秋は火星が見ごろ!10月6日に最接近する「第2の地球」の住みごこちとは? 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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秋は火星が見ごろ!10月6日に最接近する「第2の地球」の住みごこちとは?

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画像提供:国立天文台

画像提供:国立天文台

中秋の名月を眺めていたら、そばで赤っぽい小さな星が輝いていた…。それはたぶん、およそ2年2ヵ月ぶりに地球に接近している「火星」です! 2020年10月6日には地球に最接近。都会でもすぐにみつけられて長期間楽しめる、すてきな星なのです。昔は「不吉の前兆」と怪しまれ、「タコのような火星人」が住んでいると噂され、現代では「第2の地球」として移住先の最有力候補に!? 太陽系のミステリアスな赤い星、火星の魅力にせまります。


夜空にあらわれると不吉の前兆!? 地球に似た風景をもつ赤い星

水・金・地・火・木…と太陽に近いほうから数えて4番目、地球のおとなりを回っているのが「火星」です。地球と同じく岩石でできた惑星で、地球の半分くらいの大きさです。赤っぽく見えるのは、表面の岩石や砂が酸化鉄(赤さび)を多く含んでいるからなのだそうです。

火星の軌道は楕円形。小さい星なので、地球から遠くに位置しているときは、夜空に紛れてあまり存在感がありません。ところが、2年に1度くらい地球に近づくと、夜空にあるどの星よりも大きく明るく、赤っぽく輝くのです。

不定期に出現する赤い星は、人々に「血の色」を連想させました。火星は昔から、戦争や災害など「不吉の前兆」として恐れられてきたのですね。

火星の呼び名「マルス(マーズ)」は、ローマ神話の軍神から名付けられたもの。男性のシンボルとして使われている「円に斜め上向きの矢印がついた記号」は、もともと火星の惑星記号で「マルスの盾と槍」を象徴した図案といわれています。日本では西南戦争があった明治10年、大接近した火星が夜な夜な真っ赤に輝くのを見て、人々は「西郷どんが星になった…」と噂しあったという記録も。火星は、赤く熱い血が流れる男性の姿を思わせる星だったのでしょうか。

表面がガスでできた星と違って、火星は岩石なので人が着陸できるそう。高い山や峡谷、平原もあり、なかなか変化に富んだ地形のようです。両極部分に見える白っぽいところは、水と二酸化炭素の氷でできた「極冠(きょくかん)」で、夏には小さく冬には大きくなるのです。火星は地球と同じく地軸が少し傾いていて季節があるのですね! また、かつて水が流れていた痕跡もみられるといい、大昔には今とは異なる景色が広がっていたのかもしれません。生物存在の可能性も!?

※火星ってどんな惑星なの?/国立天文台


第2の地球候補としても大注目♪ところで火星の住みごこちは?

火星と聞くと「タコのような異星人」が住んでいるイメージしか浮かばない、という人も多いようです。けれども近年火星は、地球人も住める「第2の地球」の最有力候補として注目されているらしいのです。だとしたら、その住みごこちも気になるところ…。

火星の1日の長さは、ほぼ地球と同じ(自転周期は24時間37分)。私たちの体内時計にピッタリですね。なのに1年は687日と倍くらいの長さになり、なかなか歳をとらない気分が味わえるかもしれません。重力は、地球の0.38倍。たとえば体重80kgの人なら、ダイエットもしないで30kgの軽々ボディをゲット(体型は変わりませんが…)。跳んだり投げたりのスポーツ競技もラクラク! また病気も、種類によっては地球以上の治療効果が期待されるのだそうです。

とはいえ、移住するにはいくつかの壁も。火星の大気はとても薄く、ほとんど二酸化炭素なので呼吸は困難に。平均気温はマイナス63度、そのうえ1日の気温差が100度くらいあります。さらに、激しい砂嵐がしばしば発生! 生身で暮らすには、かなり過酷そうですね…。

火星は、地球より太陽からの距離が遠いぶん冷たい環境になっているようです。そのため、極冠の氷を溶かして温室効果で気温を上げたり、藻類を利用して酸素をもたらすなど、現在もさまざまな「惑星地球化計画(テラフォーミング)」の研究が続けられています。

何年か前、海外の民間プロジェクトが「火星移住者候補」を募集したというニュースも話題になりました。火星に着いたらもう帰れないという条件(!)にもかかわらず、なんと予想を大きく上回る多数の応募があったといいます。片道キップでもいいから火星で暮らしてみたいとは、人類のフロンティア・スピリット恐るべし、ですね。

遠い未来には、地球をルーツにもつ火星人が誕生しているかもしれません。ひょっとしたら、頭部がさらに発達して手足が細長くなった「タコ型ボディ」に進化した人類になっていたりして。

それにしても、知れば知るほど地球という星はなんと、人間に優しく奇跡的に配置されているのでしょう。

※惑星地球化計画(テラフォーミング)とは?/JAXA 宇宙情報センター


10月6日に最接近!街中でも見つけやすく、長期間楽しめます

火星は、およそ2年2ヵ月ごとに地球に接近します。見える大きさはその時々で変わりますが、15年くらいに一度、とくに近づいて大きく輝く年があります。2018年がそれにあたり、観察された方もきっといらっしゃることでしょう。じつは今年2020年の秋も、それに劣らないくらいよく輝くのだそうです! ちなみに次の大接近は、2035年の9月になります。

今シーズンの火星がもっとも地球に近づくのは、10月6日。天体望遠鏡で表面の模様を見て楽しむにもチャンスです。夜空の暗いところにひときわ輝く赤い星は、街中やベランダからでも容易に見つけることができそうですね。火星は、2021年1月上旬ごろまでの長期間にわたり明るく輝きます。いつか自分の子孫があそこに暮らすようになったら…などと想像しながら、移動してゆく赤い光を愛でてみてはいかがでしょうか。

※火星を見つけよう♪ これからの動きは?/アストロアーツ



<参考サイト・文献>

国立天文台

JAXA 宇宙情報センター

アストロアーツ

『火星の科学 -Guide to Mars-』藤井 旭・荒舩良孝(誠文堂新光社)

『ネイチャーガイド・シリーズ 恒星と惑星』アンドリュー・K・ジョンストン監修(化学同人)


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