湿気が気になる季節がやってきました。さらに暑さから汗をかくことが増えるこの時季、頭皮や髪の臭いも気になりますね。男女を問わず、汗をかいた後に「なんとなく頭が臭いような感じがする」と気にする方も多いと思います。
毎日シャンプーしてしっかり洗っているのに、頭の臭いが気になる、頭皮がかゆい……などのトラブルは、普段の習慣を見直すことで防げる場合もあります。頭皮トラブルに思い当たる節がある人は、梅雨と夏の季節に気をつけたい生活習慣をみつめてみましょう。

湿気が頭皮に悪い理由って?

頭皮や髪が長時間湿気にさらされていると、それだけトラブルを起こしやすくなります。
まず頭皮ですが、長時間湿ったような状態にあると、汗、皮脂などを好む頭皮の細菌や雑菌が通常より多く繁殖してしまうことに。
もともと頭皮には、害のない多少の雑菌などが棲息していますが、湿気を多く含むことによって、体の安定的な体温と大気中の高湿度によって、細菌や雑菌が繁殖しやすい環境ができてしまいます。この細菌や雑菌が通常より多く繁殖することで、臭いの原因になったり、かゆみの原因になったりします。
髪に関しては、まず髪は濡れている時が非常に弱い状態であることを理解しましょう。汗をかく、濡れる、湿ることで、髪の保護機能をもつキューティクルが開きますが、そうしたときに髪をとかしたり縛ったりすると、キューティクルは傷ついてしまうことに……。
つまり、キューティクルがダメージを受けることによって次第に髪がバサバサしてきて、髪の内部も見た目も、ダメージヘアにつながってしまうのです。

髪は湿気だけでなく、ダメージによっても広がってしまいます
髪は湿気だけでなく、ダメージによっても広がってしまいます

頭皮と髪のトラブル回避方法・汗をかいたとき

○日中に汗をかいたとき
暑い日に汗をかくことは暑さ対策としてとても大事ですが、かいた汗を放っておくことは望ましくありません。でも、汗をかいた顔まわりや首などを拭くことがあっても、頭の中を拭いたりすることってなかなかないですよね。
外にいる時にドライヤーが使えないので完全に乾かすことは難しいですが、できるだけ湿った部分を乾かすようにすることが大切です。実は頭皮は、全身で最も皮脂腺が多い場所。臭いやかゆみが気になる人ほど、汗の中に含まれる皮脂がベタベタの原因になることもあるので、濡れたタオルやハンカチなどで、頭皮もしっかり押さえるようにして汗や皮脂をこまめに取るようにしましょう。
このとき、爪を立てたりしてゴシゴシ拭くのは禁物です。頭皮を傷つけることになってしまい、それが原因でかゆみが生じることもあります。同時に、髪も摩擦によってダメージを受けやすいので、入浴後のタオルドライ時にゴシゴシ拭かないようにしましょう。

頭皮と髪のトラブル回避方法・シャンプーのとき

○シャンプーのとき
汗をかく季節は、どうしてもシャンプーの回数が増えますよね。そのため、夏と冬のシャンプーが同じ人は、夏の季節の自分の頭皮状態に合ったシャンプー剤を選ぶことも大切です。
注意したいポイントは、洗浄力の強いシャンプー剤を使うと、皮脂を取り過ぎてしまい、かえって皮脂が過剰に出てベタベタする原因になったり、洗い過ぎの乾燥でかゆみが出たりする点です。
乾燥でかゆみが気になる人は、洗浄力の弱いアミノ酸系のシャンプーなどがオススメです。また、洗髪時に最初に髪と頭皮をお湯で濡らしますが、そのシャンプー前の準備を「予洗い」といいます。
実はこの準備がとても大切で、予洗いのときにお湯でしっかり頭皮を洗い流すことで、使用するシャンプー剤の量を減らすこともできますし、洗い過ぎも防ぐことができるので、シャンプーを新しいものに買い換える前に「予洗い」の習慣をつけるようにしましょう。

帽子を長時間かぶって汗をかいた日は、特に丁寧にシャンプーしましょう
帽子を長時間かぶって汗をかいた日は、特に丁寧にシャンプーしましょう

頭皮と髪のトラブル回避方法・髪を乾かすとき

○髪を乾かすとき
入浴後、髪のタオルドライをしたら、時間を空けずにドライヤーで乾かすことが大切です。
暑い時季になると入浴後はなかなか汗が引きませんし、ドライヤーを使うとより暑くなるので、しばらくの間タオルで頭を巻いたまま過ごしたり、濡れたまま就寝してしまう……なんてことはありませんか?
こうした習慣が、実は雑菌が繁殖しやすい温床を作ることになり、臭いやかゆみのもとに。そうならないためにも、タオルドライ後は髪を乾かす前に、まず頭皮を乾かすようにしましょう。
さらに、温風で乾かした後は、冷風で頭皮と髪を冷やすことも忘れずに。頭皮をクールダウンすることで熱がこもりませんし、髪にとっても「キューティクルを整える」「ダメージを防いでくれる」「スタイリングが持ちやすい状態をつくることが可能」といった、たくさんの効果が得られます!

最後に頭皮に冷風を当てると、髪の根元も立ち上がりやすくなります
最後に頭皮に冷風を当てると、髪の根元も立ち上がりやすくなります

頭皮と髪のトラブル回避方法・エアコンなどで乾燥するとき

○エアコンなどで乾燥するとき
汗による湿気と真逆で、エアコンの効いた環境に長時間いる人にとって、頭皮や肌が乾燥することもこの季節特有のトラブルのひとつですよね。
湿気も避けたい要因ですが、実は頭皮が乾燥すると、かゆみの原因になることも多いため、長時間エアコンが効いた室内にいることが多い人は、頭皮美容液や育毛剤などをつけるよう心がけて、頭皮の乾燥対策をとりましょう。冬の季節に乾燥して頭皮がかゆかった人は、夏の乾燥にも注意してくださいね。
── このように、湿気が多い時季や汗をかく時季、あるいは、エアコンで乾燥した室内にいることが多い人に起きがちな頭皮トラブルは、日々の少しの工夫で改善することができます。気になるポイントがあったら、早速今日から取り入れてみてはいかがでしょうか。

エアコンの効いた環境にいる人も要注意!
エアコンの効いた環境にいる人も要注意!