青空に入道雲がわきあがり、セミの鳴き声が街にこだましています。そんな中、気温が上昇しても、どんなに汗をかいても、スタミナのある食事をガンガン摂れる人がいる一方、食欲が落ちて何を食べてよいか悩んでしまっている人もいます。
暑さが原因で胃腸の調子が優れない人は無理に食べようとせず、目先を変えて果物を手に取ってみませんか。夏はスイカ、ぶどう、ブルーベリー、パイナップル、プルーン、マンゴー、パパイヤなど旬を迎える果物が豊富な季節! 今回は、夏の果物の素晴らしさと、上手な摂取法をご紹介します。

30度以上の気温、照りつける陽光、歩道や道路などの足下から立ち上る熱気……。少し屋外を歩くだけで汗が首元や胸元をつたいますが、気温が高い環境下にいると、私たちの体は体内に溜まった熱を放出するため、顔、頭、首から汗を放出します。それだけでなく、太もも、脇など目には見えにくい部分の汗腺からも常に汗は放出されていて、皮膚上で蒸発して体熱を調整してくれています。
汗をかくぶん、こまめに水分を摂らないと命にかかわる熱中症になってしまうので、多くの人が水分補給に努めていますが、必要以上の水分を摂り過ぎると、逆にむくみやすくなってしまうこともありますね。
でも、水分を摂りすぎているか、不足しているかの判断って自分ではわかりにくもの。とはいえ、この時季はむくみを心配するより、熱中症にならないよう多めの水分補給に努めることが大切です。
でも実は、水分補給ができるうえに、むくみにくくする方法があるのです。
それは、果物を食べること!
夏の果物には、体内に溜まった余分な水分を排出してくれる栄養素や、暑さによる疲労を改善する効果がある成分が多く含まれていますし、旬の果物だけあり、価格的にもお手頃なので手に入れやすい点も大きな魅力ですね。

夏の果物・スイカ

おいしいだけでなく、体調管理の面から優れている点が多い夏の果物。
寝苦しい夜を過ごし、睡眠不足によって生じた顔のはれ、水分の摂り過ぎからくる手足のむくみ、夏バテによる胃腸機能の低下、食欲減退……。こんな症状に心当たりがある人は、早速果物を食べてみましょう!
スイカ
夏といえば、そうスイカ!ですね。でも、一玉を購入して持ち帰るにはちょっと重いですし、冷蔵庫の中がスイカでいっぱいになってしまうことも。
そうした理由でスイカを敬遠している人は、カットスイカや小玉タイプのスイカを冷蔵庫にストックしておいて、食後やおやつがわりに食べましょう。一人暮らしであまり果物を食べない人も、水分補給を兼ねて、ぜひ冷蔵庫にスイカを常備してみては。
スイカの主な栄養素
・ カリウム
・ βカロティン
・ リコピン などが多く含まれています。
スイカに多く含まれるカリウムには利尿作用があり、摂りすぎてしまった水分の排出を促してくれる効果が期待できます。また、スイカは疲労回復、免疫力アップといった面でも効果が期待できる果物として知られます。
ただし、キンキンに冷やしたスイカを大量に食べ過ぎないようにしましょう。体を冷やすとおなかが下りやすくなるので、過ぎたるは及ばざるがごとし。一度の食べ過ぎにはくれぐれもご注意ください。

夏の風物詩・スイカ割り。みんなで分け合うと、おいしさも倍増しますね
夏の風物詩・スイカ割り。みんなで分け合うと、おいしさも倍増しますね

夏の果物・ぶどう

ぶどうには驚くほどのたくさんの種類がありますし、色も緑、赤、濃い紫と豊富です。最近は、皮や種を口から出すことなく、一粒を丸ごと食べられるタネのないぶどうも人気があります。
ぶどうの主な栄養
・ ブドウ糖
・ ポリフェノール
・ ビタミン などが含まれています。
ぶどうに含まれる栄養素はエネルギーに変換されやすいものが多いので、ぶどうは疲労回復を促進する果物としても知られます。さらに、実を覆う皮にポリフェノールが多く含まれている点から、皮をむかずに食べる方法がおすすめです。最近は皮ごと食べられて、しかも種を口から出す必要がないぶどうも多く出まわっています。これならぶどうに含まれる栄養を余すことなく摂取できますね。

ぶどうは大きく画像のような3つのカラーに色分けできます
ぶどうは大きく画像のような3つのカラーに色分けできます

夏の果物・ブルーベリー

ブルーベリー
最近は、アントシアニンの成分が眼の健康によい……とブルーベリーに注目が集まっていますが(効果・効能については諸説あります)、そうした効果に限らずブルーベリーには高い抗酸化作用があり、脳の病気の予防、記憶力向上などに効果が期待できる果物として知られます。
ブルーベリーの主な栄養
・ ポリフェノール(アントシアニン)
・ ビタミンE
・ 食物繊維 などが含まれています。
実が小さく、丸ごと食べられるブルーベリーは、皮を含まれる栄養をそのままデザートとして摂り入れられる点が魅力です。ブルーベリーの実をぶどうのように粒ごと食べるほか、ヨーグルトにトッピングしたり、アイスクリームに添えたり、食パンに塗ったり、ジュースにしたり……と、アレンジをあれこれ工夫して毎日少量ずつでも食べたい果物といえます。

アレンジ方法がたくさんあるブルーベリー
アレンジ方法がたくさんあるブルーベリー

夏の果物は、乳幼児や高齢者にもおすすめ!

スイカ、ぶどう、ブルーベリー以外にも、夏にはたくさんの果物がスーパーの店頭を彩りますが、夏の果物の特徴は、なんといっても水分を多く含んでいる点にあります。
この特徴はとても理にかなっていて、汗をかきやすい夏だけに、果物を食べることで手軽に水分補給ができるからです。
特に幼児の場合は、遊びに夢中になるあまり、適切な水分補給がてきないこともありますよね。そんなときは水分補給と栄養補給を兼ねて、夏の果物を小さくカットしたり、ジュースにすると進んで食べてくれるはず!
また、知らず知らずのうちに体温が上昇していることに気づきにくい高齢者の場合も、水分補給と平行して、朝・昼・3時・夜のタイミングで果物を食べるようにすると、より安心ですね。
── ただし、果物は冷やして食べるとおいしさが倍増しますが、冷房のききすぎた室内に長時間いることが多い人や、冷たいものを多く摂り過ぎたことで起こる「手足のむくみ」「慢性的な疲れ」「おなかの冷え」を感じている人は、適度な量を一日に何度かのタイミングに分けて食べるようにしましょう。年齢を問わず、一度の食べ過ぎにはくれぐれもご注意くださいね。

びっしょり汗をかいたら、果物で水分補給!
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おなかが冷えると体調を崩しやすいので、気をつけましょう
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