明日は大晦日。年が明けたら平成31年が始まりますが、天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位が決まっており、平成の元号は「31年」をもって終了となります。
では、平成31年はいつまでを指すのか、ご存じですか?
そもそも元号は何を意味するものなのでしょう?
今日は、過ぎゆく平成30年を惜しみつつ、意外と知られていない元号についてのお話をご紹介しましょう。

平成は31年で終了。平成最後の年末・年始です
平成は31年で終了。平成最後の年末・年始です

元号とは、一体何?

元号とは紀年法のひとつで、簡単に言うと、年につける称号です。日本では年号と呼ばれることもあります。
元号は、中国で皇帝が時代をも支配するという思想から、漢の武帝の時(紀元前115年頃)、「建元」と号したことが始まりです。日本では、大化の改新(645年)の時に「大化」が用いられたのが最初と言われています。
その後、元号が制定されていない期間もありましたが、西暦701年の「大宝」から現在まで続いています。明治時代に入る前は、災害など不吉なことがあったり、病が流行するなどの理由で、たびたび改元されていました。逆に、新たな天皇が即位しても元号が変わらない場合もありました。
明治政府が慶應4年を改めて、「明治元年」にするとともに、天皇一代につき一元号とする「一世一代の制」を定めました。第二次世界大戦後に制定された日本国憲法、皇室典範では、元号の規定が明記されていませんでしたが、昭和天皇の高齢化に伴い、元号法制化を求める声が高まり、1979(昭和54)年に「元号法」が成立しました。

平成はいつまで?

4月1日から新元号になると思っている方もいるかもしれませんが、天皇陛下の御退位の日は、平成31年4月30日。つまり、新元号に変わるのは、5月1日からです。
国民生活の混乱をさけるため、即位日の1カ月前にあたる4月1日以降には、新元号の事前公表がされる見通しですが、さまざまな意見があり、正式には決まっていません。
天皇の退位は1817年の光格天皇(119代)以来、実に200年ぶりの出来事ですから、これからいろいろな議論が交わされることでしょう。

平成は4月30日まで。5月1日からは新元号に
平成は4月30日まで。5月1日からは新元号に

元号はどうやって決めるの?

元号決定までの流れを簡単に説明すると……、
【候補名の考案】
内閣総理大臣が数名の有識者に委任し、2ないし5つの候補名を提出します。

【候補名の検討】
候補案を内閣官房長官が検討・整理し、内閣総理大臣に報告します。
このとき、以下の留意点が定められています。
・国民の理想としてふさわしい意味を持つものであること。
・漢字2文字であること。
・書きやすいこと。
・読みやすいこと。
・これまでに元号またはおくり名として用いられたものでないこと。
・俗用されているものでないこと。

【原案の制定】
整理された候補名について、総理府総務長官、内閣官房長官、内閣法制局長官らによる会議において精査し、新元号の原案として数個の案を選定します。

【新元号の決定】
全閣僚会議において協議します。内閣総理大臣が衆議院及び参議院の議長及び副議長に連絡し、意見を聴取し、最終的には、閣議において、改元の政令の決定という形で決められます。
ちなみに、少し気が早いのですが、天皇陛下退位と皇太子即位・改元に伴い、2019年のゴールデンウィークは10連休なる見込みです。
── 平成最後の年末・年始。平成という時代に思いをめぐらせ過ごしたいものです。
ご家族や親しい友人と集まったら、新しい元号を予想するのも楽しいかもしれませんね。

2019年5月、皇居は祝賀ムードに包まれるでしょう
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