「赤とんぼ」という“とんぼ”は、実は存在しないってホントなのでしょうか? 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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「赤とんぼ」という“とんぼ”は、実は存在しないってホントなのでしょうか?

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体が赤くなるアカネ属のとんぼ

体が赤くなるアカネ属のとんぼ

メスのアキアカネの体は黄色なんです

メスのアキアカネの体は黄色なんです

とんぼは秋の象徴

とんぼは秋の象徴

10月の残すところ5日あまり。秋が一段と深まり、木々も紅色や黄色に色づく季節となりました。
秋の気配が街を包む頃になると、私たちの視界の中に赤とんぼの姿が見え始めます。「♪夕焼、小焼のあかとんぼ、負われて見たのは、いつの日か」の歌詩で有名な童謡『赤とんぼ』もあるくらいですから、日本人にとって赤とんぼといえば「秋」の代名詞的存在といえますね。
そんな赤とんぼですが、実は「赤とんぼ」という名称のとんぼは存在していないのです。では、いったい私たちがふだん“”赤とんぼ”と呼んでいる”とんぼ”は何者なのでしょうか?

実はたくさんいる赤とんぼの仲間

私たちがふだん「赤とんぼ」と呼んでいるとんぼは、「アカネ属」に分類される種類のとんぼのこと。アキアカネ、ナツアカネ、ミヤマアカネなどといった種類がアカネ属のとんぼで、日本でよく見られる種類になります。
とんぼという昆虫は、世界中あらゆる国に生息しているといわれています。なんと、その種類は6000種類のぼるというから驚きですよね。なかでもアカネ属とされるとんぼは、世界に50種類ほど、日本では21種類が確認されているといわれています。
実は、このアカネ属、以前は「アカトンボ属」と呼ばれていたのだとか。ただ、なかには体が赤くならない種類も含まれていたため、アカネ属に変わったようです。

赤くならないとんぼの秘密

アカネ属に属しているとんぼでも、すべてのとんぼが赤くなるわけではないのです。実は、体が赤いのはオスだけ。同じアカネ属だったとしても、メスは赤くならないというのだから不思議ですよね。
オスだけが赤くなる理由のひとつとしては、「縄張り争い」が関係しているのではないかという説があります。自分の縄張りを守るためには、長時間、太陽の光が降り注ぐ場所に滞在していなくてはなりせん。そうした理由からとんぼも紫外線から体を守ろうとして、次第に体が赤く変色していった……というわけです。
紫外線を避けようとするのは人間と一緒なんですね。

とんぼが秋を象徴する存在である理由

やはり、とんぼの姿を確認すると「秋がやってきたな〜」と感じる方も多いでしょう。でもなぜ、とんぼは秋を象徴する存在なのでしょうか?
実は、先ほど紹介したアカネ属のとんぼの中には、夏が得意なとんぼと夏が苦手なとんぼがいるのですが、 「アキアカネ」というとんぼは夏が苦手。暑さが嫌いなアキアカネは夏に気温の低い高地へ向かい、気温が下がる秋になると再び平地へ戻ってきます。
こうしたアキアカネの生態から、秋になるととんぼをよく見かけるようになる、というわけなのです。

「ナツアカネ」は夏の季語。「アキアカネ」は秋の季語

一方、夏が得意で、暑い時季だけでなく一年を通して平地で過ごす「ナツアカネ」というとんぼもいます。
同じアカネ属でもアキアカネとナツアカネを比較すると、実は異なる特徴(生態系)である点も興味深いのですが、
●「夏茜」とも書く「ナツアカネ」は、夏の季語
●「秋茜」とも書く「アキアカネ」は、秋の季語
「赤とんぼ」と「秋茜」は五文字で文字数が同じですが、秋の俳句を読む際に「赤とんぼ」ではなく「秋茜」の季語を用いると、なんだか上級者っぽく感じませんか?
――ひとくちにとんぼといっても様々な種類があり、特徴・生態系もそれぞれ。秋にとんぼを見かけたら、その体の色を観察してみるのもおもしろいでしょう。


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