西川の快眠コンサルティングサービス”ねむりの相談所”が保有する睡眠データ、対応する日の熱中症救急搬送者数(総務省)および気象データ(気象庁)を組み合わせて統計解析を行ったところ、熱中症救急搬送者数に影響を与えうる要素として、日中のWBGT(アメリカで開発された暑熱環境での熱ストレスを評価する指標)、前夜の夜間平均気温のほかに、中途覚醒時間、睡眠効率などの前夜の睡眠が関係しうることが分かりました。

熱中症救急搬送者数と夜間睡眠の関係

熱中症救急搬送者数の多かった日の前夜は、中途覚醒時間が長く睡眠効率が低い傾向が明らかに
熱中症救急搬送者数の多い日の前夜、各睡眠の要素はどのような傾向を示すかを検討するために、中途覚醒時間は10分ごとに、睡眠効率は5%ごとに区分して翌日の熱中症救急搬送者数の平均値を求めると、熱中症救急搬送者数が多かった日の前夜は、中途覚醒時間は長く、睡眠効率は低くなる傾向がありました 。

夜間の平均気温と夜間睡眠の関係

夜間の平均気温が高いほど、前夜の中途覚醒時間が長くなり、睡眠効率が低くなる傾向を確認
各睡眠の要素と夜間平均気温との関係を検討するために、上記と同様に中途覚醒時間と睡眠効率を区分して夜間の平均温度の平均値を求めると、中途覚醒時間について、2時間以上のグループにおける夜間平均気温の平均値は約24℃、10分未満のグループの平均値は約22℃と約2℃の差があり、夜間の平均気温が上がるにつれて中途覚醒時間が長くなる傾向がありました。また、睡眠効率について、65%未満のグループの夜間平均気温の平均値は24.5℃、95%以上のグループでは21.5℃と3℃の差があり、夜間の平均気温が上がるにつれて睡眠効率は悪くなる傾向がありました。熱帯夜とは、夜間の最低気温が25℃を下回らない日を指していますが、熱帯夜にならない日においても、睡眠にとっては、過酷な状況である可能性が分かりました。