「ドーナッツ」や「指輪」など『リング』の形に惹かれる私たちの心とは!? 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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「ドーナッツ」や「指輪」など『リング』の形に惹かれる私たちの心とは!?

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リースやしめ飾りは、家族を守り邪気を払う意味が

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茅の輪ならぬ、知恵の輪くぐりもあるようです

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赤い実のリース 最近はクリスマスリースにアレンジを加えお正月飾りと兼ねているお宅もあるようです

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手作りお正月飾りにチャレンジしてもいいですね。しめ縄の作り方も動画にのっている時代です

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あと約1週間で、新しい年を迎えます。

2020年は新型コロナウイルス感染拡大のため、私たちの多くは、これまで当たり前に送ってきた生活の変化を余儀なくされました。予定した今年の行事も見送りとなり、これまで目指してきた目標や見通しを、変えていかねばならない体験をされた方もいらっしゃるかもしれません。

今まで通りに、想定通りにいかないことで、私たちの生活や活動が円環的に様々な人や社会とつながっていることをより強く感じた1年でもありました。様々な想いを抱えながらも、私たちの毎日の生活や人生は続いています。

さて、今年を振り返り何かしらの自分にとっての意味を見出し新しい年の訪れに想いを馳せるこの季節です。クリスマスのリースや、お正月のしめ飾りに見られる「リング」「環」「輪」の形は、古来より人々が様々な想いをこめた象徴の形なのです。


古来よりリングの形にこめられた想い

リングの形には二つの意味がこめられています。

●魔除け

神聖な場所や大事な場所とそうでない場所の「結界」という意味があります。玄関にリースやしめ飾りを飾ることが多いのは「大切な家族を守るため」「外の邪気を自分の内にもちこまないため」です。

また、日本では除災神事として6月の「夏越の祓」(なごしのはらえ)、12月の「年越の祓」(としこしのはらえ)があります。半年間の「無病息災」「厄難消除」「開運厄除」を祈るという風習で、茅で作ったしめ縄の輪「茅の輪」をくぐることで、厄が払われます。

一方、『指環物語 ロード・オブ・ザ・リング』のお話のようにリング自体に邪悪なものを閉じ込めてしまうという機能もあるようです。

●幸福祈願

輪の形には、はじめも終わりもなく切れ目もありません。「永遠に続く」などの意味があり、「生命や幸福がいつまでも続くように」という願いがこめられています。

また、リングの形は、太陽や月といった丸いものを連想させ生命力やエネルギーにつながるイメージもあります。太陽や月もまた、毎朝、毎晩天空に昇ってきますので、やはり永遠や不滅などの連続性の象徴でもありますね。

結婚指輪の交換や、指輪やネックレスなどのプレゼント、クリスマスリースやお正月のしめ飾りにも、家族や大事な人の健康や幸せが続くよう祈願する切なる想いがつまっています。


リングの素材にこめられた想い

●繁栄祈願

クリスマスリースの起源は、アドベント(11/30にもっとも近い日曜日~キリスト誕生までの4週間)にあります。もともとは、リースの上に4つの燭台を飾り、1週間ずつろうそくをともしていき、クリスマスイヴを待ち望むことから始まりました。アドベントの期間だけでなく、年明けの2/2の聖燭祭(イエスが生後40日後に神殿で清められたことを祝する日)までクリスマスの飾りを残しておく、という教派もあるようです。

リース自体は、キリストの誕生よりさらにギリシャローマ時代にさかのぼり、ローマ人によってお祭りやお祝い事で冠として身につけられていた花や葉などで作られた輪の装飾のことでした。

樹木の生えない土地にも根付くオリーブは富の象徴や永遠につづく緑の象徴でしたので、古代オリンピックでは勝者に月桂樹やオリーブのリースが贈られました。リースをドアに飾ることは、勝利や栄光を示す社会的ステータスでもありました。今でもオリンピックの聖火ランナーは、オリーブの冠をかぶっていますね。

オリーブや月桂樹もそうですが、緑色は生命力や繁栄を表す素材です。クリスマスリースでは、他にも、もみの木、コニファー、柊、ユーカリなどが使われます。お正月飾りでは、松やゆずり葉があしらわれます。

●豊作豊穣祈願・子孫繁栄祈願

クリスマスリースやお正月のしめ飾りでは、花や実を多く飾り、豊作・豊穣を祈願し、私たちの想いが実るよう祈念します。

リースではリンゴの実や松・もみ・しいなどの木の実、しめ飾りでは、稲穂、みかんのような橙(だいだい)、赤い実の南天や千両を飾ります。最近は、モダンなしめ飾りもあり、ハスの実や菊、椿の花、バラなど華やかなものも増えてきました。

また、しめ飾りのしめ縄は、収穫した後の藁をおもい浮かべますが、出穂前の青々としたものを用いる神社も多いとのこと。また藁の種類も「稲」「真菰(まこも)」「麻」などが使われ、その地域によって異なるようです。伊勢神宮のものは「麻」、出雲神社は「真菰」で作られるものが多いのだそうです。

しめ縄は、もともと天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸からでてきた後、この岩戸に二度とこもらないように岩の周りに張られたものです。世界が真っ暗にならないよう私たちを守ってくれるものでもあります。

素材や形に想いを馳せながらリースやしめ飾りを選んだり、手づくりのものを作ったりして、飾るのもいいですね。 私たちの生活や歴史の中では、さまざまな「リング」の形に出会いますね。

ハンドル、タイヤ、車輪、吊り輪、指輪、ネックレス、腕輪、王冠、トイレットペーパー、ラップ、セロファンテープ、ガムテープ、ドーナッツ、チュロス、オニオンリング、バームクーヘン、シフォンケーキなど。

いろいろな想いがこめられた形でありながら、とても機能的な形でもあります。

「リング」が私たちを非常に惹きつけるのはそんな理由もあるかもしれません。

輪になって話をしたり、手をつないだりが当たり前ではない現在、寂しい気もしますが、文明の利器によるネットワークや私たちの知恵で、良い循環が生まれ、きっと今の難局も乗り越えていくのでしょう。良い年をお迎えください。


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