「異国の料理」と聞いて、思いつくのはどんなものでしょう?その料理は、実際に食べたことがありますか?あるという場合には、食べた時の思い出や、エピソード、もしかしたら、香りや味に連なって忘れていた小さな事柄なども一緒に出てきたり、というような経験はありませんか?食べてみたことはなくても、ガイドブックや雑誌など、様々な情報を手に入れられる現代。食べてみたいと思う料理ももちろんありますよね。

海外を旅したような気分になれる、そんな料理をお家で味わって欲しいと思い、色々な国の料理レシピを数回に分けてご紹介します。お家で作るには『ちょっと敷居が高そう』と躊躇してしまうかもしれませんが、実際にやってみると難しくはないかと思います。ぜひ、作ってみて、香りから、雰囲気まで楽しんでみて欲しいと思います。

今回はタイの『ガパオ』に挑戦です。それでは出発〜!

到着地:タイ

正式名称はタイ王国です。日本からは飛行機で6〜7時間、西にあります。時差は2時間です。人口は6,900万人強で、その多くが仏教徒ですが、イスラム教徒もいます。タイ王国としては、13世紀から王朝が始まり、現在では立憲君主制国家です。国土は日本のおよそ1.4倍の広さを持っていて、メコン川流域随一の経済の中心地として発展しています。旅行先としてのタイは、『微笑みの国、タイ』と呼ばれることもあるほどで、穏やかな人が多く、また耳に入ってくるタイ語も柔らかな音を多く含み、ゆったりとした時間を過ごす目的地としておすすめです。摩天楼や雑多な街の喧騒も楽しめる、交通拠点となる首都バンコク。古都の雰囲気が色濃く残り、山岳少数民族の要所として発展してきたチェンマイ。豊かな緑と青い海も楽しめる、リゾートとして古くから発展してきたプーケット島。映画の撮影地として広く知られることになった離島のリゾート、ピピ島やサムイ島。仏教遺跡と美しい街並みでタイムスリップした気分を味わえるアユタヤ。年末などの長期休暇時期には「夏を感じるリゾート」として、世界中から旅行者がやってくるパタヤ。タイ国内は電車やバスなどの交通網も発達していて、移動に不便を感じることは少ないと思います。タクシーも多く、三輪バイクのタクシー「トゥクトゥク」やバイクタクシー、小型トラックのタクシー「ソンテウ」などもあり、移動も楽しむことができます。川や海のある地域ではボートがメインの移動手段になることも。バスのように定期的に運行していますし、陸で移動するより早い場合も多くあります。旅行者の多いエリアでは日本人スタッフがいたり、日本語が通じる場合も多く、旅先での困りごとも解決しやすい環境が整っていることがほとんどです。

ちょっと覗いてみよう

熱帯気候に属するタイは、果物の種類も豊富です。街の中、至る所にジューススタンドがあり、好みに合わせて注文し、その場でフレッシュジュースを作ってくれたりします。フードコートや屋台も一般的で、手押し車や荷台付きバイクなどによる行商販売も多くあります。タイの人もこれらを利用していて、外食で済ませることが当たり前だという人が多くいます。また、あちらこちらのお店でおかずなどを買って帰り、お皿に移して食べることも日常的。朝ごはん専門の屋台があったり、ひとつの料理を専門に売っているお店も多く、曜日や時間帯などが決まっていたりすることもあります。

タイ料理は、世界三大スープのひとつと言われている「トムヤムクン」であったり、グリーンカレーや、パッタイという焼きそばなど、今ではすっかりお馴染みの料理が多いのではないでしょうか。日本の輸入食材店やスーパーでも、ナンプラーやスイートチリソース 、パクチーや料理の素などが種類豊富に並んでいて、手軽に購入できる様になりました。全体的に辛いと感じる料理が多いですが、タイの人は甘いものも大好きで、スイーツの様なご飯もあります。ちなみに、タイ料理のお店で食べたことがある人は知っているかもしれませんが、テーブルに、4つの調味料が置いてあることがほとんどです。このセットの名前は「クルワンプルン」と言います。砂糖・ナンプラー・「プリック ポン」(乾燥した唐辛子が細かく粉砕されたもの)・「プリック ナムソム」(唐辛子を漬け込んだ酢)の4種類です。出てきた料理に、自分好みで味付けをするのがタイ風。日本のシンプルな料理でも合いますし、使うと一気にタイ風になるので、薬味や他のタレなどと一緒に食卓に出してみる、という様なことから取り入れてみても良いのではないでしょうか。

首都バンコク市内の様子。
首都バンコク市内の様子。

作ってみよう!屋台でも定番の、白ごはんに合う『ガパオ』

<材料>およそ2人前

鶏もも肉 1.5枚〜2枚

玉ねぎ 1/2個

パプリカ 1/4個

ピーマン 1/2個

にんにく 1片

ホーリーバジル*1 10枚

赤唐辛子*2 2本

バイマックルー*3 2枚

サラダ油 大さじ2

ナンプラー 大さじ2

オイスターソース 大さじ2

砂糖 大さじ1と1/2

鶏がらスープ 大さじ4

塩・胡椒 少々

卵 2個

白ごはん 2人分

*1 ホーリーバジルはなかなか手に入りにくいので、スイートバジルでも代用可能です。

*2 辛いものが苦手な人は種を除いたり、もしくは、切らずにそのまま油で熱した(作り方3.)後、取り出しましょう。辛いものが好きな人は生のものを使用したり、青唐辛子を加えても。

*3 バイマックルーはコブミカンの葉のことです。輸入食材を扱っているところで手に入ります。独特の風味がありますので、ホーリーバジルが手に入らなかった場合には、ぜひ入れて欲しい材料です。

<作り方>

1. にんにくはみじん切り、赤唐辛子は小口切りにします。玉ねぎは縦半分に切り、繊維に垂直に半分に切った後、5mm程度の幅に切ります。パプリカとピーマンはヘタと種を除いて7mm程度の角切りにします。

2. 鶏肉は1cm程度の角切りにし、塩・胡椒を軽く振って混ぜ合わせておきます。

3. フライパンにサラダ油を薄く引き、弱火でにんにくと赤唐辛子を炒めます。

4. 香りが立ってきたら、鶏肉を加えて、中火で炒めます。

5. 鶏肉の表面が全体に白くなったら、大さじ2ほどの油を残して、余分な油は捨てます。

6. ナンプラー、オイスターソース、砂糖を加えて、全体を混ぜたら、玉ねぎを加えてさらに炒めていきます。

7. 玉ねぎが白っぽくなってきたら、鶏がらスープを加えます。

8. 別のフライパンを用意し、分量外の少し多めの油で目玉焼きを強火で作ります。縁がカリッとする様に、黄身は半熟に焼くのがコツです。

9. 7.のフライパンにパプリカとピーマンを加えます。さらにホーリーバジルとバイマックルーを手でちぎりながら加えます。全体をサッと炒め合わせたら、火を止めます。

10. 器に白米をよそい、9.を盛り付け、目玉焼きをのせたら出来上がりです♪

参考

地球の歩き方:タイ

外務省:タイ基礎データ

今日は屋台やフードコートの気分でいかがでしょう?
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