6月に入ると雨と晴天の日が交互に訪れ、キュウリなどの夏野菜が一気に成長します。浅漬けやぬか漬けにしたキュウリは、おいしくてついついたくさん食べてしまいますが、「これって栄養あるのかなぁ」というのが正直なところ。今日はこれから旬を迎えるキュウリの栄養についての調べてみました。

これから旬を迎えるキュウリ
これから旬を迎えるキュウリ

キュウリが世界一栄養のない野菜と思われている理由

キュウリは「世界一栄養のない野菜」としてギネスブックに掲載されているため、「キュウリ=栄養のない野菜」と思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、これには少し誤解があります。それは……。
ギネスワールドレコーズに掲載された記録名は「Least calorific fruit」で、直訳すると「カロリー(発熱量)の最も低い果実」となります。これを日本語に表したのが冒頭の「世界一栄養のない野菜」というキャッチーな文言。これが広まり、「キュウリ=栄養のない野菜」というイメージが先行してしまったのですが、厳密に言えば「発熱量=栄養素」としていいのかという疑問が生じます。ですから、「キュウリは栄養がない」と言い切るのは少々強引と言えるのです。

夏の定番“冷やしキュウリ”
夏の定番“冷やしキュウリ”

キュウリって栄養はあるの?

では、実際にキュウリには栄養があるのでしょうか?その効果・効能について調べてみました。
キュウリは、約95%が水分であり、100gあたり約14kcalと低カロリーな食材です。栄養素の中ではカリウムが豊富で以下の作用が期待できます。
◎利尿・むくみ改善
カリウムを含むキュウリは、ナトリウムの排出を促し、むくみの解消に期待が持てます。
◎高血圧・動脈硬化予防
カリウムのナトリウム排出効果に加え、香気成分「ピラジン」が血液をサラサラにし、血液凝固を抑制する働きがあると考えられています。
◎夏バテ・のぼせ緩和
水分とカリウムを豊富に含み、利尿作用のあるキュウリは、体内にこもった熱の排出を促す効果に優れています。カリウム不足は夏バテの原因の一つとも言われており、キュウリは夏場のカリウムと水分補給源としても効果的な食材です。
◎ダイエット効果
キュウリは生のまま食べられ歯ごたえもあるので、しっかり噛むことで満腹中枢の刺激になります。近年発見された「ホスホリパーゼ」という酵素が体内の脂肪分解に効果があるとされ、ダイエットにも期待が持てます。
◎美肌効果
キュウリに含まれる「シリカ」というミネラルには、肌、爪、毛髪の老化防止や修復作用があり、最近注目されています。
―― キュウリをおいしくいただくためには、塩のついた手でキュウリを15秒程度もみ、洗い流した後に調理するのがオススメです。ぜひやってみてくださいね。