歌舞伎座開場130周年の納涼歌舞伎〜鶴屋南北の世界を堪能

tenki.jp

歌舞伎座開場130周年の納涼歌舞伎〜鶴屋南北の世界を堪能

お盆休みも終わり、暑さもひと頃に比べると和らいできたこの頃ですが、毎年恒例の納涼歌舞伎(東京・歌舞伎座)は、歌舞伎座開場130周年と相まって、まだまだ熱い賑わいを見せてくれています!第三部では、鶴屋南北作『盟三五大切』が多彩な配役陣で上演中です。さぁ、このタイトルはなんと読むでしょうか?応えは本文中で…。

納涼歌舞伎の特徴

通常は昼の 部(11時〜)と夜の部(16時〜)の二部構成で上演されています。8月の納涼歌舞伎では第一部11時〜、第二部15時〜、第三部18時〜の三部構成で上演時間を短く、料金も少しリーズナブルに設定されています。納涼歌舞伎は、歌舞伎座で若手の活躍の場を…という目的もありはじまりましたが、今では毎年趣向を凝らして、若手から花形、ベテランと、幅広い役者勢が揃ってその年ごとに夏ならではの作品を上演しています。第三部には鶴屋南北『盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)が、松本幸四郎、中村獅童、中村七之助を中心に、市川中車、中村橋之助など歌舞伎初心者にも馴染みのある顔ぶれとなっていますので、幅広く楽しめること請け合いです。

鶴屋南北の世界を堪能

鶴屋南北(4代目)の実力が認められたのは50歳を過ぎた頃と遅咲きの人でした。その後多くの作品を残していますが、中でも南北の代表作と言えば、『東海道四谷怪談』ですね。『盟三五大切』は四谷怪談の続編とも言われている作品であり、同じく代表作『仮名手本忠臣蔵』の外伝でもあります。『盟三五大切』の初演年は文政8年(1825年)、中村座で上演と記録が残っています。この年は、8月に『東海道四谷怪談』がヒットし、その翌月に『盟三五大切』が上演されたと言いますから71歳の南北にとってビッグイヤーでした。『四谷怪談』と『仮名手本忠臣蔵』さらに現実にあった「五人切り」事件も組み込み「綯い交ぜ(ないまぜ)」が特徴的な物語です。忠臣蔵も四谷怪談も観たことがない…という方にも、芸者姿が美しい七之助さん、悪党なのに悪くなりきれない獅童さん、夢かうつつかと翻弄される幸四郎さん、はたまたカマキリ先生が歌舞伎役者として舞台に立つ姿など、お楽しみポイントを見つけてみてください。

初演時との縁

浪人である源五兵衞を軸に三五郎と小万夫婦の3人が、欲と悪、心の片隅に残した義理人情と…人間の業をスリルとサスペンスたっぷりに紡がれている作品です。初演では5代目松本幸四郎が源五兵衞を演じましたが、今年はその名跡を襲名した十代目松本幸四郎が演じており、初演との縁も見どころの一つです。三五郎は中村獅童、小万は中村七之助と、いずれも成長著しい役者が揃いました。食い違いが重なり多くの命が亡くなっていく陰惨な物語ですが、役者の個性によるのでしょうか。ジメッと肌触りの良くない「悪」ではなく、カラッとした夜風のように仕上げているのが印象的です。舞台が終わった時、まるで夢から醒めたような気持ちになるのではないでしょうか。

歌舞伎デビューの方もそうでない方も

歌舞伎デビューの方にオススメの納涼歌舞伎ですが、いくらオススメされてもはじめての方は不安がありますよね。そんな方のお助けになるのが、イヤホンガイドです。文字通り、イヤホン(片耳)で説明があり、そのタイミングが絶妙な上、ミニ知識も増えるという嬉しいガイドです。英語の字幕ガイドもありますから、こちらも海外の方はもちろんあえて英語で聴きたい方にも便利ですので試してみてくださいね。また、歌舞伎座ではただ今「平成歌舞伎三十年博」も開催中です。ぜひ、隣接の歌舞伎座ギャラリーでこの30年を振り返ってみてはいかがでしょうか。
・上演概要
会場 歌舞伎座
期間 8/9〜8/27
9月には病気療養から復帰の中村福助さんが、『金閣寺』で息子の児太郎さんと共演されます!ファンならずとも見逃せないですね。
※詳細は下記リンクサイトにてご確認くださいませ。

続きを読む

この記事にコメントをする

TwitterでAERA dot.をフォロー

@dot_asahi_pubさんをフォロー

FacebookでAERA dot.の記事をチェック