今年の連休は、おうちの中で過ごす時間を楽しみたいですね。自宅での気分転換にもってこいなのが「香り」。植物から抽出した天然のアロマオイルを、ぜひ生活に取り入れてみましょう。

今回は、穏やかに癒しながら活力も与えてくれる柑橘系の香りをピックアップしてご紹介します。

一瞬で心身をシフトチェンジする香りの力

香りの刺激が脳へ伝わる時間は、0.2秒以下といわれています。また、香りの情報が伝えられる脳の部位と、快・不快を感じる部位がとても近いため、香りによって人の気分が左右されることもわかっています。

暮らしのなかで出会う香りは、気付かないうちに体の生理的な反応や心に影響を与えています。ふと漂ってきた香りで唾液が分泌される、昔の記憶がよみがえる、イライラした気持ちを忘れるといった経験はありませんか。香りは一瞬で心身をシフトする力をもっているのです。

今手元に置きたいのは、柑橘系の香り!

おこもり生活が続くと、気分が落ち込んだり、前向きになれない日もありますね。そんな時に選びたいのが、爽やかな柑橘系のアロマオイル。同じ柑橘系でも種類の違いや、抽出される部分が花、葉、果実なのかによって、ビターな香り、甘い香り、穏やかな香りと個性はさまざま。好みの香りをみつけて、暮らしのなかで活用したいですね。

柑橘系のアロマオイルには、気持ち穏やかに鎮めるリモネン、リラックスを促す酢酸リナリル、不安を和らげ気分を高揚させてくれるリナロールといった成分が多く含まれています。香りの好みに加えて、含まれる成分をチェックして、その時にぴったりのアロマオイルを選んでみましょう。

その日の気分に合わせて選びたい、アロマオイル3選

◆ほっとくつろいで眠りたい夜に「スイートオレンジ」

オレンジの果実そのままの甘い香り。果皮から抽出され、リモネンがとても多く含まれています。ぬるめのお湯にスイートオレンジのオイルを2、3滴入れて、ゆっくりとバスタイムを過ごしてみましょう。

眠る前に、お部屋を香りで満たすのも安眠への導入になります。ボウルに80度くらいのお湯を入れ、精油を数滴落として香りを拡散させます。スイートオレンジ3滴とフランキンセンスやサンダルウッドなどお香のような香りのアロマオイル2滴で、お部屋を安らぎの空間に。

◆深い休息が必要な時は「プチグレン」

ビターオレンジの木の枝葉から抽出され、ハーブのすっきりした香りと花のような香りがミックスされた個性的な香り。酢酸リナリルとリナロールが多く含まれ、ゆっくりリラックスしたい時におすすめです。

気持ちが休まらない時、ストレスを感じた時には、ティッシュペーパーやハンカチに1、2滴落として香りを手軽に楽しみましょう。同じく酢酸リナリルとリナロールが多く含まれるラベンダーを合わせると、より香り高く相乗効果も期待できます。

◆リラックスしながらやる気もアップする「ベルガモット」

甘さの少ない爽やかな香り。男性にも好まれる辛口な印象が特徴。アロマオイルが抽出される果皮は、アールグレイティーの香り付けにも使われています。リモネン、酢酸リナリル、リナロールがバランスよく含まれ、穏やかにリラックスに導きながら、気持ちを高め前向きにしてくれる頼もしいアロマオイルです。

閉塞感や孤独を感じるような時は、ベルガモットをディフューザーで焚いてみましょう。多幸感をもたらすローズもプラスすると、至福の香りがお部屋を満たしてくれます。リモートワークで疲れた時にもおすすめです。

他にも、柑橘系のアロマオイルには、天然の精神安定剤と呼ばれ高価なことでも知られる「ネロリ」、甘くやさしい香りで癒される「マンダリン」、リフレッシュしたい時や風邪気味の時にも気軽に使いたい「レモン」、満ち足りた感覚をもたらすといわれる「グレープフルーツ」などがあります。

お気に入りのアロマオイルをメインに数種類ブレンドすると、香りも奥深くなり相乗効果も期待できます。穏やかにリラックスを促し、気持ちを高めてくれる柑橘系のアロマオイルを、日々の生活に役立ててみませんか。

※柑橘系のアロマオイルには光毒性があるといわれています。皮膚に直接付けないように、塗布した場合は5〜6時間は日光に当たらないようにしましょう

※プチグレンは、車の運転や集中したい時の使用は避けましょう

参考文献

和田文緒 『アロマセラピーの教科書』 新星出版社