10月も今日で終わり。空気もひんやり、ようやく秋本番を迎えたようです。そして本日10月31日は、昨今大きな盛り上がりを見せているハロウィン。もうすっかり日本の定番イベントになりましたね。筆者の青春時代には、今のハロウィンの定着ぶりは想像できませんでした。ハロウィンといえば、ハリウッド映画の中で観るだけ、まさかこんなに日本に根づくことになろうとは!80年代に青春時代を過ごした筆者同様、ハロウィンを知ったのは映画という方、意外と多いと思います。今回は、映画とハロウィンについて考えてみました。

ハロウィンの飾り付けもすっかり街に馴染むようになりましたね
ハロウィンの飾り付けもすっかり街に馴染むようになりましたね

ハロウィンの洗礼は「E.T.」でした

1982年の大ヒット映画、スティーブン・スピルバーグ監督作品「E.T.」。アメリカの郊外に暮らすエリオット少年と、宇宙からやってきて迷子になってしまったE.T.との交流を描いた作品です。
まだティーンエイジャーだった筆者はもちろん映画館へ。映画の後半、エリオット少年は大人たちに見つからないよう、ハロウィンパレードに紛れて、E.T.を森の中の秘密の交信基地へと連れて行きます。筆者はそのシーンを見て、初めてハロウィンの存在を知りました。
映画の中で描かれたハロウィンはとても刺激的。家族総出で仮装パレードの準備をするシーンは楽しそうで、大人のお母さんもちょっとセクシーなキャットウーマン風に。子供も大人も思い思いのキャラクターに扮し街をねり歩く様は、日本の祭りとはまた違い、アメリカにはなんて楽しそうな風習があるのだろう、と強く印象に残りました。
「E.T.」の中には他にも、まだ日本に馴染みのない様々な文化が描かれていました。その後日本でも大流行した、自転車・BMXやデリバリーのピザ、ハーシーのチョコレート...etc.
映画のストーリーにも引き込まれましたが、郊外の、日本では考えられない大きな家に暮らす同年代の子供たちのライフスタイルにカルチャーショックを受け、ますますアメリカに憧れを抱いたのを覚えています。
あれから、37年...今やハロウィンはなくてはならない日本の秋の一大イベントに。ついこの間までは映画やテレビ、小説の中だけのものだったハロウィンが、徐々に人々の心の中に存在するようになり、やがて身近なものとなり、さらに子供たちだけでなく大人も仮装をして楽しむようになったことに、ある種の感慨を覚えます。

今年は、「ジョーカー」の仮装が増えたのでは?

「E.T.」でもそうでしたが、ハロウィンの仮装はおばけや魔女、ゾンビなどホラーのキャラクターが多いですね。ご存知の方も多いと思いますが、ハロウィンの起源は古代ケルト人の、秋の収穫と悪魔払いを同時に行う祭りとして始まったものと言われています。またケルト人はこの収穫の時期に亡くなった先祖たちが帰ってくると考えていたそう。しかし、この時期に帰ってくるのは良い霊だけではなく悪霊も一緒に帰ってくると考えられていました。
このような起源からハロウィンにはお化けや魔女などホラーなイメージがついたと言われているそうです。
この起源…何かを思い出しませんか?そう、日本のお盆と似ていますね。ハロウィンが日本に根づいた理由が、なんとなくわかった気がします。
現在、公開中の、ホアキン・フェニックス主演の「ジョーカー」。現代の閉塞的な格差社会、暗いニュースばかりの世の中で苦悩する主人公のキャラクターが共感を呼び、世界中で大ヒットしている問題作です。主演のホアキン・フェニックスは23歳という若さで亡くなったリヴァー・フェニックスの実弟。複雑な家庭環境で育ち、若くして兄を失い、彼自身も多くの問題を抱え、時には破天荒な行動でお騒がせセレブと呼ばれるなど、主人公のジョーカーと重なる部分もあり、話題を呼んでいます。ジョーカーのメイクは暗くておどろおどろしくハロウィンの仮装にピッタリ(?)。元々、人気キャラクターのジョーカーの仮装をする人は多かったと思いますが、映画の大ヒットで今年はハロウィンの主役に躍り出るのではないでしょうか。
起源はどうあれ、ハロウィンやクリスマスに、家の中を飾り付けするだけで日常から離れ楽しい気分になれるもの。だんだんと寒くなるこの季節、ハロウィンやクリスマスなど楽しいイベントで、少しでもホットに過ごしたいですね!

ジョーカー風メイク
ジョーカー風メイク