桜咲く季節に吹く、桜吹雪をつくる風の名前は?

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「風」と言ったら、どんな風を思い浮かべますか?記憶に新しいのは、「立春から春分にかけて吹く」などのいくつかの条件を満たすと気象庁によって認定される「春一番」ではないでしょうか。「春一番」が観測されるとその報道がなされ、多くの方が春の訪れを感じるひとつの目安になっていることと思います。さて、皆さんは風の名前をいくつご存じですか?調べてみると実に多くの名前が存在し驚かされます。ある条件を満たすとそれと定義される風から、先人たちが自然現象の風に名前をつけたとされるものまで、無作為にピックアップしてご紹介いたします。日本語の美しさ豊かさも感じられる風の名前です。

桜舞う美しい景色を作る風は「花風」「花嵐」

春に吹く風は「春風」と言うのが一般的な認識かと思いますが、「春風」とは「春に吹く穏やかな風」「東または南から吹く暖かく穏やかな風」という意味でもあります。また、「東風(こち)」という風の名前も、東から吹く春風のひとつです。一方、春の嵐とも言われる「春一番」は、突風など強い風を表しています。ちなみに、今年の「春一番」は北陸で最も早く立春に観測されました。「春一番」と呼ばれる風は、地域ごとに細かな条件が異なるのですが、東京を例にあげると「立春から春分までの期間」「日本海に低気圧がある」「関東地方に強い南風が吹き、気温が上がる」ことが前提で、「東京において、最大風速が8.0m以上」「風向きが西南西〜南〜東南東」「前日よりも気温が高い」という条件を基本に気象庁が発表するのだそうです。そして、今、各地で徐々に迎える満開の桜の時期に吹く風を「花風」と言い、花を散らす風を表現しています。また、桜や花を散り乱すほどの強い風は「花嵐」と言うそうです。風に舞う桜の美しさは心を豊かにしてくれますね。

情景が浮かんでくる美しい風の名前も

まだまだあります、風の名前。「薫風(くんぷう)」は初夏の新緑の間を吹き抜ける心地よい南風の名前。「黒南風(くろはえ)」は梅雨入りの時期に吹く風、空が暗雲に覆われる頃に柔らかく吹く南風の名前。一方、梅雨明け6月末頃に吹く風の名前は「白南風(しろはえ)」。梅雨があけ、空に白い巻雲がかかる様子を表しているのだとか。「熱風」は夏に吹く熱を持った風を言い、「温風」は晩夏に吹く暖かい風、「涼風」は秋の気配を感じる晩夏に吹く風。そして、秋に吹く風で「金風(きんぷう)」というものがあり、五行思想で秋は金に当たることから、その名前がついたというものも。日本は米所でもあり、黄金の稲穂が実る秋の風の名前としてもぴったりですね。このように、紹介しきれないほど、風の名前はまだまだあります。また「風」は自然だけでなく、風習や習わし、肌身に感じられる人々や世間、人生を表すなど、日本語の奥深さを感じる言葉の一つでもあります。さて、心地よい春がやってきました。新たな一歩を踏み出す方に、追い風が吹きますように。
出典:広田千悦子(2006)「おうちで楽しむにほんの行事」技術評論社

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