厳しい残暑が続いていますが、二十四節気では「処暑」暑さが収まる時期です 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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厳しい残暑が続いていますが、二十四節気では「処暑」暑さが収まる時期です

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綿の実が弾けて現れた綿花

綿の実が弾けて現れた綿花

8月も終わりに近づいてきました。『暦便覧』では「処暑」を「陽気とどまりて、初めて退きやまんとすればなり」と暑さが収まりはじめると解説しています。現実の激しい暑さとの戦いのなか、そろそろ収まって欲しいなあ、という願いも込められているのでしょうか。強い日射しの中、蝉の鳴き声に変化を感じることはありませんか? 朝夕にふと夏の盛りも過ぎてきたかな、と感じることはありますか? 少しずつ季節は変化していきます。夏の終わりを知らせる「処暑」とはどんな時季なのでしょう?


初候は「綿柎開(わたのはなしべひらく)」綿の実が弾けて綿花がのぞきます

夏はやっぱり綿100パーセントが快適! 賛成です。Tシャツやシャツ、ブラウス、パンツにワンピース、そういえば浴衣を着て楽しんだ方もいるでしょう。夏はシャキッと張りがあり汗を吸ってくれるコットン素材の衣服が大活躍します。その原料となる綿はどんなふうにできるのかご存じでしたか?

花の後にできた実が熟するとポンと割れて、ふわふわの白い綿がぽっこりと弾けるように見えてきます。これは「綿花」とよばれ私たちが日常に使う綿製品の元となります。もふもふとした柔らかい綿は飛んでいってしまいそうに見えますが、奥にある種にしっかりと繋がって摘まれる時を待っています。

摘んだ「綿」は綿繰り車にかけて「綿」と「種」に分けられます。選り分けた綿をさらに綿打弓で弾いて不純物を取り除きます。このようにして取り出した綿の繊維は、織られて生地に仕立てられますが、綿のままでも使われます。冬は衣服の表布と裏布の間に入れて着ると、身体を温めてくれる「綿入れ」となり重宝してきました。夏に限らず1年を通して活躍する「綿」が私たちの前に作物として姿を見せてくれるのが「処暑」のころなのです。


次候は「天地始粛(てんちはじめてさむし)」厳粛に「さむし」と明言していますが…

この次候に「処暑」の意味が表されているようです。「粛」は「自粛」という言葉でお馴染みになりましたが、いましめる、静まる、引きしまる、また寒さのために縮む、という意味も持っています。この「粛」の字に夏の熱気から秋の穏やかな気配へと移っていく空と大地の空気の変化を込めているようです。

今年は秋の気配を感じるにはまだ時間がかかりそうですが、日々の暮らしの中で気づくささやかな兆しはないか、ちょっとしたすき間時間に耳を澄ませてみてはいかがでしょうか。昔の人は秋を音から感じていたようです。

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」

古今和歌集に納められた藤原敏行朝臣の歌が知られています。そう言われてみれば、急ぎ足で歩いている時でもフッと今日の風はちょっと違うかな? と感じることもありますね。夜など虫の音を耳にしたとき、昼間はまだまだ暑くても、どこかに秋が近づいてきたかな、としみじみ思ったりもしてしまいます。


末候は「禾乃登(こくものすなわちみのる)」さあ、稲の実りを宣言します

「処暑」の末候は9月になります。残暑の厳しさは続くと思いますが、暑さの中に手を掛けてきた稲に実が入り「穂波」となって風になびく様子は、秋の豊かさを明かす景色として嬉しいものです。真っ直ぐに生え揃っている穂は実の充実とともに次第に下へとさがっていきます。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の教訓が思い浮かびます。実るとは努力の積み重ねの上になるもの。お米もまさしく農家の方々が1年に渡って手塩に掛けたその実りです。

ここで気になるのは台風の襲来です。台風を警戒する目安としているのが「二百十日」や「二百二十日」です。立春から数えて210日目と220日目で、今年は8月31日と9月10日となります。春から始まった農作業の集大成の収穫はもうすぐ。黄金の稲穂が揺れる中での刈り取りとなる豊かな年となることを祈りたいものです。


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