冬の防寒対策を考えるときは、アウターやトップスだけでなく、その下に着るインナーにも気を遣うことが大切です。最近はさまざまな防寒インナーが発売されていますので、冬の下着選びのポイントをしっかり押さえてから、防寒インナーを購入しましょう。今回は、冬の防寒対策に役立つ下着の選び方を男女別にまとめました。あわせて、冬に冷えやすい体の部位と、それぞれの対策もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

【男性編】冬の下着選び2つのポイント

男性が冬の下着を選ぶ際に押さえておきたいポイントを2つご紹介します。

■1.消臭や吸湿速乾の機能がついたインナーを選ぶ

思春期以降、男性と女性では体温調節機能に変化が現れ始めます。青壮年期の男性は、女性よりも体表面性あたりの基礎代謝量が10%ほど大きく、より多くのエネルギー(熱量)を生み出すといわれています。[注1]

そのぶん、生み出した熱を発散するための汗の量も多く、冬場でも汗と臭いに悩まされがちです。とくに服を着込んでいる冬は通気性が悪くなりやすいので、下着を選ぶときは消臭機能がついているものや、吸湿速乾性に長けたものを選ぶのがおすすめです。

■2.ファッションによっては女性用インナーを着用するのもあり

男性のインナーは女性に比べるとデザインのバリエーションが少なく、丸首型のクルーネックかVネックのいずれか2択になるケースがほとんどです。クルーネックのトレーナーやVネックのニット、ワイシャツなどを着用するときは問題ありませんが、首元が開いたボートネックの服を着る場合、インナーがはみ出てしまうことがあります。

そんなときは、女性用のUネックインナーを選ぶのもひとつの方法です。Uネックはクルーネックよりも首元が広いデザインになっているので、気兼ねなくボートネックのトップスを着用することができます。「男性が女性用のインナーを着てもいいの?」と思われるかもしれませんが、冬用インナーの暖かさに男女差はありませんので、サイズが合えば男性が女性用インナーを着用しても問題ありません。

ただ、女性用のインナーは男性用より袖や丈が短く作られていますので、女性用のUネックインナーを購入するときは、必ずタグでサイズを確認しましょう。

[注1]J-STAGE:老若男女の温熱生理学 (2)性差と加齢の影響

【女性編】冬の下着選び2つのポイント

女性が冬の下着を選ぶときにチェックしたいポイントを2つご紹介します。

■1.吸湿発熱性のインナーを選ぶ

吸湿発熱性とは、物質が空気中に含まれる水分を吸収する際に発生する熱を利用して温める機能のことです。汗による衣類の湿度を下げると同時に衣類内の温度を上昇するため、一石二鳥の効果が得られます。筋肉量が少なく熱を生み出しにくい女性は、男性よりも体が冷えやすいので、発熱をサポートしてくれる機能を持ったインナーを選びましょう。

■2.刺激の少ない素材を選ぶ

女性の肌は男性よりも厚みが薄いといわれています。[注2]皮膚が薄いと外部からの刺激を受けやすいので、インナーもなるべく肌への刺激が少ない素材のものを選ぶのが理想です。

たとえば綿やシルクなどの植物系素材は、肌触りが良く、長時間着用していてもストレスを感じにくい仕様になっています。逆に、ウールなど動物の毛を使ったインナーは、地肌に触れるとチクチクする可能性がありますので、綿と混合されているものを選んだほうがよいでしょう。

[注2]J-STAGE:超音波断層撮影装置による顔面皮膚厚の測定

冬に冷えやすい体の部位と対策

気温の低い冬は、冷えによって筋肉が強ばり血流が滞りやすい時期といわれています。

以下では、血行不良による冷えを防ぐためのポイントを部位別にまとめました。

■手足の冷えは、防寒グッズとグーパー体操を組み合わせて対策

心臓から最も遠い手足は、体の中でもとくに冷えやすい部位といえます。ウールやアクリルなど保温性の高い手袋や靴下を着用したり、足首にカイロを貼ったりすると、末端の冷え防止に役立ちます。また、血行を良くするために、手足の指を5秒握る→パーの形に離すという動作を繰り返す「グーパー運動」を定期的に行うのも効果的です。

■マフラーやネックウォーマーで首を温める

首の後ろには太い血管が走っているので、全身を温めたいときは首の防寒対策を徹底しましょう。具体的には、マフラーやネックウォーマーを着用したり、首の後ろにカイロを当てたりする方法が有効です。カイロは地肌に直接つけると低温火傷のリスクがありますので、インナーの上から貼るか、地肌に貼ってもOKの温熱シートを利用しましょう。

■腹巻やカイロで腹部を温める

デスクワークなどで座りっぱなしの状態が長時間続くと、下半身に血液が行き渡りにくくなります。とくに腹部は血液が集まりやすい場所といわれていますので、腹巻を身につけたりカイロを当てたりして、お腹周りを冷やさないよう注意しましょう。

気温が低くなりそうな日は、あったかインナーで冷え対策しよう

冬の寒さを乗り切るには、アウターだけでなく、服の下に身につけるインナーも防寒仕様のものに切り替える必要があります。男性と女性では発汗量や発熱量に違いがありますので、それぞれの体質に合わせて、適切な機能を備えたインナーを選びましょう。とくに気温が下がりそうな日は、腹巻やソックス、カイロなどをうまく利用して、より万全な防寒対策を行うことをおすすめします。

あったかインナーを着るかどうか判断しにくいときは、天気予報専門メディア「tenki.jp」で公開されている服装指数を参考にしてみましょう。朝・昼・夜の予想気温や天気と共に、それぞれの時間帯に適した服装が提案されているので、コーディネートを考えるときの手助けになります。服装指数は毎日更新されていますので、お出かけ前にぜひチェックしてみてください。