平成30年、最後は第六十五候「麋角解(さわしかのつのおつる)」です 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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平成30年、最後は第六十五候「麋角解(さわしかのつのおつる)」です

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ヘラジカ

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ニホンカモシカ

ニホンカモシカ

一年の最後をしめくくるのは「麋角解(さわしかのつのおつる)」です。といわれてもなかなかピンときません。鹿が持つ立派な角が落ちる、ということは新しい角が生えてくる準備というでしょうか。鹿の世界もどうやら一区切りの時期を迎えているようです。あっという間に終わってしまう年の暮れの一日一日は誰にでも大切で意味のある日です。何をするのがふさわしいのか、忙しさに流されずにじっくりと味わいながら過ごしみませんか?

やっぱり気になります「麋(さわしか)」ってどんな鹿?

「麋(さわしか)」は見慣れない文字ですね。調べてみると大鹿のこととあります。また『日本書紀』には猿や猪と一緒に山野にたくさんいたという記事もあります。この大鹿は篦鹿(へらじか)のことで(諸説あります)、平たい手の平状大きな角を持ちヨーロッパではエルク、北アメリカではムースと呼ばれるシカ科のほ乳類です。この平たい大きな角は新しく生え替わるために落ちるといういうことです。まさに「麋角解(さわしかのつのおつる)」時期なんですね。
日本で鹿といえば、ニホンカモシカを思いだします。シカといってもウシ科のほ乳類です。日本の特産種で特別天然記念物にも指定されています。漢字で書くと「日本氈鹿(かもしか)」となります。またちょっと難しい漢字「氈(かも)」がでてきました。これは毛氈(もうせん)、つまり敷物のことです。ニホンカモシカの体毛は長く密に生えており、色は白から黒褐色までさまざま。つまり毛織物として最適だったわけなんです。そこで氈(かも)をつくる鹿だから「氈鹿」という名前がつきました。
ディズニー映画のバンビのように細く真っ直ぐな足のことを「カモシカのような足」といいますが、ニホンカモシカの足は日本の山岳地帯に生きるにふさわしい力強い足の持ち主なんです。それを知ってしまうと「カモシカのような足ね」といわれたら、喜んでいいのかしら? 困ってしまいますね。

「もういくつ寝るとお正月……」 歌いましたね

年の暮れになり残る日が少なくなると「今年もあと何日かしら?」と毎日のように数えてしまいます。そんな気持ちは「数え日」として冬の季語になっています。過ぎて行った一年を省みる思いや、新しい年を迎える用意にはやる心、来る年への期待や新春の楽しみを思う何とも言えない微妙な気分を含んでいることばです。
「数え日にいきいきと今過去語り」 村越化石
「数え日となりたるおでん煮ゆるかな」久保田万太郎
「数え日の芝居にうつつぬかしけり」 小澤登代
それぞれの句にひとりづつの「数え日」の過ごし方と思いが伝わってきますね。
「数え日は親のと子のは大違ひ」
これは江戸時代の川柳です。まさにその通り! 手を叩いて誰でもが大きく頷いてしまいます。
あなたの数え日はどんなふうに過ごしていますか?

やはり〆には蕎麦を食べなくちゃ!

最後は蕎麦でしめくくりたいですね。「細く長く生きる」という人生訓もあるように、長寿や身代が長く延びていくことを願う縁起をかついで、年越し蕎麦は「運気蕎麦」ともいわれます。12月は忘年会で食べたり飲んだりと少し疲れめの胃腸をいたわる意味でも、蕎麦はふさわしいかもしれません。
ところでなぜ「蕎麦(そば)」というかご存じですか? 「蕎」の語源「稜(そば)」は二つの面が交わってできる線のこと。山々の峰が続くのを稜線というのを思い出すとなるほどとわかりますね。そばの実は稜線を3本持つので「そば」といわれました。そばの実のなる麦「そばむぎ」から「むぎ」の音だけ落ちて「蕎麦」とかいたまま「そば」と言うようになったのです。
現在のように細い麺にして食べるようになったのは江戸時代になってから。時代劇には担ぎ蕎麦屋がよく登場します。寒い日に熱々の一杯の蕎麦は心も身体も癒されます。
トッピングはどうしましょう? 豪華に海老天? ゴボ天? それとも定番のかき揚げ? あっさりとネギだけが好き! という方もいらっしゃるでしょう。何を合わせても美味しくいただけます。大きなざるにたっぷり盛ってワイワイいいながら好きなように食べるのも、今の季節は楽しいですね。さて、あなたは何をのせますか?


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