7月3日の今日は七味の日です。七味とは七味唐辛子のことで、江戸時代に京都や大阪をはじめとする地域では「七味唐辛子」、東京周辺では「七色唐辛子」と呼ばれていました。多くの方がご存知かと思いますが、七味唐辛子は唐辛子をメインに他6種の薬味や香料を漢方からヒントを得て調合した日本独特の調味料であり、地域やそのお店によって香りや味のこだわりがあります。また、七味唐辛子はお料理の風味付けのものと考えるにはもったいないほど、その栄養価は優れています。七味の日の今日は、七味唐辛子のご紹介をいたします。

七味の日は、8年前に制定された新しい記念日

七味の日は、2010年に食品製造メーカーの株式会社向井珍味堂が制定した比較的新しい記念日です。1947創業の大阪に本社を置く同社が、こだわりぬいた原料で香りを大切に手作り七味を製造販売し、それらが長く愛されるようにと願い制定されました。

七味唐辛子は地域やお店によって原料や調合に違いがあります

外食をするときに、和食店や、うどん・お蕎麦屋さんのテーブルに置かれている七味唐辛子を何気なく使っているという方も少なくないかと思いますが、その七味唐辛子は、地域や調合するお店によって原料や風味が異なることをご存知でしたか?その原料はまず、七味唐辛子に欠かせない「唐辛子」そして「陳皮」「ケシの実」「胡麻」「山椒」「麻の実」「しそ」「のり」「生姜」「菜種」などが挙げられます。これらの材料でその地域のお料理の特徴に合わせて調合されています。例えば、関東では濃口醤油に合う強めの辛さが特徴で、関西では薄味にほどよく寄り添う辛さで青のりや山椒の豊かな香りが特徴的、そして、信州地方、長野県周辺の七味唐辛子には体を温める生姜が入っているのが特徴なのだそうです。また、店舗によっては、個人の好みに合わせてその場で調合してくれるところもあります。

味、香りが良いだけではない!七味唐辛子の優れた栄養素とは

さて、調合ひとつとっても七味唐辛子の奥深さを感じますが、七味唐辛子の材料に含まれる栄養素を知ると、更に手に取ってみたくなる調味料のひとつになるのではないかと思います。唐辛子といえばカプサイシン。夏バテ防止に役立てたい食欲増進効果や消化吸収を活発にさせる働き、血行促進作用で体を温め、カロテンの抗酸化作用は女性にも嬉しい効果ですね。また、陳皮にはビタミン、ケシの実、胡麻、しそにはビタミンやミネラルが豊富で、免疫力の維持への働きが期待できるので、風邪予防には欠かせない栄養素です。生姜の辛味成分も血行を促し体を温め、抗菌作用や抗酸化作用も持ち合わせています。山椒に含まれるサンショオールは食欲増進に役立ち、のりは血行促進に働きかけます。菜種はビタミンを含み、脂肪分はカロリーが低く酸化しにくいので健康にも良い脂肪分です。漢方の考え方をヒントに作られただけあって、非常に体に良い栄養素が揃っています。
いかがでしたか?近年は猛暑の影響もあり、室内外の温度差や湿度差に体調管理が難しい夏ですが、七味唐辛子のような食べる漢方を取り入れて食欲のある元気な夏をお迎えください。