1893年のこの日、三重県鳥羽で、御木本夫妻(ミキモト創業者)が世界で初めて真珠の養殖に成功したことから記念日に制定されました。神秘的で美しい真珠の輝きは、いつの時代も女性たちを魅了してきました。記念日の今日、真珠にまつわること、考えてみました。

海の中で育まれる真珠。存在そのものが神秘的です
海の中で育まれる真珠。存在そのものが神秘的です

種類もいろいろあります

真珠と言って真っ先に思い浮かぶのは、真円で、少しイエローやピンクがかった白い真珠が一般的ですね。
真珠は母貝によって様々な種類があるのはよく知られていますが、改めて調べてみました。
⚫︎アコヤ貝
一般的に広く知られている真珠です。ネックレス、イヤリング、ブローチ…フォーマルからカジュアルなスタイルまでどんなスタイルにもマッチ。世界中で愛されていますね。あの美しい白い色合いはアコヤ貝を母貝として養殖されています。
アコヤ貝は貝殻は工芸品の材料としても使われ、その貝柱も、食用として珍重されています。
⚫︎白蝶貝
南洋(白蝶)真珠は10ミリ以上の大きな真珠。その母貝の白蝶貝は最も大きく殻の大きさは30cm以上にも成長するそう。
その大きな貝殻は、真珠同様、アクセサリーの材料にも。高級ボタン、貝ボタンもこの貝から作られるそう。その名の通り南洋〜オーストラリア、タイ、フィリピンなどの暖かい海に生息しています。できあがった真珠はほとんどがシルバー系もしくはゴールド系だそう。
⚫︎黒蝶貝
黒蝶貝はいわゆる黒蝶真珠(ブラックパール)を養殖するための母貝です。
黒蝶貝は赤道付近の熱帯に主に生息、タヒチなどが有名な産地ですね。
そのエレガントな黒い輝きはヨーロッパや中近東で人気、高級宝飾ブランドでも好んで使われているそうです。日本では暖かい沖縄に生息しています。
⚫︎マベ貝
半円型の真珠のことを総称して「マベパール」と呼んでいます、この呼び名は、母貝のマベ貝が由来だそう。
マベパールは、紫がかった虹色の美しい光沢が特徴ですね。その独特な色合いはファッションブランドが作るコスチュームジュエリー(洋服のコーディネイトの為のジュエリー)としても人気です。
⚫︎ピンク貝
巻貝のピンク貝から生まれる貴重なコンクパール。古くからヨーロッパの人々に愛されてきました。巻貝の構造は養殖が難しいそう。でも日々、技術は進歩、養殖生産に向け実験が続いているそうです。
⚫︎池蝶貝
その名の通り淡水に生息する貝(池蝶貝)から生まれるパールです。日本ではおもに琵琶湖での淡水真珠の養殖が盛んです。淡水から生まれるパールは儚げで可憐なイメージ。ネックレスは華奢な雰囲気に仕上がり女性らしい胸元を演出してくれますね。
ひとくちに真珠と言っても、様々な種類がある…と再認識しました。

ブラックパールの輝きも気品があり高級感が漂います、素敵ですね
ブラックパールの輝きも気品があり高級感が漂います、素敵ですね

真珠の耳飾りの少女

真珠の耳飾りをつけ、大きな瞳の愛らしい少女がこちらを振り返り微笑む姿が印象的な絵画、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」。世界中の人々に愛される有名な絵画ですね。真珠…と聞いて真っ先にこの絵画を思い浮かべる方も多いと思います。作者の17世紀のオランダの画家、フェルメールは11人の子供がいて、生涯40作品あまりしか作品を残さなかったと言われています(諸説あり)。生活は苦しかったのでは、と想像されています。したがって、当時高価であった天然真珠を購入するのは難しいことなどから、実はこの少女が身につけている真珠の耳飾りは、ガラスなどで真珠に似せて作られた「真珠風」の物だったのでは?という意見があるそうです。そもそもあれほど大粒の真珠は存在しないのでは?などなど…でも、このように絵画一枚から、当時の作者を取り巻く環境や文化、時代背景に思いをはせることができるのは、絵画鑑賞の楽しみの一つでもありますね。これだけ人々の心を惹きつけるからこそ、小説や映画にもなったのかもしれませんね。1999年に発表された小説は、2003年には映画化もされました。日本ではヘアケア製品のコマーシャルでお馴染みの、スカーレット・ヨハンソンが主人公の少女を演じています。
もちろん、モデルとなった少女の愛らしさ、フェルメールの美しいタッチなどがこの作品の人気の所以かもしれませんが、一粒輝く「真珠」の存在がここまで人々の心を動かしているのかなぁ、という気もしてきます。神秘の海で育まれた天然の宝石・真珠はいつの時代も人々の心を惹きつけて止まないのですね。

小さな一粒ですが、この耳飾りの真珠がなければ、これほど人々に愛されなかったかもしれませんね
小さな一粒ですが、この耳飾りの真珠がなければ、これほど人々に愛されなかったかもしれませんね