寒い日が続くと「肩や背中が痛い」ということは、ありませんか?これは、寒さで筋肉がギュッと縮んで、血行不良になることが原因といわれています。どうしても体に力が入ってしまいがちなこの時期こそ、体をゆるませ、コリをほぐしていくことが、健康維持の近道になります。
そこで、仕事や家事、通勤の合間などのすきま時間を使って、簡単にできる指ヨガをご紹介。
指をクルクルまわしたり、ねじったりすることでヨガと同じような効果が期待されるという指ヨガ。リラックスしながら体調を整え、元気に師走を乗り越えましょう!

寒い時期になると自然と体に力が入り、その緊張状態がコリの原因になることも
寒い時期になると自然と体に力が入り、その緊張状態がコリの原因になることも

手や足など「部分」を見れば「体全体」が分かる東洋の身体観を活用

指ヨガの基本的なやり方はとても簡単で、右手の指を左手でつまんでクルクルまわしたり、さすったりするだけという、とてもシンプルなもの。
温泉などに行くと、足裏を描いた図に体の相応する臓器が書かれたイラストを見かけますが、手も同じ。手全体には体の各パーツに相応するツボがあると言われています。
もともと東洋の身体観には、手や足といった「部分」を見れば「体全体」のことが分かるという「部分即全体」という考え方があります。指や手のひら・甲に働きかければ、相応する体の部分が改善される効果が期待できるというわけです。
「指ヨガ」は、ヨガ歴40年の龍村修氏が、部分即全体の考えをもとに手のマッサージから発展させ、体系化したものなのです。

一般的に知られる右手のツボ。足裏同様、手にもたくさんのツボがありますね
一般的に知られる右手のツボ。足裏同様、手にもたくさんのツボがありますね

中指には、頭、首、肩に対応するツボが。疲れたら中指を刺激するのがよい!?

では、具体的に実践していきましょう。
まず左手を出してみてください。
中指の第1関節から上が「頭」。中指の第1〜2関節が「首」 中指の第2関節が「肩」に相応します。
人差し指は「右手」。
親指は「右足」。
薬指は「左手」。
小指は「左足」です。
手のひらの真ん中が「へそ」のツボで、「へそ」から小指の方向に向かって少し上がったところが「胃」。
中指の付け根から手の甲の真ん中に向かって「背骨」。その下に「骨盤」があります。
右手は、左手とは左右反転したカタチになります。
寒さのせいだけでなく、PCやスマホの使用で肩や首が凝りやすい方は、休憩しながら中指を刺激する習慣を持つようにするといいかもしれません。
では、次に具体的なやり方を紹介しましょう。

「部分即全体」の手のマッサージをベースにした「指ヨガ」のツボ
「部分即全体」の手のマッサージをベースにした「指ヨガ」のツボ

息を吐き、リラックスしながらまわしたり、ねじったり。体を緩める効果が期待

頭から首、肩にかけて揉みほぐしたい場合は、
手順1/中指のつけ根をマッサージします。
手順2/中指の爪のあたりを反対の手でつまんで、息を吐きながら指のつけ根を、10回ほど円を描くように回していきます。
手順3/第一関節を反対の手でつまんで左右に約20回ねじります。
手順4/同じように、第二関節を左右に約20回ねじります。
ポイントは、息を止めずに肩の力を抜いて、ゆっくり息を吐きながら行うことです。
冬に多い足先の冷えを感じたときは、親指と小指の爪まわりを強めの圧でマッサージしていきましょう。
冷え性対策として行いたい場合は、手の甲を上にして中指や親指、小指をさするのも効果的。また手のひらを上にして指を反らせて上げるのもよいでしょう。このときも、ゆっくり呼吸することを忘れずに。冷え性対策だけでなく、むくみの解消、緊張をほぐす効果があります。
血行がよくなってきたと感じたら、しめたもの……。仕事や家事の合間時間や、電車やバスに乗っている時、バスタイムなどに簡単にできる指ヨガを活用して、冬も身心ともに健康にお過ごしてくださいね。
◎参考/龍村式 いつでもどこでも簡単に不調を解消「魔法の指ヨガ」 龍村修著 (法研)