北海道ではミトンの手袋を「ぼっこ手袋」とよぶ。「ぼっこ」って何だ?

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風が冷たくなり、手袋が恋しい季節になりました。手袋というと、5本の指がそれぞれ違う“部屋”に入るタイプと、人差し指から小指までの4本の指が同じ“部屋”に入るミトンタイプがあります。北海道では、このミトンの手袋をなぜか「ぼっこ」手袋と呼びます。
さらに、「ぼっこ」はミトンの手袋をさすだけではありません。棒っきれのことも「ぼっこ」といいます。手袋も「ぼっこ」、棒も「ぼっこ」。北海道のなんとも不思議な方言です。

幼児はヒモつきを首から下げる。なぜ「ぼっこ」とよぶのかは不明。

鍋つかみのようなミトンタイプの手袋のことを、北海道ではなぜか「ぼっこ手袋」とよびます。大人になると5本指の手袋が人気ですが、小さい子どもは、ぼっこ手袋を使うほうが圧倒的に多いです。特に子ども用の手袋は右手用と左手用がヒモでつながれていて、それを肩から下げてからコートを着て、袖から手袋を出します。そうすると、手袋を脱いでもヒモからぶら下がっているので、なくすことがありません。
北海道ではミトンタイプの手袋のことを、なぜぼっこ手袋とよぶのかは定かではありませんが、5本指に分かれている手袋よりもぼっこ手袋のほうが指が冷えにくいので、ぼっこ手袋は若い女性にも人気です。

棒っきれのことも「ぼっこ」とよぶ。アクセントは“こ”。

北海道ではミトンの手袋以外にも、棒っきれのことも「ぼっこ」とよびます。長さは、菜箸よりも長く、バットよりも短いくらいのものが、ちょうど「ぼっこ」にあたります。
棒の「ぼっこ」はミトン手袋の「ぼっこ」と違って、単語の末尾に「こ」がつくパターンで、
「棒」+「こ」=「ぼっこ」
となります。
他にも
「子」+「こ」=「こっこ」
(魚などの)「身」+「こ」=「みっこ」
「銭(ぜに)」+「こ」=「じぇんこ」
などなど。年配の人がよく使います。
手袋の「ぼっこ」はアクセントが「ぼ」に置かれますが、棒っきれの「ぼっこ」のように語尾に「こ」がつく場合は、アクセントは「こ」に置かれます。ぼっこも、こっこも、みっこも、じぇんこも、アクセントはすべて「こ」。
「ぼっこの手袋」を発音するとき、「ぼっこ」が一つの単語として扱われるときは「ぼ」のほうにアクセントがきますが、「ぼっこ手袋」で一つの単語となるときは、手袋の「ぶ」にアクセントがきます。

「手袋をはく」。北海道ではこの言い方がしっくりくる。

ご存じのように、北海道では手袋をはめることを「手袋をはく」と言います。「はく」を漢字でかくと、ズボンや靴下に使われる「履く」と同じになるのでしょうか。なぜ、手にはめるものに「はく」を使うのか、はっきりとした語源はわかりませんが、北海道民にとって、やはり手袋の場合は「はく」を使うほうがしっくりきます。
子どものとき、雪遊びをしに外に出ようとするとき、「手袋、はいたか~い?!」と言われた経験がある人も多いのではないでしょうか。子どもの頃から使われいる「手袋をはく」は、北海道民の体にしみついている言い回しです。
「ぼっこ」と聞いて、星新一の「ボッコちゃん」を思い出す人もいるかもしれませんね。あの美人ロボットの名前の由来は、「坊ちゃん」だとも言われていますが、本当のところはよくわかりません。ただ、「ぼっこ手袋」や「棒っこ」が由来にはなっていないことは間違いありません。これからますます寒くなる北海道。観光に訪れる方は、ぼっこ手袋をはいて、しっかりと防寒してくださいね。

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