冷房のきいた銀行のソファに座っているときや、病院で会計待ちをしているとき、窓口に立っている人の後ろ姿に何気なく視線を向けたら、サンダル履きのその人のかかとが真っ白でガサガサ……ってことありますよね。
あるいは、入浴後に何気なく自分のかかとを見たら、皮膚が白くてガサガサ、カチカチに硬い……なんてことも。ひどくなると皮膚が割れて、痛さのあまり歩行が困難になることもありますが、そんな症状を確認したらすぐにかかとケアを!
かかとの荒れはすぐには改善しにくいのですが、放置していると皮膚荒れだけでなく、臭いが発生したり水虫になることもあるので、裸足になる今こそ、さっそくケアにとりかかってみませんか!

かかとが白く、硬くなる理由

私たちの体重を支えている足は立ったり、座ったり、歩いたり……と、常に地面や床の刺激を常に受けています。また、靴を履いていることでも足裏には強い刺激が加わっています。
こうした刺激によって、体は角質を厚くすることで肌を守ろうとする機能が働きます。なかでも冬の場合は、そうした状態に乾燥が加わることで、ひび割れたり、痛みを伴うひどい状態になることがあります。
かかとが硬くなる、かかとの皮膚荒れが悪化する原因
原因1・履いている靴のサイズが合わない
靴の中で足が滑る、あるいは圧迫されることが強い刺激となり、角質が硬化してしまいます。
原因2・過剰な「かかとケア」
かかとの角質が気になるあまり、頻繁にかかとケアをすることで、その刺激から皮膚を守ろうとして、かえってかかとが硬くなる逆作用もあります。
原因3・強い力で行う「かかとケア」
白くなったガサガサ部分を一気に削ってしまおうという思いが強いと、一度のケアでかかとの荒れた部分をゴシゴシ力を入れてすべて排除したくなるもの。
でもこの方法は逆効果で、体は強い刺激から皮膚を守ろうとして、かえって硬くなることがあります。

スクラブを使う「かかとケア」

自分のかかとの状態や皮膚の荒れ具合によって、かかとのケア方法を変える必要があるので、どの方法が最も最適か症状に合わせて選択しましょう。
まずは、かかとケアの中からスクラブを使う方法をご紹介しましょう。
【かかとケア/スクラブを使う】
かかとケアの中でも、スクラブは比較的カンタンな方法です。少しずつ角質を剥がしていく効果があるため、かかとケアに慣れない人におすすめです。
【スクラブを使う場合の手順】
手順1/湯船につかったとき、かかと部分をお湯につけて皮膚を軟らかくする
手順2/軟らかくなったかかとを優しくマッサージするようにスクラブでこする
このとき、ゴシゴシ力を入れるのはNG。かかとの皮膚を傷めてしまうので優しくマッサージする力加減で
手順4/入浴後はかかと全体をクリームなどで保湿する
手順5/その後は素足のままにせず、靴下を履いて、削った部分を刺激から守る

ヤスリで削る「かかとケア」

【かかとケア/角質除去用ヤスリを使う】
白化した部分や硬化した部分を、かかと専用の角質除去用ヤスリで削る方法です。
【ヤスリで削る場合の手順】
手順1/蒸しタオルなどでかかとをしばらく包む、あるいはお湯に5分〜10分かかとをつけて温める。このとき、ふやけるほど温めないようにしましょう
手順2/角質除去用のヤスリで、優しい力加減で“一方向”に削っていく。このとき同じところを何度も往復しないこと。また、ゴシゴシ強い力を入れると、かかとの皮膚を逆に傷めてしまうので、優しい力加減でヤスリを使いましょう
手順3/削り終わったら、削りカスを水できれいに流して、足の水分をしっかり拭き取る
手順4/かかと全体をクリームなどで保湿する
手順5/その後は素足のままにせず、靴下を履いて、削った部分を刺激から守る

ピーリング剤を使う「かかとケア」

【かかとケア/ピーリング剤を使う】
ジェル状やパック状態などさまざまピーリング剤が市販されていますが、店頭に行った際、自分のかかとの状態に合った商品を選択しましょう。
【ピーリング剤を使う場合の手順】
手順1/商品ごとに手順や使用方法が異なるので、店頭での購入時、商品のパッケージに表記された手順はもちろん、使用時の刺激や違和感の確認を。特に肌が弱い人は、使用時の注意書きをしっかり確認してから購入してください
手順2/その製品に書かれた使用時間を守る
決められた時間を超過すると角質が必要以上に削れてしまい、逆に皮膚を傷めてしまうことに
手順3/ケア終了後、クリームなどで保湿する
手順5/その後は素足のままにせず、靴下を履いて、削った部分を刺激から守る

足の指だけでなく、かかとに発生する水虫も!

皮膚が真っ白になる……。皮膚が硬化する……。皮膚がガサガサ荒れる……。
こうした症状は歩くときのクセや、歩行時の体重の重心のかかり方によって、かかとの後ろ側や側面など荒れる部分は異なります。
また、裸足で室内を歩いていると、ガサガサした皮膚が擦(こす)れてフローリングの上に散らばったり、絨毯の毛の隙間に皮脂がたまってしまうことにもなります。
さらに、かかとの荒れを放置しておくと臭いが発生したり、水虫菌が棲みついたり……と、“荒れ”にとどまらない皮膚トラブルに発生することも。
硬い皮膚で覆われた足裏には皮脂腺がないため、他の肌に比べて油分が不足して乾燥しがちです。そのため空気が乾燥している冬に素足で過ごし、乾燥状態のまま放置していると、足の皮膚の乾燥は加速して、全体的にカサカサ、またはガサガサ状態になってしまいます。
特に、冬のケアを怠ったまま夏を迎えとしまい、かかとが荒れが長期化している人の場合、裸足になって足を空気にさらすこの時季ほど、美容の観点からも健康の観点からも、がかかケアに取り組むチャンスといえます。

というのも、かかとの荒れが長期化している人ほど、汗で蒸れた厚い角質は雑菌の格好のエサ場になるからです。もし、革靴やスニーカーを履いているとき、靴下からいやな臭いを発しているのであれば、かかとの角質に雑菌が発生している可能性もありますし、そのほかにも、気づかぬうちに水虫になっていることも!
水虫は足の指部分に発生するものと誤解している人も多いのですが、実は角質に発生する「角質増殖型」という水虫もあります。
かかとに水虫が発生すると、硬い皮膚の深い部分に発生した水虫であることから薬が届きにくく、なかなか治らないというケースもありますので、そうしたことにならないよう、日々かかとをケアして、水虫を発生させない環境を作ることがとても重要なのです。
※かかとの水虫は独自の判断や処置では完治できないため、専門の病院に行薬を処方してもらい、医師から指示された薬の使用期間をきちんと守ってください。
── 汗をかくこの季節。ついついシャワーで入浴を済ませがちですが、暑さで疲労した体の老廃物を排除するためにも、硬化したかかとをお湯で温めてガサガサした部分を少しずつ削りとっていくためにも、入浴時は湯船につかって体全体をしっかり温めるようにしましょう。
水虫や臭いといった症状だけでなく、白くてガサガサしたかかとは、見た目にも不潔な印象を周囲に与えかねないので、注意したいものですね。