今年の夏は暑い暑い熱波に覆われている日本列島。冷房の効いた映画館で、手に汗握るアクション超大作を観て少しでも暑さを忘れリフレッシュしたいですね。今夏一番の話題作と言えば、トム・クルーズ主演の人気アクションシリーズ第6作目となる「ミッションインポッシブル/フォールアウト」。ストーリーもさることながら、御歳56歳のトム・クルーズにも注目です。

ミスターハリウッド、トム・クルーズ

1962年7月3日、アメリカ独立記念日の前日にこの世に生を受けた、まさにハリウッドの申し子のようなトム・クルーズ。10代で、端役でデビューした彼は、すぐに頭角を現し、以来、常に第一線で活躍、ほぼ絶えることなく主演映画が公開され続けていますね。私生活も何かとお騒がせで、いつも公私ともに世界中の注目の的です。
彼の代表作となったミッションインポッシブル・シリーズ。現在公開中のシリーズ第6作目の「ミッションインポッシブル/フォールアウト」は本国アメリカでも記録的な大ヒット、日本でも大ヒット中とのこと。もちろん、派手なアクション、迫力ある映像などなど映画そのものが、魅力的だからヒットしているのはもちろんですが…。意外な理由もあるのでは?と言われているのはご存知ですか。この映画の売りは、なんといっても、CG無し、スタント無し、のトム・クルーズのまさにカラダを張ったアクションシーン。彼は、アクションには並々ならぬ思い入れがあり、今作品はまず、トム・クルーズのアクションシーンを撮影し、それを元に脚本を組み立てていったそうです。脚本より先にアクションが撮影された為、監督はじめ製作スタッフはかなり苦労したそうです。結果、ストーリーの辻褄が??というところもあるとかないとか。また、スタント無しでアクションシーンを演じていたトム・クルーズが撮影中怪我を負うというアクシデントも。
昨今、ハリウッド超大作は莫大な資金と人材を集め製作されている為、映画の投資者から様々な制約を課せられることも。その中で主演俳優は実際にアクションシーンを演じてはいけないという条件が盛り込まれる事も多いそう。それはそうですね、現在CG技術も発達し、危険なアクションシーンを主演俳優が自ら演じる必要性もありません。万一主演俳優が怪我をしたら、撮影は中断し莫大な損害が発生してしまいます。それならば何故トム・クルーズはアクションシーンを自ら演じることができるのでしょうか?それは、彼自身が映画の制作費を出しているからではないでしょうか。彼はこれまで得てきた莫大な出演料で自分のスタジオを作り上げ、自由に映画を製作しているのです。彼が私財をなげうってまでアクションシーンにこだわるのは、普通の私たち観客が決して体験できないアクションを、映画を通じて疑似体験してほしい、純粋に映画を娯楽として楽しんでほしい、そんな想いからではないでしょうか。そんな彼の並々ならぬ情熱が画面を通じて感じられるから観客が集まるのかもしれませんね。多少のストーリーの粗さは(トム・クルーズの)ご愛嬌として受け入れられているようです。
ハリウッド黄金期のような大スターが少なくなって久しいと言われていますが、トム・クルーズは彼の名前だけで映画をヒットさせることができる、数少ないハリウッドの大スターなのではないでしょうか。

この人も、ミスターハリウッド、ハリソン・フォード

今夏忘れてはならない、もう一人のミスターハリウッド、ハリソン・フォード、御歳76歳。出演こそしていませんが彼の当たり役スター・ウォーズシリーズの人気キャラクター、ハン・ソロ。そのハン・ソロの若き日を描いた、シリーズのスピンオフ作品「ハン・ソロ/スター・ウォーズストーリー」も公開中です。ハリソン・フォードが演じたからこそ、シリーズの中でも大人気キャラクターとなったハン・ソロ、ハリソン・フォード抜きには語れません。
また、昨年は約30年振りに製作された「ブレードランナー」の続編に出演し、往年のファンを喜ばせてくれました。彼の当たり役人気シリーズといえばもう一つ、インディージョーンズもありますね。続編製作が控えているとか、いないとか!?
夏になると何故かアクション映画が観たくなります。痛快なアクションシーンが爽快に暑さを忘れさせてくれるのかもしれませんね。筆者も彼らのアクション映画シリーズを夏になると思い出して観賞しますが、いつ観ても古さを感じず、楽しませてくれます。
今回注目したトム・クルーズとハリソン・フォード。二人の意外な共通点は、これだけの人気がありながら、アカデミー賞とは無縁なところ。中年にさしかかると、アクションなどは控え、アカデミー賞を狙い、しっとり落ち着いた文芸作品や社会派作品などに出演をシフトしていったり、監督業にチャレンジしたり…とステップアップしていく人気俳優が沢山いますね。しかし彼ら二人はそんなステップアップはどこ吹く風、歳を重ねてもアクションやSF娯楽大作に昔と変わらず出演し続けています。そんなところも彼らが長きに渡り映画ファンに愛される理由かもしれませんね。
まだまだ続く暑い夏、映画館で、自宅で、彼らの痛快娯楽作品をますます観たくなってきました。