卒業式や送別会など、春の花束に縁があるシーズンなのではないでしょうか。
「スイートピー」の花言葉は「思い出」「別離」「門出」。ちょうどスイートピーが出回る3月~4月は卒業・入学や入社の季節。社会人にとっては転勤・異動など新天地への旅立ちにもぴったりの花言葉ですね。かの有名な「赤いスイートピー」の歌詞とも重なります。
春を代表するマメ科のツル性植物で、フリルのようなウェーブした花姿は古くから世界中から愛される「スイートピー」。
「スイートピー」は、香りのよい豆という全くそのままな名の由来で、やわらかで甘い香り。見た目や香りに、そっと顔を近づけたくなります。本日はそんな、「スイートピー」のよもやま話始まります。

「赤いスイートピー」は本当にあるの?

スイートピーの原産は地中海沿岸地方で、17世紀末シチリア島で発見されました。
日本には江戸時代末期にはいり、当時はエンドウに似ているので、ジャコウエンドウ、ニオイエンドウ、カオリエンドウと呼ばれていました。その後イギリスで品種改良が重ねられ、今のように大きく色も多彩な品種がたくさん生み出されました。つるのないものから3mに及ぶものもあります。今では、「春咲き」「夏咲き」「冬咲き」の品種まで生み出され年中を通して入手が可能となりましたが、新しい世界へと夢を追って旅立つ美しい少女の巣立ちを思わせるのでしょうか、春のこの季節、多く出荷されます。
「赤いスイトピー」が流行した1980年代の当時は、流通していなかったため、「赤いスイートピーは存在するのか?」と話題になったようですが、今では入手が可能です!

なぜ「スイートピー」がイギリスのエドワード朝を代表する花なの?

イギリス国王エドワード7世の妃でイギリス王妃、インド皇后であるアレクサンドラ王妃は、デンマーク王女の出で誇り高い美貌のために各国でも有名でした。スイートピーをこよなく愛し、式典や晩餐会でスイートピーを飾らせたため、スイートピーが各国でもはやり品種改良、栽培もさかんになりました。
夫エドワード7世は、奔放な女性遍歴があり、3男3女をもうけたあとも絶えることはなかったようで、スイートピーの花言葉の一つ「永遠の喜び」「私を忘れないで」はそんな王妃に想いをよせたものなのでしょうか?
王妃は、戦争で亡くなった遺族の経済援助のためイギリス陸海空軍人家族協会を設立したり、イギリス陸軍看護施設を設立したりと功績を残しました。また、愛犬家としても知られています。

中医学の世界では紫色の「スイートピー」の芳香成分と色に注目!

「スイートピー」は中医学で腎陰虚の症状の中の耳に関わる症状を和らげるとされています。腎の気が回らなくなると、疲労や腰痛そして、耳鳴りや難聴などの症状にあらわれるとされています。
特に紫色のスイートピーの香りと色は、腎陰虚の気を補ってくれるということで注目がされています。当時その効果を知りえていたとは思えませんが、先のスイートピー好きなアドレクサンドラ王妃が実は生涯難聴において悩まれていたということも何か偶然ではないような気がします。
気になる方はお部屋に飾ってはいかがでしょうか?ふわっとした甘い香りにはリラックスの効果もありますね。花瓶の水を浸けた位置から痛みはじめますので、2センチ位少しずつカットすると長持ちします。
参考:メディカルフラワーセラピー 假屋崎省吾/孫維良  かざひの文庫

そんな「スイートピー」。人生の門出を祝福し「永遠の喜び」が訪れるように「蝶のように飛躍する」ことを祈願して贈るのもいいですね。
おひとりそれぞれの皆さまの新しい春が、元気で明るいものとなりますよう願っています!