蒸し暑い夜もぐっすり眠るには?~水野先生インタビュー~ 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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蒸し暑い夜もぐっすり眠るには?~水野先生インタビュー~

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これからジメジメした梅雨や暑い夏の季節がやってきます。そんな時期は寝苦しく感じることが多いのではないでしょうか。今回は、東北福祉大学の水野一枝先生に夏の睡眠環境をよくする方法や気を付けたいことなどを教えてもらいました。

夏の寝苦しさと眠りのメカニズム

小畑:各地で梅雨空が広がり、湿度が高くてジメジメした日が続いています。さらにこれからの時季は熱帯夜となることが多く、夏は寝苦しく感じるイメージがあります。
水野先生:「暑さ」は子どもから高齢者まで年齢を問わず、睡眠を妨げる大きな要因となります。そして、ここに湿度が加わると、さらに寝苦しさを感じることになります。
小畑:やっぱりそうなんですね。なぜ、暑いと寝苦しく感じるのでしょうか。水野先生:ヒトの体は、しっかりと眠るために、体の深い部分の温度である深部体温を下げようとします。そのためにまず、体の表面から熱を放出しようと、体表面の温度を上げたり、汗をかいたりします。赤ちゃんが眠たくてぐずっているときも体が少し熱くなっていますよね。こうして体内の熱を外に出したいのですが、周りの気温が高いとうまく熱を放出できません。汗は、かいた後に蒸発することで熱を放出してくれるのですが、湿度が高いと汗をかいても蒸発しにくく、余計に熱を体から出すことができなくなります。その結果、深部体温を十分に下げられなくなってしまいます。
小畑:深部体温が十分に下がらないために、寝苦しく感じるということでしょうか?
水野先生:まだ続きがあります。深部体温を下げようとすることは体温調節機能の一つですが、この機能は、寝ているときよりも起きているときのほうがうまく働きます。そのため、寝ているときに体温調節がうまくできず、深部体温が十分に下げられない場合には、起きて体温調節機能を十分に働かせようとします。つまり、自分は寝ようとしているのに、体は逆に起きようとするため、これが寝苦しさにつながるわけです。 小畑:なるほど、寝ようとしているのに、起きようとするという矛盾で、寝苦しさを感じるわけなんですね。

睡眠環境を整える

小畑:では、暑い夏に寝苦しさを感じることなく、十分な睡眠をとるにはどうすれば良いでしょうか。
水野先生:暑い日は、しっかりとエアコンを使うことが大きなポイントです。快適に眠れる室温の上限は28℃というデータがあります。そのため、それよりも寝室の温度が高い場合は、エアコンを使ってください。28℃未満であっても、汗ばんでいるようであれば、使用したほうがいいと思います。
小畑:エアコンを使用することに抵抗を感じている人も多いかと思いますが、どのくらいの間、エアコンをつけておくのがいいのでしょうか。
水野先生:私としては、風が直接体にあたらないようにして、一晩中つけてほしいと思います。途中で起きてエアコンを入れることは効率が悪いですし、その時点で汗をかいていた場合、エアコンによって体温が下がりすぎてしまい、風邪をひくようなことにもなります。小畑:「一晩中」がいいんですね。しかし、「一晩中つけると体に悪いのでは?」という人もいそうな気がしますが・・・
水野先生:どうしても一晩中エアコンをつけておくことに抵抗がある場合は、睡眠時間の前半4時間程度はつけておくことをおすすめします。最初に深部体温をしっかり下げておくことで、睡眠時間の前半に深い眠りが十分にとれ、中途覚醒の回数も抑えられるためです。
(※中途覚醒:睡眠中に目が覚めてしまうこと)
小畑:そうなんですね。少なくとも前半はエアコンをつける、できれば一晩中つけておくことがポイントですね。逆に、日中にしておくと眠りやすくなる対策はありますか?
水野先生:そうですね、日中に日光などの高照度の光をできる限りしっかりと浴びておくことによって、夜、暗いところでメラトニンというホルモンが分泌され、眠気を感じるようになります。また、適度に暑さを感じることで、体温調節機能の低下を防ぐことにつながります。そのため、通勤通学やお買い物などの外出で適度な時間、暑さを感じることも大切です。

子どもや高齢者は特に注意!

小畑:ここまで、いろいろと教えていただきましたが、他にも注意したいことはありますか?
水野先生:まずは小さなお子さんですね。寝ている途中に服がめくれてしまったり、布団をはいでしまったりすることを心配して、重ね着させてしまうこともあるかと思いますが、下着を含めて3枚以下の着用でないと、暑くて寝苦しいというデータがあります。また、あまりに汗をかくようでしたら、エアコンの効いた部屋で寝かせてあげてください。
小畑:小さいうちから、エアコンの効いた部屋で寝かせても問題ないのでしょうか。
水野先生:確かに、2歳までに過ごす環境によって、汗腺の数や暑さへの耐性も決まるため、適度に暑さを感じさせる必要はあるのですが、それは昼間起きているときだけで十分で、夜はエアコンの効いた快適な環境で寝させてあげるのがいいと思います。
また、高齢者の方の場合は、暑さ・寒さを感じにくいうえに、体温調節機能も低下しているので、暑さへの対応が遅れ、熱中症も多くなります。さらに、エアコンを使いたがらない方や夏でも重ね着をする方が多く、そういった方は特に注意が必要です。室温などを計って、しっかりとエアコンを使うようにしてください。

睡眠指数も参考にしてください

小畑:tenki.jpでは、水野先生に監修いただいた『睡眠指数』を公開しています。この『睡眠指数』も寝苦しい夜の対策に役立てていただきたいのですが、一言お願いします。
水野先生:今夜は暑くなるのか?涼しくなるのか?冷房を使った方が良いのか?と迷われた時には、睡眠指数を活用して、快適な睡眠環境を整えてください。
小畑:貴重なお話ありがとうございました。夏の寝苦しさは誰もが感じている悩みなので、教えていただいたことを実践して、快適な睡眠を心がけたいと思います!


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