盆の送り火は静かにゆっくりと心をこめて先祖を送ります

2018/07/18 18:30

お盆を7月に行う地域では盆の送り火をすまされたことでしょう。お盆のあいだ我が家に戻っていた先祖の霊を再び火を焚いて送り出します。それを盆の送り火といいお迎えの時と同じ火でありながら、送り火にはやはり寂しさが漂います。都市部で暮らす方々や田舎をもたない方にとって、7月のお盆は実感が薄いかもしれません。身近な方を思い浮かべてろうそくを1本そっと灯してみるのも、あなたらしいお盆の送り火になりますよ。

最も大きな「送り火」はやはり京都の「大文字焼き」でしょう 京都五山の大文字焼きは毎年8月16日の夜に行われる盆の送り火です。「大文字」に始まり「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」と東山から京都の町をぐるりと巡るように順番に火がつけられていきます。一番壮観なのはやはり東山如意ケ嶽の大文字焼きでしょうか。 火床は大谷石の上に井桁に組んだ松の割り木、その間に松葉の束を置いてつくります。このような火床を75もならべて大の字をつくるのです。その上には供養したい先祖の名前や、無病息災を祈る願主の名前が書かれた護摩木を乗せます。火は山上の弘法大師堂に灯されたお灯明を親火に移し、合図によっていっせいに点火されるのです。 「大」の字は仏教では人の身体を表し、そこに巣くう75の煩悩を焼き尽くすという意味もこめられているということです。ご先祖の霊を送るとともに自身の浄めにもなるのですね。
送り火のほかに「精霊流し」というお見送りもあります お盆の最後の日の夕方、あるいは翌日の朝にお盆にお供えしたものを、蓮の葉や里芋の葉に包んで川端や海岸に置いたり、麦藁や板で精霊舟をつくり供物や灯明、線香などを積み込み、川や海に流して送る行事が「精霊流し」です。 これは日本人がもっている他界観、死者の霊や神といった超自然的存在は遠い別の世界に住んでいるという考えです。お盆では精霊は山より下りてきて海に帰っていくと考えられてきました。そこで川や海にお供物を流して帰してあげるのですね。 事故や病など命半ばで亡くなられた方々の名前を灯籠に書いて、魂のやすらかなことを願いながら浮かべ見送ることで、残された者たちの生きる勇気となっている、そんな灯籠流しも行われていると聞きます。亡くなった方を忘れずに供養を重ねて、思いをめぐらす。そんな時節になりました。

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