秋もずいぶんと深まり、肌寒く感じるこの頃。温かいものが恋しい季節になってきましたね。炎の揺らめきを見ているだけでも癒される「焚き火」について少し学んでみませんか?
初めての焚き火でも、きっとうまく出来ます。そして簡単な楽しみ方もまとめてみました。一人でも、家族や友人とでも、焚き火はとても素敵な時間を紡いでくれます。ぜひ、楽しんでみてください。

焚き火が見ているだけで癒される不思議

『1/f(エフぶんの1)揺らぎ』をご存知ですか。
「パワー(スペクトル密度)が周波数fに反比例するゆらぎのこと。ただしfは0より大きい、有限な範囲をとるものとする。」(参考/Wikipedia)とされています。ちょっと難しいですよね。
簡単に言ってしまうと、たくさんの自然現象や日常生活の中で見られる現象で、例えば、ヒトの心拍の間隔であったり、星の瞬き、木目、波や雨などの水の流れる音、電車の揺れなどもその一つだそうで、『一定のようでいて、予測できない不規則な揺らぎ持つもの』。自然と不自然との調和である揺らぎが人にリラックスを与えるとされています。焚き火はその1/f揺らぎがあり、見ているだけでゆったりとした時間が過ごせるのです。

まずは場所から。どんなところがいいの?

♪垣根の 垣根の 曲がり角 焚き火だ 焚き火だ 落ち葉焚き
当たろうか 当たろうよ 北風ぴいぷう 吹いている♪(作詞:巽 聖歌)
焚き火というとこんな歌が浮かんできますが、今のご時世、どんな場所でも焚き火ができるわけではありません。もっとも簡単に場所を探すとしたら…キャンプ場が1番です。河原や海辺、公園などでも市町村によっては可能な場所がありますので、問い合わせてみましょう。また場所によっても、直火(地面にそのまま焚き火)が可能であったり、焚き火台のような器具の上でなら可能というように様々ですので、その点も確認しておきましょう。
火床は植物が生えているところは避け、砂地や赤土の上を選んでください。土でも黒土の腐葉土などは燃えてしまうことがありますので、気をつけましょう。テントや木から4~5m離し、万一に備えて水場が近いと安心です。芝や草の生えている地面で焚き火をしてしまうと、焚き火の熱によってその後一定の期間、草が生えてきませんし、土の中の微生物や有機物が死滅してしまいますので避けてくださいね。
自然との調和や、そこから生まれるゆっくりとした時間を楽しむ焚き火。ぜひルールを守って、環境保全も心掛けてください。

道具はどんなものが要るの?

『焚き火台』 様々なアウトドアメーカーから販売されています。直火で地面を焼いてしまわないために、また、空気の流れで火をうまく保たせることも考えられている道具です。
『焚き火用トング』 火の付いた薪や炭などを動かす時に使いますが、慣れるまでは長くよじれにくい硬めのものが良いです。
『マッチ・ライター、着火剤』 火をつける時に使用しますが、先の長いチャッカマンライターやターボライターなどは使いやすいと思います。ターボライターは特に、風の影響を受けにくいのでおすすめです。着火剤は付けた火が行き渡るように燃えてくれる便利な道具です。ジェルタイプと固形タイプがありますが、どちらでも簡単に使えます。

焚き火台は火の管理や処理がとても楽チン
焚き火台は火の管理や処理がとても楽チン

『レザーグローブ・軍手』 厚手のものを。薪をくべたりする時に使います。薪などにあるささくれから手を守ってくれますし、レザーグローブならば多少の熱いものもつかむことができます。
『火の粉に強い服装』 アウトドアウェアなどに使用されている化学繊維は、火に弱いものがほとんどです。焚き火のあとにウェアを見たら、火の粉で穴が空いていた……なんて残念ですよね。難燃素材のものやコットン100%素材の物がおすすめです。
『薪』 ホームセンターやキャンプ場でも購入できる薪には、種類があります。それはスギやマツなどの針葉樹とブナなどの広葉樹です。針葉樹は油分を含んでいて、よく燃えて、炎も高く上がりますが、燃え尽きるのが早いです。一方、広葉樹は燃えにくいのですが、一度火がつくとじっくりと長く燃え続けます。木の種類によって香りも全く違います。かすかに香るアロマも是非、楽しんでみてください。