24年前の阪神・淡路大震災の発生後、震災に合われた方への支援を行うため、多くの方がボランティアとして活動されました。その中で「おむすび」などの炊き出しは人々の気持ちを一時的にでも落ち着かせたことと思います。2000年に制定された「おむすびの日」は一般公募によって、阪神淡路大震災でのおむすびのエピソードが心に残っているという声があり、今日1月17日がその日となったそうです。おむすびの日の今日は、おむすびの元となる言葉「ムスヒ」や「結び」についてご紹介します。

「おむすび」は神格化された山の形から、神力を得るという信仰

おむすびの語源には様々な説があり、神格化した山をかたどって三角形に、天地創造の造化三神のうちの二神「高御産巣日神(タカミムスビノカミ)」と「神産巣日神(カミムスビノカミ)」の「産巣日(または産霊)」ムスヒから名前を取り霊力を授かるという説や、農業の起源に関係しその神と言われる神産巣日神が稲に宿ると信じられたことから名前の由来になった、という説などもあります。いづれにしましても、ムスヒという言葉の「ムス」には生み出す、「ヒ」には神霊という意味があるそうで、名前にそのような神の力強さが込められているかと思うだけで、三角形のおむすびを食べると元気になれそうですね。また神の授かりものとされている私たち人類の「ムスコ」「ムスメ」も、同じ「ムス」から生まれた言葉だそうです。

「結」は人名に人気!協力しあって働くという意味も

「おむすび」は漢字で書くと「御結び」。「結び」と聞いてどのようなことを思い浮かべるでしょうか。やはり、新年に祈願した縁結びでしょうか。人と人とのつながり、または、場所や機会などのご縁を結びたいと祈願された方もたくさんいることでしょう。「結」という言葉は、むすぶ・繋げる・まとめる・創る・固まる・締める、のような意味のほかにも、「ゆい」と読んで、農業などで協力しあって労働することやそれをする人という意味もあるそうです。このように喜ばしい意味を持つ「結」は、男女問わず人名として用いられる言葉・文字として人気が高いというのも納得できます。
いかがでしたか?「おむすび」という言葉についてご紹介しました。今年もまだ始まったばかり、おむすびに込められた言葉の力をいただいて、良縁を結ぶ年にしましょう!