビューにぴったりなのですね。


ギラギラ光って季節を知らせる大きな犬☆ 飼い主は勇者オリオン?

シリウスは、おおいぬ座の口のあたりに位置しています。

名前の意味は「焼き焦がすもの」。冬は夜空で輝くシリウスですが、夏は太陽に先立って上ります。まるで地を焼き焦がす夏を連れてくるかのように。古代エジプトでは、日の出直前にこの星が東の空に上ってくると、ナイル川が氾濫する前ぶれとされました。シリウスは信仰の対象にもなっていたのです。

またシリウスは、古くから世界中で「犬」としてイメージされてきたようです。

西洋ではシリウスを「犬の星」、夏のいちばん暑い日を「ドッグ・デイズ」などと呼びます。中国では「天狼」。ギラギラした輝きが、オオカミの眼光を思わせたのでしょうか。

犬としてのシリウスは、飼い主も正体も諸説あってはっきりしません。ただ、犬のうちでもオオカミ的な「ギラギラした感じ」は、どの伝説にも共通している気がします。神の犬、獲物を絶対に逃さないと運命づけられた犬、悪さする大ギツネを追った姿のまま石になり天にあげられた犬…さまざまな伝説のなかで、その犬は光を放つように走ります。

おおいぬの飼い主としてギリシア神話でもっとも知られているのが、勇者オリオンです。

日本ではシリウスは「犬星」「三つ星のあと星」などとも呼ばれます。三つ星とは、オリオン座の3つ並んだ胴体の部分。オリオンを見上げながらあとに続く、忠実な猟犬のイメージが浮かびますね。おおいぬ座はオリオンの足元で、うさぎ座を追いかけているともいわれています。そんな姿に思いを馳せながら夜空を眺めてみるのも、とても楽しいのではないでしょうか。


シリウスにはAとBがあるってご存じでしたか?見えているのはどっち!?

「全天一明るい」シリウスは、宇宙でいちばん明るい星なのでしょうか? もちろんそういうわけではなく、これは地球から見たときの明るさという意味です。もっとも、シリウスはマイナス1.5等星で普通の一等星より6倍も明るい星なのです。しかも北半球から見える星としては地球にもっとも近い、8.6光年の距離にあります。とても明るい上にとても近いので、あんなにギラギラ輝いて見えるのですね。

ところで空には、2つのシリウスがあるのをご存じでしょうか?

私たちが見ているのは「シリウスA」。じつはそのまぶしい光に隠れて、暗くて小さい白色矮星「シリウスB」がまわっていたのです(これを伴星といいます)!

シリウスBはかつて、シリウスAより明るく輝いていたともされます。ところが進化が早すぎて、たちまち年老いてしまい、現在は死骸のような状態に…。地球よりちょっと大きいくらいなのに、重さはなんと太陽なみという驚異の密度をもつ星なのだそうです。

シリウスBは、楕円形を描いて約50年周期でシリウスAのまわりをまわっています。明るいシリウスAの近くを通るときには、まぶしすぎて望遠鏡でもよく見えません。ですが、いまは離れた位置にいるため、観察するチャンスなのだそうです。シリウスBがどれだけ目立たないのか見てみたい♪ という方は、下記リンクの動画ものぞいてみてください。

大三角形をつくっている2匹の犬は、「冬のダイヤモンド」にも参戦しています。冬の星空は本当にゴージャスですね。夜の浅い時間にお散歩しながら見上げたり、ベランダや窓からも楽しんだり。おうち時間に、親しめる星をぜひ見つけてみてはいかがでしょうか。

※『動画で撮影したシリウスB』はこちら(阿南市科学センター)

※『冬のダイヤモンド』はこちら(県立ぐんま天文台)

〈参考文献〉

『星座の神話』原 恵(恒星社厚生閣)

『藤井旭の星座と星座神話 冬』藤井旭(誠文堂新光社)

『奇妙な42の星たち』岡崎彰(誠文堂新光社)


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