新しい職場や新しい環境で4月からかんばっている人にとって、新しい環境に少し慣れたと思っていた矢先にゴールデンウィークに突入したことで、連休開けに「なんだか気分が上がらないな〜」と感じている人も多いようです。
環境の変化やストレスに加え、この時季は一日の気温差が激しいことから、「疲れが取れない」「ちゃんと寝ているのに寝たりない」などというちょっとした不調が出やすくなります。
実は、そうした外的要因も気持ちが上がらない原因のひとつといえますが、そうした時に普段は意識しない「呼吸」を意識するとよいかもしれません。今回は、簡単にできる〈呼吸ストレッチ〉をご紹介します。

ストレスと呼吸の関係

私たちは普段、なかなか呼吸に意識をすることはないですよね。
でも、緊張して胸がドキドキしている時は、誰しもハァハァと浅い呼吸を浅く早く行っていることに気づきます。そんな時は深呼吸するといい……、そうすれば緊張が緩和する……という方法が古くから伝えられていますが、実際にこれはとても有効な方法といえます。
また、人前で話す時などの一時的に緊張する場合もそうですが、5月病と呼ばれるこの時期特有の不調を感じている人や、疲れがとれにくい、新しい環境で緊張状態が続いている人……は、意識しないうちに呼吸が浅くなっているかもしれません。
加えて、スマホを長時間見ているなどの慢性的な前屈みの姿勢によって背が続いていたり、パソコンを使用する際に腕を前に出した状態の姿勢が長時間続くと、肺が大きく膨みにくくなるため自然と呼吸も浅くなってしまいます。
呼吸が浅いということは酸素が体内に十分行き渡らないことを意味します。そのため「健康睡眠が浅くなる」ことはもちろん「気分が落ち気味」といった精神状態などさまざまな体調不良の原因に。そうした自覚症状は、もしかしたら呼吸が浅いことにゆえんしているかもしれないのです。

気がつくと猫背になっていて、呼吸が浅くなっていませんか?
気がつくと猫背になっていて、呼吸が浅くなっていませんか?

呼吸ストレッチを始めてみよう!

呼吸ストレッチの方法は簡単です。ストレッチをしてみるとわかりますが、普段の自分の姿勢の状態が理解できるようになりますので、まずは胸を開いて肺に空気を送り込みやすい体や姿勢を意識することからスタートさせましょう!
では早速、呼吸ストレッチにレッツトライ!
1・鎖骨周辺や首まわりをほぐしましょう
・ 右手で左の鎖骨を、左手で右の鎖骨を指で軽くさすります。
・ 次に、右手を下ろした状態から脇腹あたりまで伸ばした腕を持ち上げ、息を吐きながら、伸ばした腕とは反対の方向にを頭と首をゆっくり倒し、首を伸ばしていきます。
・ 息を吸いながら、倒した頭をゆっくり戻します。
・ この動作を呼吸を意識しながら、左右繰り返しましょう。
2・肩まわりのストレッチ
・ 肩の高さまで伸ばした腕を胸元に持ち上げ、手を繋いだ状態にします。
・ 手を繋いだ状態で、息をゆっくり吐きながら背中を丸めていきます。
・ 繋いだ手を前に伸ばしながら、背中を丸めていきましょう。
・ 最後に息を吸いながら繋いだ手を胸元に戻し、普通の姿勢に戻します。

呼吸を意識しながら、肩まわりのストレッチを実践してみよう
呼吸を意識しながら、肩まわりのストレッチを実践してみよう

3・胸のストレッチ
・ 腕を後ろに回して手を繋いだ状態にします。
・ 息を吐きながら、胸を前に押し出すような姿勢をとります。
・ その状態のまま、繋いだ手を後ろの方向にも伸ばすようにします。
・ 最後に、息を吸いながら繋いだ手を腰に戻していきます。
4・胸下のストレッチ
・ 腕を頭の上に持ち上げて手を繋ぎ、息を吐きながら二の腕が耳にくっつくようなイメージで上に引き上げます。
・ その状態を数秒キープして、息を吸いながら両手をゆっくり下ろします。
・ 次に、腕を頭の上に持ち上げて手を繋いだまま、息を吐きながら腕を横に倒します。
・ 倒した状態を数秒キープして、脇腹あたりの体の横を伸ばしていきましょう。
・ それを左右繰り返します。

腕を後ろに引きながら、胸を前に押し出すようなイメージで!
腕を後ろに引きながら、胸を前に押し出すようなイメージで!

今回は、4つの呼吸ストレッチをご紹介しましたが、これらを実践することで、胸まわりの緊張がほどけ、胸が開いた状態を意識できるようになり、意識していないときも自然と深い呼吸ができるように。
私たちは朝の健康的なイメージとして「起床時にカーテンを開けて、上体を伸ばしながら大きく深呼吸をする」というものを連想しますよね。
実際に朝起きた時に同じような姿勢をとると、目覚めのよいすっきりした感覚を得られます。つまり、これと同じ「体が開いた効果」が呼吸ストレッチでも得られるのです。

この状態を数秒キープできるようになったら、少しずつ、横に倒してみましょう
この状態を数秒キープできるようになったら、少しずつ、横に倒してみましょう

ストレスを心の外へ追いやる呼吸ストレッチ

スマホやパソコンを操作する時間が長い現代人は、胸が閉じた状態に陥りがち。そのため、浅い胸呼吸をしている人がほとんどといえます。そのような上体(姿勢)で深呼吸をしても、上手に酸素を吸ったり吐いたりできないため、新鮮な空気が体内に吸収されにくい状態が続いてしまうことに……。
でも、呼吸ストレッチを実践すると、自然と胸まわりが柔らかくなる(開かれた)感覚が得られますし、何より、ゆったり自然に深呼吸ができるようになるため、気持ちが落ちつく = 心がリラックスする = 頭がスッキリするといった効果が得られることに。
ぜひ、仕事の合間の休憩タイムなどにも簡単にできる呼吸ストレッチを取り入れて、意識的に胸を開き、新鮮な空気を体内に送り込みやすい状態を作ることで、ストレスを心の外へ追いやっちゃってくださいね。